牛丼3チェーンからわかる、既存店売上高が伸びる理屈

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牛丼3チェーンの既存店売上高が好調です。

 

 牛丼大手3社の9月の既存店売上高が出そろった。ゼンショーホールディングスの「すき家」が前年同月比6・6%増と5カ月連続のプラスで、残る2社も前年実績を上回った。すき家は8月下旬に牛丼並盛りを21円高い291円とするなど、単価上昇が既存店売上高を押し上げた。(2014年10月8日付 日経MJ)

 

牛丼チェーンの前を通る時はたいてい、来店度合いを見るのですが、そう混んでいるようには見えません。一番忙しいランチ時に見てないせいかもしれませんが、消費増税前とそう変わらないというのが私の実感でしょうか。数字を見れば、その実感が正しいことがわかります。牛丼3チェーンとも、客数は消費増税後マイナスに転じています。(松屋の月次はこちら

 

それでも既存店売上高がプラスを維持しているのは、

 

客単価が伸びているから

 

に他なりません。実際、3社とも直近の9月実績で5%以上客単価は伸びています。凄まじいのはすき家で、前年同期比で1割超も上昇しています。値上げが売上増に効いているのです。

 

一方、既存店売上高がマイナス基調のサイゼリヤ(PDF,2013年度PDFはこちら)は、客単価は前年並ないしマイナスに推移しています。大幅値上げをしなかったにもかかわらず、客数もマイナス。値下げが客数増に効かないことの証左です。既存店売上高をプラスにしたければ、付加価値の高い商品を開発して、客単価を引き上げなければならないのです。

 

ただし、客単価を引き上げたからといって、既存店売上高が増加するわけではありません。例えば、モスバーガーは、昨年11月より客単価がプラスに推移しているにもかかわらず、既存店売上高がマイナスの月の方が多くなっています。客単価をじっくり見ると、その理由がわかります。その理由とは、

 

2.5%未満という小さな値上げならば、売上増につながらないから

 

です。つまり、客数の急減を恐れて値上げ幅を小さくしても、客数減からは逃れられず、売上をプラスにする効果は期待できないのです。牛丼3チェーンでも、昨年大幅値下げにより既存店売上をプラスにした吉野家を除き、2%以上の値上げで既存店売上高のプラスに成功しています。

 

このように、既存店売上をプラスにしたいならば、客数の急減を恐れず大きめの値上げを実施し、客単価の大幅引き上げを成功させる必要があるのです。もちろん、その前提として、付加価値の高い商品の開発が必要となります。

 

☆今日のまとめ☆

牛丼3チェーンの既存店売上がプラスなのは、客単価が大きく上昇したから。

 

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  • 今日のこぼれ話☆

低価格で博していた牛丼が、値上げによって既存店売上をプラスにしたことはかなり驚きですね。

日本マクドナルドが高単価商品の投入に踏み切った理由がよくわかります。

 

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