Pマート甲南店からわかった、団塊ジュニアに売る方法とは？

※「アメリカ経済事情」に関しては、サイト「ウォール・ストリート・ジャーナルから見た起業のヒント」にて更新しております。今後、ryotarotakao.comでの更新は行いません。

先日、岡本方面に行く用事があり、そのついでにPマート甲南店に行きました。このスーパーの以前の名前は、大丸ピーコック。当初、「Pマート」とは、「大丸ピーコック」の新しい商号だと考えていました。しかし、次の日経記事を読んで、全く新しい業態であることを知りました。

百貨店系高級スーパーがディスカウント店に　Ｐマートの実力

競争が激化するなか、本格展開に乗り出したのが、Jフロントリテイリング傘下のピーコックストアだ。「大丸ピーコック」などスーパーマーケット84店を関東・関西・中部地区で展開する同社は2009年4月、大阪府吹田市の大丸ピーコックをディスカウントストア「Pマート」に業態転換。当初は実験店に位置付けていたが、ローコスト経営のビジネスモデルにメドがついたことから、多店舗化に乗り出す。（日経新聞電子版より）

大丸ピーコックと言えば、高級スーパーに入るかと思います。その大丸ピーコックが、一部店舗をディスカウント業態であるPマートに転換しているようです。高級スーパーからディスカウントへの転換を、これまで見たことがありません。セブンアンドアイホールディングスが、古いイトーヨーカドーをディスカウント業態であるザ・プライスに転換したことは、2008年頃に大きな話題を呼びました。というのは、イトーヨーカドーはもともとディスカウント業態を持っておらず、どちらかというとディスカウント業態を否定していたから。一方、大丸ピーコックは、ディスカウントの「デ」の字もないような高級業態。この大丸ピーコックが、ディスカウント業態を展開しているのですから、セブンアンドアイホールディングスのザ・プライス開店以上の衝撃です。

この記事を読んでからPマート甲南店に行ったので、特に大きな驚きはありませんでした。ディスカウント業態の特徴である

できるだけコストの掛からないシンプルな売場展開

が徹底されており、低コスト運営により利益をあげている姿が見て取れます。

Pマートの大きな特徴は、

値引き販売する理由を明記していること

ではないでしょうか。「理由あってお安く！」という表示とともに、その理由（例えば「在庫処分」「旧デザイン」「賞味期限間近」など）が明記されています。以前通販商品で流行った、「訳あり商品」と同じ販売手法です。理由を明記することで、

品質が同じで価格が低い＝コスパ（＝品質/価格）が高い

ことを伝えることができます。

そして、このPマートのターゲットは、団塊ジュニア。日経新聞電子版には、次のように説明されてあります。

ピーコックから業態転換するにあたり、同店では中心ターゲットを生活防衛意識の高い団塊ジュニアに設定。年齢は30～40代で年収500万円以下、 40～60代で年収500万円以上をターゲットとするコーヨーやほかのスーパーと差別化を図る戦略だ。実際に来店する客層は、もともとの顧客だった60代以上に次いで30代が多いという。（日経新聞電子版より）

※ Pマート山田店に関しての説明

まとめてみると、

年齢：30～40代

年収：500万円以下

という層をターゲットにしています。この層に販売するために採ったのが、

コスパの強調。

決して年収が高い層ではありません。そして、これから年収が大きく伸びる層でもありません。さらに、年金が保証されている年代でもありません。それどころか、今後負担が増える一方で、年金が減らされる確率がかなり高いと言えるでしょう。唯一の長所は、その母集団が大きい点。ただし、単なる薄利多売ではなく、低コストを実現した上でコスパの高い商品を低価格で販売することにより、利益を稼ぎます。

団塊ジュニアをターゲットにする場合、コスパの訴求がいかに重要かが、Pマートの事例からわかるかと思います。

☆今日のまとめ☆

Pマートは、低価格販売の理由をPOPに明記することで、コスパの高さを強調している。

これは、団塊ジュニアをターゲットにしているから。

団塊ジュニアに販売するなら、コスパの訴求が一番重要になるだろう。

☆What to EAT Yesterday☆

先日食べた豆腐がこちら。