民主化したビールと権威的なワイン(ビアフェス大阪2011から)

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食関係のイベントには比較的参加しているのですが、ビアフェス大阪2011には大きな違いがありました。その違いとは、

場が一体化して大変盛り上がっている

ということです。来場者が多いという影響もあるのですが、イベント全体としてとても盛り上がっているのです。みんな酔っていることも、盛り上げる大きな要因です。主催者側(日本地ビール協会)が、乾杯を呼びかけた時は、盛り上がりが絶頂に達します。知らない人同士が乾杯している光景も、珍しくありません。地ビールメーカーさんやボランディアを通じて、会話を交わす入場者もいました。(もちろん、知らない人同士でです。)

同じお酒のイベントとして、神戸ベイシェラトンのワインフェスティバルというワインイベントにも参加しました。このイベントは、インポーターさんが出展し、300種類ほどのワインを試飲できるだけでなく、ワインの利き酒コンテストもあり、ワイン好きにはたまらないイベントです。このワインイベントでも、ビアフェス同様入場者はほろ酔い気分。しかし、場が一体化して盛り上がっているとは言えませんでした。みんなで一緒に乾杯することもありませんでしたし、知らない人と会話を交わすこともありませんでした。(あくまで、私自身のことですが。)

この違いは何なのか?と考えてみたところ、次の対立軸を見出しました。それは、

ビール=民主化されたお酒

ワイン=依然権威的なお酒

という違いです。

「とりあえずビール」という言葉があるぐらい、お酒を飲めない人を除けばほとんどの人はビールを飲みます。また、家で晩酌する人のほとんどは、ビール(またはビール系飲料)ではないでしょうか。まず、ビールを飲んでから、日本酒や焼酎に進む人が多いと思います。それぐらい、ビールを飲む人口は多く、ビールを飲む習慣は根づいています。テレビを付ければ、ビールのCMを見ることができます。電車の中でも、ビールの広告を見つけることができます。ビールは、日常の中に溶け込んでいると言えるでしょう。また、人と人との交流につながる乾杯に最も多く登場するのは、ビール。ビールの入ったジョッキを合わせて乾杯すれば、なんだか楽しい気分になれます。

このように見れば、ビールは一般大衆的な飲み物であり、まさに「民主化されたお酒」と言えるでしょう。

一方、ワインは、どちらかというと特別な日に飲むことの多いお酒です。毎日飲むのは、よっぽどワインが好きな人に限られます。乾杯する時も、上品にグラスを合わせることはありません。元気良く「乾杯!」と叫ぶのではなく、ゆっくりおとなしく乾杯します。ワインのCMを目にすることは、ほとんどありません。電車の中でワインの広告を見たことがありません。ビールと違って、ハレのお酒と言えるでしょう。

また、一般的にワインは難しいとされています。ぶどうの種類や生産国・地域が多くあり、それらを覚えるのは簡単ではありません。また、覚えたからと言って、ワインの違いがわかるわけではなく、違いがわかるにはいろいろ飲み比べる必要があります。そう、ある程度経験値が必要になるのです。ビールほど銘柄ごとに違いがなく、その小さな違いを見極めるのが難しいとも言えるでしょう。さらに、ワイン売場に行くと、コンテスト受賞歴だけでなく、ワイン雑誌などの各種マスコミでの掲載内容・評価が、ワインの説明として大きく掲げてあります。

このように見ると、ワインはビールとは違い、「民主化されたお酒」と呼べません。一般消費者には、銘柄ごとの違いが分かりにくいお酒だけあって、そこに権威が登場します。その権威の最たるものが、ロバート・パーカーです。ロバート・パーカーによるコメントや評点が、まるで神のお告げのごとく、そのワインの説明の中で大きく表示されます。ロバート・パーカーが高い評価を与えたワインに、難クセを付けることは大変勇気のいることです。「これがおいしいワインなのかぁ。」とうなずいて飲む人が、多いことでしょう。ワインは、まさに権威的なお酒と言えるのではないでしょうか。

ただ逆に、ワインをもっとわかりやすく表現・提案できれば、ワインを民主化することも可能でしょう。例えば、ワインを飲むシチュエーションを消費者に伝えるとともに、そのシチュエーションに合うワインをずばり提案すれば、ワイン選びがより容易になると思います。さらに、英語やフランス語ばかりのラベルが日本語に訳されるだけでも、ワイン選びのストレスが減ることでしょう。ビールほどの民主化は大変難しいとしても、中国のような開放政策を取って、少しずつ民主化することは十分可能。民主化すればするほど、ワインがより日常に溶けこみ、日本国内のワイン消費量が増えると予測します。

☆今日のまとめ☆

ビアフェス大阪2011では、みんなで乾杯する時に、場が一体化して盛り上がっていた。

これは、ビールが日常的なお酒であり、まさに民主化されているからである。

一方、ワインは、銘柄ごとの違いがわかりにくく、また、ぶどう品種・生産国・産地が多くあり、勉強を強いられる。

ワイン雑誌やロバート・パーカーが大きな力を持つごとく、依然権威的なお酒である。

ワインの民主化が進めば、日本国内のワイン消費量が増えることだろう。

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☆今日のこぼれ話☆

昨日は、箕面ビールさんのペールエールを飲みました。

神戸ベイシェラトンの売店で以前見つけたので、買っていたものです。

この濃厚さを味わうと、普通のビール(やビール系飲料)がおもちゃのように感じます。

価格が高いのでこのような地ビールを普段から飲むことは難しいからこそ、贈り物にはぴったりだと思いました。

地ビールの普及には、ギフトが大きな役割を果たすような気がします。

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→☓

◎毎日情報を発信する→◯

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯

◎腕立て・腹筋30回→☓

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯

◎部屋や家の掃除をする→☓

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20代がお酒を飲まないのは、飲めないのではない。 | 食で人をつなげるRIC経営研究所 へ返信する コメントをキャンセル

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