【473号】米ヤフーの新広告配信システム、グーグルにない特徴とは?

Yahoo! in the U.S.

(from Flickr)

◎本日のニュース

1)見出し
Yahoo Prepares New Web Ad Push

【出典】
http://goo.gl/NyJ64

2)要約
米ヤフーは、

今年後半に新広告配信システムの稼働を予定している。
このシステムを使えば、ヤフー以外のサイトに、
閲覧者が望むであろうバナー広告を配信できる。このシステムは、ヤフーのサイト最適化技術を使ったものである。
現在、この技術は、ヤフー自社サイトで使われている。
閲覧者のサイト上の行動により、表示される内容が変わる。

このシステムの対象は、すべてのサイトである。
ただ、特にウェブ技術やユーザーデータに乏しい
中小企業が運営するサイトにメリットがあるとされる。
ユーザーの好みにマッチした魅力的な広告をヤフーが
配信することは、そのサイトだけでなく
そのユーザーにも安心感を与えることができる。

このシステムの最終目標は、ウェブ技術と
コンテンツのエコシステムを作ることとされている。
ヤフーの技術をこのエコシステムに使うことで、
ヤフーは、広告収入の増加を目指している。

3)キーとなる英文
People are spending less time on Yahoo Inc.’s websites.
So in a bid to reverse its waning influence,
the Internet company is working on a way to
get more of its content and advertising on others’ websites
instead.

4)キーとなる英文の和訳
ヤフー社のサイトでの滞在時間は、どんどん減っている。
そこで、その衰え行く影響力を挽回しようとして、
自社サイトではなく他のサイトに、
そのコンテンツや広告をより多く掲載する方法を検討している。

5)気になる単語・表現
waning  形容詞     衰え行く
in a bid to     副詞句     ~しようとして

6)今日のヒント
ヤフーの新広告システムの特徴は、
ユーザーが欲しいであろう広告を他のサイトに配信する
ということである。このシステムが優れているのは、
広告効果が上昇する確率が高まる
からである。

ただ、この仕組みは、どこかで見たことがある。
そう、グーグルが得意とする検索連動型広告である。
「検索ワードは、ユーザーが興味を持っている言葉である。」
という考えのもとで、
検索結果にその検索ワードに関係する広告を掲載するという、
広告形態である。
ヤフー(アメリカの)も、検索連動型広告を配信している。

また、グーグルのアドセンスも、
ヤフーのこの新システムと似ている。
アドセンスは、そのサイトに関係のある広告を掲載してくれる。
サイト訪問者は、そのサイトに興味を持っているとすると、
アドセンスの広告=サイトの内容=サイト訪問者の興味
となり、アドセンスの広告効果は他の広告よりも高くなる。
ヤフーの新システムは、
ヤフー新システムの広告=サイト訪問者の興味
で、アドセンスよりもシンプルだが、理屈は同じである。

ならば、グーグルの検索連動型広告や
アドセンスとヤフーの新広告配信システムとの違いは何なのか。
それは、
ヤフーの新システム=クリックする、
またはマウス矢印を広告の上に動かすと、
大きく表示されるウィジッド型のバナー広告
グーグルの広告=文字広告
である。ヤフーの方は、広告の大きさが変動し、
動的である。グーグルの広告には、動きはない。
さらに、広告が大きくなることは、
ユーザーの目に入ることはほぼ間違いない。
小さな文字広告のグーグルよりも、
大きな広告効果が期待されるだろう。

このように、ヤフーの新システムは、
動的で初めて見た人なら驚くかもしれないバナー広告を配信する。
広告の内容をユーザーの興味に合わせるだけでなく、
広告の見せ方に工夫を凝らすことによって、
その広告効果はより高くなる。グーグルの単調な文字広告と、
大きく差別化していると言えるだろう。

また、グーグルの広告は、その内容を広告主に丸投げで、
広告掲載サイトはその内容を操作することはできない。
一方、ヤフーの新広告では、
掲載サイトはその広告内容を決めることができる。
不都合だと判断した広告を、差し替えることができる。
これにより、掲載広告がサイトの価値を毀損する確率は
大きく低下する。
広告掲載サイトが、実際の広告を管理できる点は、
大きなメリットだろう。

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《今回のヒントのまとめ》

1)米ヤフーは、外部のサイトにユーザーに適した広告を
配信するシステムを導入しようとしている。
このシステムを使えば、
サイト訪問者に興味の沿った内容の広告が、
そのサイトに掲載されることになり、広告効果は高まる。

2)同じ理屈の広告システムとして、
グーグルの検索連動型広告とアドセンスがある。
これは、検索ワードやサイト内容が利用者の興味に
合致するという考えのもと、
検索ワードやサイトに内容に適した広告を掲載する。

3)両社の違いは、その広告形態と配信の仕組みである。
ヤフーの新システムでは、クリックなどの
マウス操作によって広告が大きくなる
バナー広告を配信するのに対し、
グーグルは静的な文字広告を配信する。
ヤフーの動的な広告は、おもしろくまた目に入る確率も高まるので、
グーグルの広告よりも広告効果は高まるだろう。

4)また、グーグルの広告は、広告内容が広告主に丸投げで、
サイト側は掲載広告を操作することはできない。
一方、ヤフーの新システムでは、
サイト側が掲載広告を管理することができ、
広告によってサイトの価値が毀損する確率は低くなる。
ヤフーの方が、広告を掲載する側にとっては、使いやすいだろう。

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6)おすすめ商品・サービス

◎Winecarte 簡単ワインの選び方
一番新しい記事は、

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(Macon-Village Chameroy2009)
http://goo.gl/Ngtbp

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編集後記
こんばんは、高尾です。
週末の3連休は、大阪のビアフェスタに参加します。
しかも、スタッフ(ボランティア)として。
なぜボランディアをするかいうと、
ビール市場全体が縮小する中、
地ビール市場は底堅いと言われており、
その実態を確かめたいから。
地ビールの価格は、大手メーカーのビールや
プレミアムビールと比べて高いのですが、
それでも売れているのはなぜか?
参加者の動向を見るとともに、
醸造企業の販売戦略なども聞いてみたいと思います。
このご時世(可処分所得が増えずにデフレである経済状況)で、
高くても売れるモノには理由があると思うんですよね。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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