【520号】アマゾンの新アプリ・プライスチェック、実店舗がショールーム化を避ける方法とは?

アマゾンドットコムBy xsas

 

◎本日のニュース

1)見出し
Why Amazon.com’s New App Is Creating a Stir

【出典】
http://goo.gl/GoZRZ

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2)要約
アマゾンドットコムの新アプリ・プライスチェックが、
実店舗を持つ中小小売企業に混乱を起こしている。

このアプリを使えば、モノをスキャンまたは撮影することで
アマゾン価格を知ることができる。このアプリの販促として、
実店舗で見つけたモノをこのアプリで調べれば、
アマゾンのサイトで利用できる5%割引クーポンの提供を始めた。
これが、実店舗を持つ中小企業の琴線に振れることになる。

中小小売業からの批判に対して、このアプリは、
あくまで大規模なチェーン小売店舗との価格比較を前提にしている

と、
アマゾンは回答している。また、アプリ提供の目的は、
価格情報だけでなく商品情報・利用者レビューへ
アクセスしやすくすることと、している。アマゾンを巡っては、低価格販売を可能にさせた州外売上への免税措置
が無くなくなったことが、これまで売上を奪われていた実店舗を持つ
小売業から歓迎されていたところであった。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
The app is prompting an outcry from small retailers,
who say the site is using their independent stores
as its own showroom.

4)キーとなる英文の和訳
そのアプリによって、中小小売業者から抗議が起こっている。
アマゾンは、自分たちの独立店舗を自社のショールームのごとく
利用している、と抗議している。

5)気になる単語・表現
なし

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
最近、小売店に行くと、スマートフォンを片手にショッピングを
している消費者をよく目にする。これらの消費者みんなとは言わないが、
その多くがネット通販の価格と比較したり、
詳しい商品情報や利用者レビューを調べているのではないだろうか
アマゾンの新アプリ・プライスチェック(Price Check)は、
この消費者行動を容易にさせてくれる。

プライスチェックがリリースされるまでにも、
実店舗はネット通販との価格比較に晒されていた。
特に、中小小売業の場合、実店舗の価格よりも
ネット通販価格の方が低い場合が多いため、
お店で実際に商品を見て、触る→買うのは価格の低いネットで
という行動パターンに悩まされていた。実店舗が、
ネット通販のショールームと化してしまう問題に直面することになる。
問題は、ネット価格の低さ。この原因が、州外売上への課税が
免除されていることにあると、中小小売業は考えていた。
しかし、免税措置が無くなっても、プライスチェックの登場で
価格比較に悩まされることになる。結局は、価格比較ではネットに負ける。
価格以外の差別化が必要になってくる。

ネット通販との価格競争を回避するために、
商品と売り方に工夫を凝らす
必要があるだろう。商品の工夫とは、
1.独自商品化
2.商品プラスαの提供
など。前者は、カスタマイズから始まり、最終型は自社開発商品となる。
後者は、商品をただ売るのではなく、その使い方・保守などのサービスを
一緒に販売することである。

売り方の工夫とは、
1.その商品を使ったらどう得をするのか、
そのベネフィットの情報を提供する。
など。ネットにはできない実物を使ったわかりやすい情報提供が、
必要になる。

これらを行うことによって、単にモノを販売するのではなく、
モノの販売を通じてお店とのつながりを築くことができる。
このつながりが、ネット通販だけでなく競合する店舗に対する
優位性へと昇華する。

逆に、アマゾンがプライスチェックを通じて提供する情報を
利用してやるぐらいの、したたかさがあれば、さらに良い。
特に、利用者レビューは、実店舗ではなかなか収集できない貴重な情報である。
利用しない手はない。

Amazon Price Check for iPhone http://goo.gl/Lcqhu
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《今回のヒントのまとめ》
1)実店舗を持つ中小の小売業は、
比較的価格の低いネット通販との競争に悩まされ、
実店舗がネット通販のショールームのごとく利用されていた。

2)この問題の根源は、ネット通販の低価格にあり、
その要因は州外売上への免税措置にあると考えられていた。
しかし、免税措置が無くなった後も、
アマゾンの価格比較アプリ・プライスチェックを通じて、
ショールーム化を回避することはできなかった。

3)ネット通販との価格競争を回避するためには、
商品と売り方に工夫を凝らして差別化する必要がある。
商品の工夫とは、独自商品化やプラスαの提供など。
売り方の工夫とは、利用者ベネフィットに関する情報の提供など。

4)実店舗では収集にしにくい利用者レビューなどは、
逆にプライスチェックを利用してもいいだろう。

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編集後記
昔iPhoneを持っている時は、私もよく価格比較をしていました。
よくしたのが、本屋さんで気に入った本を見つけた時に、
アマゾンの古本価格をチェックすること。
また、家電製品を買いに行った時には、カカクコムをよく見ました。
その場合は、価格よりも利用者レビューが特に参考になりました。
利用者レビューが店頭に全くないのは、実店舗の大きな欠点ですね。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!

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