食品小売店と飲食店の相互市場侵食その1

 

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by courtesy of tokyofoodcast.com

 

WBSで食品小売と飲食サービスの企業で、相互にもう一つの市場に参入することが取り上げられていました。たすき掛けのような関係ですね。その企業とは、高級食材を扱う成城石井と、品質重視型ハンバーガーチェーンのモスバーガー。今回は、成城石井を取り上げたいと思います。

 

成城石井の飲食サービス参入は、10月の記事にて取り上げました。

 

成城石井の飲食店併設、ホールフーズ式小売を目指す理由とは?

 

この時は、飲食サービス市場に参入する理由を、

 

価格競争の激しい食品小売だけでは成長が難しいから

 

と捉えていましたが、実際は全く別の目的から飲食サービスを併設した店舗をオープンしたようです。それは、

 

試食をより効率的に行うため

 

です。 小売店舗に併設した飲食店は、もちろん有料。しかし、ワインは成城石井店舗で扱う商品を提供し、価格も小売価格の3倍を取る飲食店よりもリーゾナブルに抑えているようです。つまり、この飲食店から利益を稼ごうとは思っていないのです。小売店で扱う商材を飲食店で提供することで、その品質の高さを試してもらおうというのが目的です。言わば、有料試食のようなもの。

 

わざわざ飲食店を併設してまで試食してもらいたいのは、小売店で行う試食販売の効果が小さいからかもしれません。実際、イオンなどの大型スーパーでは、週末となると試食販売がよく行われていますが、試食している来店客はほとんどいません。試食している人が少ないことで、より試食しにくくなり、試食販売の効率はかなり悪くなっているようなのです。いかりなどの高級スーパーでもしかり。JR大阪駅近くという好立地のいかりでも、試食販売に反応する来店客はかなり稀。試食で賑わうデパ地下とは好対照です。

 

いい商品を販売していても、その良さを実感してもらえなければ、売れません。その打開策として試食販売があるのですが、なかなか食い付きが悪いのも事実。ならば、割安な価格で小売食材を試せる飲食店を作れば、その良さを納得してもらえるのではないか。成城石井は、そう考えたのです。

 

グランフロント大阪のような集客力のある商業施設を使うなど、試食販売も進化しています。

 

☆今日のまとめ☆

成城石井が小売店舗に飲食店を併設したのは、取扱商品を効率よく試食してもらうため。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

WBSの映像を見ると、とてもオシャレでムーディーなお店でした。

ただし、価格はそうリーゾナブルとは思えず。

成城石井という安心料と言えば、納得かもしれませんが。

 

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