飲食店の事前注文アプリから考えた、ニーズとその可能性

pizza restaurant seat

 

飲食店の事前注文アプリに関する記事を、いつか目にした記憶があります。WSJと日経だったかな。事前注文アプリとは、来店前に注文することで、来店したらすぐに料理を食べることができるスマホアプリです。確か、注文と同時に決済もすることで、いたずら注文も回避できたかと思います。(このあたりはチェーンにもよる)

 

この事前注文アプリが生まれた背景にある、消費者・飲食店ニーズをまとめると、次のようになります。

 

【事前注文アプリの背景にあるニーズ】

(消費者)

  1. 待ち時間短縮
  2. ポイントなど獲得

(店舗)

  1. 座席回転率の向上
  2. 販売機会の増加
  3. 顧客囲い込み

 

この場合、消費者のニーズとは2つのタイプがあります。一つ目は、時短。飲食店利用での苦情で一番多いのは、料理がなかなか出てこないということです。私もよくイライラすることがあります。事前注文アプリを使うことで、この待ち時間を短縮できます。特に、ランチ時はこのニーズかなり高いのではないでしょうか。スタバが事前注文アプリで成功しているのは、ファストフード業態で期待される料理のスピード提供がこのアプリで促進できるからです。二つ目は、お得感。ポイント付与されると、このお得感がアップします。これは、ドラッグストアや家電量販店などのロイヤルティカードが持つ効果と同じです。

 

次に店舗ニーズですが、一言で言えば売上拡大に他なりません。一つ目は、事前注文アプリで来店客の待ち時間が短縮できれば、座席回転率が向上します。これは、そのまま売上増に寄与します。この効果を期待すれば、客席を少なくして、賃料を削減することも可能かもしれません。

 

二つ目は、店舗外から注文を受けることができるので、販売機会を増やすことができます。アプリを通じて、売りたい商品の売り込みも可能でしょう。三つ目は、ロイヤルティカード同様、顧客の囲い込み。IDによる紐付けも行われるので、その顧客の好みを記録でき、より購入確率の高い商品提案が可能となります。ビッグデータ活用そのものです。

 

もちろん、デメリットもあります。消費者にとっては、注文変更は店舗での注文よりも難しくなります。少々料理を待ってもいいと考える人なら、このデメリットは大きいでしょう。店舗にとっては、アプリの作成・販売(普及)コストが余計に掛かります。

 

事前注文アプリはまだまだ少ないですが、これによる収益増事例が増えれば、今後導入する店舗が増えるかもしれません。スマホ・タブレットを使って、注文をIDに紐付けできる点は、ネット通販と同じ。飲食店にもネット通販の影響が及んでいる好例と言えます。

 

☆今日のまとめ☆

事前注文アプリのメリットは、消費者にとっては調理の待ち時間を短縮できる点。

店舗にとっては、座席回転率を向上できる点と販売機会を増やせる点、顧客の囲い込みができる点。

IT利用とIDとの販売紐付けは、ネット通販と同じ仕組み。

 

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  • 今日のこぼれ話☆

料理の待ち時間というのは、消費者が持つ飲食店への大きな不満である一方で、人気店ほど短縮が難しいという側面を持ちます。

だから、どんなに忙しくてもスピード提供を担保すれば、意外に人気が出るかもしれません。

これやっているのが、サイゼリヤなのかな。

 

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