JINSがPC用メガネを売り出す理由とは?
昨日の日経新聞朝刊に、JINSの大きなカラー広告が掲載されていました。折込広告ではなく、新聞に印刷された広告なので、全国が対象の広告になります。そこまでして売りたい商品が、こちら。
ブルーライトから目を守るならJINSのPCメガネ | JINS PC®
WBS(ワールドビジネスサテライト)か何かのテレビ番組で見て、JINS PCのことは知っていました。ただ、JINSの新聞広告を見たことがこれまでなく、初めて見たのがJINS PCであったということは、JINSがこのPCメガネの販売にかなり力を入れているということになります。
JINSと言えば、追加費用なしに定額で購入できる低価格メガネがウリのメガネ屋さん。すべて自社開発商品で、お洒落なデザインも特徴です。つまり、
【JINSの強み】
◯低価格
◯デザイン性
となります。一方、JINS PCの特徴は、機能性(視力矯正以外の)。JINSの強みではありません。では、なぜ強みを活かせない商品の販売に力を入れているのでしょうか。
その理由を考える時、
メガネという商品の購入動機
を考えてみればいいかと思います。メガネを購入する動機として、
視力が悪くなったから。
メガネが壊れたから。
の二つのパターンがあるかと思います。どちらも必要に迫られての購入です。さらに、
もっとおしゃれなメガネが欲しくなったから。
という動機もあります。こちらは、メガネの価格が急激に低下したからこそ、生まれた動機。思えば昔、メガネは高額な医療器具という意味合いが強く、気軽に購入することができないものでした。しかし、JINSなどの低価格メガネチェーンが登場し、メガネはファッションの一部に。デザイン性の高いフレームが増えたことも、メガネのファッション化の後押しをしました。週末に低価格メガネチェーンに行けば、すごい人だかりのお店が多いことがわかります。その多くは、メガネを購入しようと思って来店したのではなく、なんとなく「おしゃれなフレームがないかなぁ。」というファッション品の購入感覚で来店したのではないでしょうか。
このような三つの購入動機があるのですが、どれも購入頻度はそれほど高くありません。必要に迫られた先の二つの動機は何年かに一度に過ぎず、ファッションで購入するにしても、数ヶ月に一度ほど。
売上金額=客単価X客数X購入頻度
を考えた場合、
客単価→低価格チェーンのため、引き上げることは難しい。
客数→視力の悪い人の数は限定的
なので、購入頻度を高めるしかありません。(客数も、競合のメガネ屋さんから奪えば、増やすことは可能ですが、大きなコストがかかります。)
購入頻度を高めるには、JINSのメガネユーザーに、新しいメガネをもう一本買ってもらわなくてはなりません。また、そのメガネは、視力矯正・おしゃれ以外の目的が必要です。そのために、PC用のメガネが開発されたのではないでしょうか。つまり、PC用のメガネが売りだされたのは、
既存ユーザーの購入頻度を高めるため
となります。
さらに、PC用のメガネには、
競合他社が持っていない商品
PCを使う人すべてがターゲット
という大きな強みがあります。つまり、PC用メガネを発売することで、
◯競合他社から顧客を奪うことができる=客数増
◯これまでメガネを不要としてきた消費者に売ることができる=需要創造→客数増
を導くことになります。
恐らくJINSは、現状のデザイン性の高いメガネだけでは、客数・購入頻度を高めることはできないと考えたのではないでしょうか。そこで、客数・購入頻度を増加させるだけでなく、需要を創造までしてくれる商品の開発を始め、PC用メガネにたどり着いたのではないかと思います。
☆ 今日のまとめ☆
JINSがPC用メガネを開発したのは、客数・購入頻度の頭打ちが見えてきたからではないか。
PC用メガネによって、客数・購入頻度が増えるだけなく、視力矯正・デザイン目的以外の需要を創造することができる。
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☆ 今日のこぼれ話☆
JINSは、PC用メガネだけでなく、メガネの自販機など、メガネの商品開発・流通に革命を起こそうとしているように感じます。
また、機能性メガネの開発・販売を見ると、ヒートテックなどの機能性衣類の開発・販売を行うユニクロを思い出します。
☆昨日の目標→その結果☆
◎朝6時に起きる→◯
◎毎日情報を発信する→◯
◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯
◎腕立て・腹筋30回→◯
◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯
◎部屋や家の掃除をする→☓
◎営業日誌を付ける→☓