【574号】アマゾンと競合するアマゾンマーケットプレイスから学べることとは?

By xsas

◎本日のニュース

1)見出し
Competing With Amazon on Amazon
【出典】
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2)要約
数多くの中小小売企業がアマゾンマーケットプレイスに出店してい

るが、
出店後にアマゾンドットコム自体と競合する事例が増えている。アマゾンマーケットプレイスとは、第三者の小売企業が
アマゾンユーザーに商品を販売できるコーナー。
マーケットプレイスを利用することで、
アマゾンを利用する年間約8500万人にリーチできるメリットが

ある。しかし、マーケットプレイスで売れた商品を、
アマゾン自体が独自に仕入れてより低価格で販売するという事態が
起こっている。これによりアマゾンは、マーケットプレイスからの
手数料収入を失う一方で、売れないリスクを回避でき直販売上を
拡大することができる。

この結果、価格競争力に劣るマーケットプレイス利用企業は、
売上を大きく落としている。さらに、マーケットプレイスでの
販売を縮小する企業も一部に出てきている。

アマゾンマーケットプレイスの販売金額は、今年第一四半期、
前年同月比で60%も増加し、アマゾン全体の販売金額のうち
39%を占めている。さらに、5年以内に55%

まで伸びると予測されており、
アマゾン事業部門の中で急拡大している。◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
According to some small retailers, the Seattle-based giant
appears to be increasingly using its Marketplace―
where third-party retailers sell their wares
on the Amazon.com site―as a vast laboratory to spot
new products to sell, test sales of potential new goods,
and exert more control over pricing.

4)キーとなる英文の和訳
ある中小小売企業によると、シアトルに本部がある
巨大小売企業・アマゾンドットコム社は、
マーケットプレイスの利用を拡大しているようである。
マーケットプレイスでは、第三者の小売企業が自社の商品を
アマゾンドットコムのサイトで販売する。
マーケットプレイスを巨大な実験室として、売れる新商品を
発見し、潜在的な新商品の試験販売が行い、
さらにより大きな価格決定権を行使しようとしている。

5)気になる単語・表現
appear to自動詞句~のように見える、~のようだ
ware名詞売り物、(露天商の)商品
spot他動詞~を見つける、発見する
exert他動詞(力など)を使う、働かせる

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
アマゾンドットコム社(Amazon.com Inc.)と、
そのマーケットプレイスを利用する中小小売企業とが
競合しているという。その事例として、

以下が記事で紹介されている。スポーツグッズを販売するコレクティブルサプライズ社
(Collectible Supplies Inc.)は、昨年29.99ドルで
NFLマスコットの枕を、マーケットプレイスで販売した。
数ヶ月後、売上は徐々に拡大し、

一日に100個売れるほどまでになった。
年末商戦のちょうど前に、アマゾン自身が同じ枕を同じ価格で
販売しているのを発見。さらに、その商品はサイトの
オススメコーナーという目立つ場所で売られていた。
その後、コレクティブルサプライズのその枕売上は、一日20個まで急減。
価格を下げたところ、値下げを止めるまで、アマゾンも
常に同価格に合わせるか、より低価格で販売した。つまり、マーケットプレイスで売れるとわかった商品を、
アマゾンが独自で仕入れて、より低価格で販売するように
なったということである。アマゾンは、マーケットプレイスを
商品販売の実験室として活用し、価格競争力と合わせて
商品販売につなげている。

アマゾンがこのような方法を採るのは、マーケットプレイスが
大きな成長力を持っているからである。

アマゾン全体の販売金額のうち
マーケットプレイスの販売金額が占める割合は、2011年 36%
2012年第一四半期 39%
2017年までに55%まで増加予測

とされている。一方で、マーケットプレイスからの手数料収入は、
アマゾンの年間売上金額のうち9~12%しか占めていない。
販売金額に占める割合と比べると、その差は歴然である。
そのため、

マーケットプレイスで売れる商品を独自で販売することにより、
アマゾンは売上金額を増やすことが可能となる。さらに、
マーケットプレイスの手数料率は、最大でも15%なので、
粗利益率の高い商品を独自販売することで、
利益率・利益額を増やすことも可能になる。このように、

マーケットプレイスを利用する中小小売企業にとっては、
マーケットプレイスで苦労して売上を拡大させても、
結局はアマゾンと競合することになりかねない。そのため、
マーケットプレイスでの販売を縮小する企業も出てきている。ただ、他社のシステムに依存する以上、依存するシステム上での
企業行動を全く秘密にすることはできない。例えば、
どんな商品をいくらでどのように販売したか、

どれくらい販売できたか、
の情報は依存する企業に知られることになる。さらに言えば、インターネットを利用する以上、
サイト上での企業行動は公開されてしまう。例えば、
飲食業を営む企業がメニューをサイトに掲載すると、
誰でもどのようなメニューがいくらで販売されているかを知ること

ができる。他社のシステムを利用したり、ネットを利用したりすれば、
そこでの企業行動が公開されると思った方がいい。そして、
公開されるということは、真似されるということでもある。
しかし、公開された企業行動が戦術に過ぎなければ、
本当のビジネスモデルは公開・真似されずに済む。例えば、

アマゾンマーケットプレイスでの販売=見込み客を獲得する戦術
本当のビジネスモデル=獲得した見込み客に、独自サイトで、
高利益率の独自商品を定期的に販売する

という考えならば、マーケットプレイスで売れる商品を
アマゾンに販売されたとしても、その影響はほとんどない。
見込み客を増やすために、

また別の商品を仕入れて売ればいいからである。他社システムの利用やネット利用は、低コストで大きな効果を
見込める一方で、企業行動・情報が公開されるデメリットもある。
そのデメリットを認識した上で戦術としてうまく活用するには、
その裏にビジネスモデルを組み立てる必要がある。
裏にビジネスモデルが無ければ、マーケットプレイスを
利用する小売企業のように、他社に商品・価格を真似され、
価格競争に陥ることになる。

Amazon Marketplace http://www.amazon.com/b/?ie=UTF8&node=3247953011
Collectible Supplies http://www.collectible-supplies.com/

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《今回のヒントのまとめ》
1)アマゾンマーケットプレイスで売れ行きのいい商品を、
アマゾン自身がより低価格で販売する事例が増えている。

2)

マーケットプレイスで苦労して売ってきた中小小売企業にとっては
大きな痛手であるが、他社のシステムを利用している以上、
システム上での企業行動がある程度知られても仕方がないだろう。3)さらに、ネットを利用すると、サイトに掲載した情報は
公開されることになり、競合他社に真似されても仕方がない。

4)

公開された戦術の裏にビジネスモデルを組み立てることができれば
価格競争に陥ることなく、他社システム・ネットを有効活用できるだろう。*************************

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編集後記
アマゾンマーケットプレイスと言えば、中古販売という
イメージがあるのですが、楽天みたいなサービスなんですね。
日本でもアマゾンで第三者企業による販売がありますが、
まだ利用したことがありません。
アマゾンは、楽天に比べて商品情報が少ないように感じ、
それがネックになっています。
書籍ならそれほど情報はいらないんですが、
あまりメジャーでない商品(食品・雑貨など)は、
詳しい情報が必要ですね。
この点は、楽天の方が優れていますね。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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