専門店のピザが190円でも売れない理由

美味しそうなマルゲリータby courtesy of Suoh Sato

※このピザは、取り上げた店舗とは全く関係がありません。

先日、元町商店街を歩いていると、ビラ配りをする青年を見かけました。どんな商売をしているのか気にあるので、配布されているチラシ・ビラはできるだけもらうようにしているのですが、今回のはピザ専門店のチラシ。「オープン記念フェア」とあるので、新しく出来たお店のようです。

実はこのお店を知っています。たまたま阪急花隈駅近くを歩いていると、灯りが煌々と光るお店を発見。たまにこの道を通るのですが、以前はなかったお店です。確か1月頃かと思いますが、当時はオープン記念として2・3日限定の特別セールを行っていました。そのセールは、980円のマルゲリータ・マリナーラを190円で販売するというもの。値下げ率も高いですが、価格そのものも破格なので、行列ができるまでには至っていませんでしたが、それなりに賑わっていました。そして、2月にもその前を通ったのですが、来店客は1組ないし2組。そして、その日に元町商店街でもらったのが、先述のチラシです。

そこで、190円の格安ピザでも集客できない理由について、考えてみました。

【190円の格安ピザでも集客できない理由】

[1]実施期間が長いために、即効性がなにため

[2]一人あたりいくらかかるかわからないため

[3]安すぎて逆に怪しいから

[4]本当に価値のある商品とは思えないから

1について、店側としては、2・3日限定の時に集客効果があった企画なので、集客効果を狙って期間を長くしたのでしょう。しかし、消費者としては、長期間有効な企画なので、今行かなくてもいいという心理が働いてしまいます。その結果、オープン直後ほどの集客効果がなかったのではないでしょうか。私も、オープン直後に知った時は、思わず行きそうになりましたが、今回のチラシを見た時には、「また行こう」という気にしかなりませんでした。「また」がいつ来るのか、本当に来るのかはかなり疑問です。

2について、チラシにはマルゲリータ・マリアーナの定価と期間限定価格しか掲載されていないので、その他のメニューがいくらするのかわかりません。チラシだけでは、どんな店かもわからないので、客単価を予想することすらできないのです。かといって、190円のマルゲリータだけ食べるということも、なかなかできることではありません。一人あたりどの程度かかるかわからないと、なかなか新しいお店にはチャレンジできないものです。

3について、安くすれば売れるとは限りません。安すぎれば、その理由について勘ぐりたくなるもの。例えば、破格の価格から、中国産の食材を利用していることを予測されるかもしれません。その結果、安心・安全を重視する消費者は、その店を利用する確率はかなり低くなります。安すぎると、怪しまれる可能性があるのです。

4について、チラシデザインを見る限り、品質に凝ったお店のようには思えません。どちらかというと、立ち飲み屋みたいな印象を受ける人が多いのではないでしょうか。できるだけコストを掛けたくないという思いを感じる、シンプルなチラシだからです。また、店の説明文に、「本場ナポリの薪窯」というキーワードを入れていますが、特に珍しいわけではありません。今どきの洒落たピザ専門店なら、石窯を入れているお店がほとんどんという印象だからです。チラシを見る限り、特にこだわった店とは思えず、本当に定価980円のピザに価値があるのか、かなり疑問なのです。

ならば、次のような解決策が考えられます。

【オープンしたばかりのピザ専門店への集客改善案】

[1]期間を短くする。割引商品をコロコロ変える

[2]ビールやサラダなど主要メニューの価格を掲載する。ほろ酔いセットを作るなど、一人あたりの支払い金額の目安を掲載する。

[3]ピザの写真を掲載する。ピザの説明をより詳しく、数字を添えて説明する。

[4]店舗や店長の写真を掲載する。どんな店なのかを、より詳しく説明する。

1については、あまり薦めません。というのも、安いお店という印象が強くなり、バーゲンハンターの集客が多くなる可能性があるからです。それなら、来店客に次回使えるクーポンを渡すなど、リピートを作り出す仕組みの方がより重要です。

このお店の一番の弱点は、その立地。チラシに掲載されている地図を見てもわかりにくく、実際元町からは少し歩かなければなりません。この場所でピザ専門店をするならば、商品や店舗の雰囲気でかなり差別化が必要なのではないでしょうか。価格だけで売るような立地ではないように思えます。

☆今日のまとめ☆

専門店のピザが190円でも売れないのは、期間設定、一人あたりのだいたいの支払い金額の掲載、商品説明、店舗説明に問題があったからではないか。

立地が悪いだけに、商品と店舗で差別化が必須だろう。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

店舗を見る限り、ファミレスのような明るい感じ。

一方でメニューは、ピザ専門のバルのような感じでしょうか。

アルコール需要を想定しています。

何かチグハグなんですよね。

とはいいつつ、流行ったりして。

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