梅田阪急に出店した明治・メルティーキッス、これも業界の流れの一つ。

melty kiss

 

梅田阪急にまたもや行列のできるお店がオープンしたようです。

 

 阪急百貨店梅田本店(大阪市北区)で12月3日、明治と共同企画したチョコレート店「メルティーキッス スノーギフト」がオープンした。ここでしか買えない高級チョコが売り物で、クリスマスやバレンタインデーを見据え、2月28日まで営業。商戦を盛り上げる。(2014年12月3日 産経WEST

 

ワールドビジネスサテライトで見たのですが、今度はメルティーキッスのプレミアム商品に行列が出来たようです。ポッキー・ハッピーターン・ポテトチップスに続く第四弾です。(梅田阪神のフルグラを入れれば第五弾になりますが)大阪人だからなのか、いつもデパ地下の行列には驚きます。他に美味しい有名スイーツがあるのだから、わざわざ大手メーカーのスイーツをデパ地下で行列してまで買わなくてもと思うのですが、私以外の人はそう思わないようです。

 

メルティーキッス スノーギフトの大きな特徴は、

 

[1]大手メーカーの有名ブランド菓子のプレミアム商品

[2]阪急うめだ本店だけの限定ショップ

[3]期間限定

 

の3つになります。1・2は、これまでの大手メーカーコラボと同じで、3つ目だけが異なります。産経の記事を読む限り、期間限定にしたのはバレンタイン需要を考えたからのようですが、リピートが期待できるならバレンタイン後も売れるはず。期間限定にしなければ、行列が出来ず話題性に乏しいと危惧したからでしょうか。もしかしたら、フルグラの苦戦を見て、そう案じたのかもしれません。

 

メルティーキッスのデパ地下進出は、菓子業界の流れの一つと捉えることができます。それは、

 

プレミアム品を新販路に投入することで、新規顧客を開拓すること

 

です。ポッキー・ハッピーターンと同じパターンです。スーパーでは特売でエンドなどの目立つ場所に置かれない限り、なかなか新規顧客を開拓できません。しかも、値下げで購入した顧客は、プロパー価格で買ってくれる保証はありません。一方、デパ地下のような品質重視の消費者が多い販路でプレミアム品を販売することで、これまでメルティーキッスを素通りしていた優良顧客を獲得できます。逆に言えば、スーパーやコンビニ・ドラッグストアという既存販路では、リピート購入してくれる優良顧客をなかなか獲得できないとも言えます。

 

メルティーキッス スノーピークには、もう一つの流れを読み取ることができます。それは、

 

期間限定ショップ

 

という販売手法です。期間限定ショップという業態は、百貨店だけではなくSCなど店舗の集積する施設で見かけることが増えました。例えば、JR西日本のエキマルシェ。大阪・三宮にも期間限定ショップのスペースがあります。期間限定ショップは、購入するか迷う消費者の背中を押す力があります。次に買おうとしても、ないかもしれないからです。また、目新しさで財布の紐が緩み易くなることも期待できます。逆に言えば、常設の店舗や変化のない売場では、モノが売れないということかもしれません。

 

もう一つ、大きな流れがあります。それは、

 

他市場を侵食することで、客数増を狙う

 

というものです。これは、以前取り上げたCoCo壱番屋にも当てはまること。CoCo壱番屋は、イベント会場という市場を狙いました。メルティーキッスの場合は、デパ地下です。逆に言えば、既存市場に留まっていては、客数増はなかなか難しいのです。

 

☆今日のまとめ☆

メルティーキッス スノーピークからわかる業界の流れは、新販路でのプレミアム品販売による優良顧客の獲得、期間限定ショップによる需要喚起、他市場への進出による客数増である。

 

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  • 今日のこぼれ話☆

メルティーキッスのデパ地下進出で一番割を食っているのは、阪急うめだ本店に出店するチョコレート専門店でしょう。

 

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