マクドナルド5月既存店売上、分析してわかったその本質とは?
By Gerard Stolk (vers le Santiago)
6/9の日経新聞朝刊を読んでいると、マクドナルドの5月月次実績に関する記事がありました。
日本マクドナルドホールディングスは8日、5月の既存店売上高が前年同月を11.0%下回ったと発表した。減少幅は2002年9月(11.1%減)以来の 大きさ。5月に値ごろ感のあるセットメニューを発売したところ、客数は増えたものの客単価が大幅に減った。土、日曜日が前年同月に比べて2日少なかったこ とも響いた。(日経新聞電子版より)
つまり、マクドナルドの5月実績は悪かった、ようです。前年比だけでは、震災・曜日などの影響を受けるので、2010年と比較するとどうなのかについて、調べてみました。
2010年5月の既存店売上を100とすると、2011年・2012年は次のようになります。
【マクドナルドの既存店売上金額】
2010年5月 100
2011年5月 101.2
2012年5月 89.1
2012年5月の既存店売上金額は、2010年も下回っていたことになります。つまり、震災が原因ではなかったことになります。そこで、休日数(土日+祝日)に関して、2010年と2012年を比較してみました。(参考は、日本マクドナルドのIRサイト)
【5月の休日数】
2010年 12日
2012年 10日
2012年は、2010年と比べても5月の休日数が2日少ないようです。休日の売上金額が平日の1.5倍あるとして、2012年の休日数を12日に換算してみると、以下のようになります。
【休日数を12日にした場合の2010年・2012年マクドナルド既存店売上金額比較】
2010年 100
2012年 91.6
休日数の影響を除いたとしても、2010年よりも8.4%減少していることになります。
念のため、休日の売上金額が平日の2倍あるとした場合の比較もしておきます。
【休日売上=平日売上X2、休日数12日にした場合の2010年・2012年既存店比較】
2010年 100
2012年 93.4
この場合でも、2010年5月比で6.6%減少です。
これらのことからわかるのは、マクドナルド2012年5月の既存店売上金額は、
外部要因ではなく内部要因によって、昨年比・一昨年比マイナスになった
ということです。記事にも示されている通り、2012年5月に起こった内部環境の変化とは、
低価格メニューの導入
です。250円セットという牛丼・コンビニを意識したメニューを導入したことが、5月既存売上に影響したようです。この低価格メニューの導入により、客数は増加したものの、昨年・一昨年の売上金額に届くほどの客数増にならなかったということになります。さらに、
一部の既存顧客が500円以上のメニューから250円メニューに切り替えた
ということが、予想以上に増えたのかもしれません。その結果、
客数増加
客単価減少
売上金額減少
になったのでしょう。
値下げは大きなインパクトがあって、来店客数を増やす効果があります。ただ、売上金額を伸ばすほどの効果は見込めない。安易な値下げは、命取りになるということを、マクドナルドは教えてくれます。また、値下げ競争を繰り広げている牛丼チェーンの5月実績を見ても、値下げの恐さが実感できます。
☆ 今日のまとめ☆
マクドナルド5月既存店売上金額は、2010年と比較しても10.9%減少しているので、震災は影響していないことがわかる。
休日数を一緒にしても、2010年売上金額に及ばないので、休日数のせいでもない。
既存店売上が振るわなかったのは、低価格メニューの導入によるものと思われる。
客数増にはなったものの、昨年・一昨年の売上と並ぶほどには増えなかった。
値下げの恐さを物語っている。
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☆ 今日のこぼれ話☆
ただ、マクドナルドは、客数増に成功したとも言えます。
となると、次の手は単価の高い商品の導入。
どんなバーガーが登場するのか、楽しみです。
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→☓
◎毎日情報を発信する→◯
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓
◎腕立て・腹筋30回→◯
◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯
◎部屋や家の掃除をする→◯
◎営業日誌を付ける→☓