JR大阪駅のエキマルシェ、イートインスペースは売上増につながるのか?

エキマルシェのイートインスペース

 

先週末、梅田界隈に行ったのですが、その際に立ち寄ったのがエキマルシェ。かなり久しぶりの視察です。普段阪神電車を使うので、JR大阪駅にあるエキマルシェは比較的遠く、時間がなければ百貨店を優先してスキップします。また、百貨店よりもこじんまりとしており、さらに変化の乏しい売場なので、視察頻度が少なくなります。しかし、今回は大きな変化がありました。

 

それは、

 

イートインスペースが出来ていた

 

ということです。もしかしたら、出来てからだいぶ経っているかもしれません。ただ、私のアンテナに引っかかったのは今回が初めて。場所は、人気の惣菜店・和saiの国と人気ドライフルーツ店・FAR EAST BAZZARの前という、エキマルシェの中では目立つ所です。そこで、イートインスペースを作った理由・目的を考えてみました。

 

【エキマルシェがイートインスペースを作った理由・目的】

[1] その場で食べたい要望に答えるため

[2] 客数を増やすため

 

1は、旅行先で私自身よく思います。デパ地下で美味しそうな惣菜を見つけても、食べるところがないのです。宿泊先のホテルで食べるのもいいですが、部屋でこもって食べるのはなんとなく寂しいもの。だから、ホテルに持ち帰るという選択肢はありません。また、小腹が空いた時にスナック代わりに食べる時も、イートインスペースがないと、食べにくいものです。以前、どうしてもお腹が空いたので、デパ地下でおにぎりを買ったことがあります。でも、食べるところがない。結局、階段で寂しく食べました。美味しいおにぎりも、階段で寂しく食べると、その味の印象も変わるもの。イートインスペースがあればなぁ、とその時感じました。こういうスナック需要におけるイートインスペースの要望も、多いのではないでしょうか。

 

2は、エキマルシェ自身のより積極的な理由です。思ったほど売上が伸びないので、その場で食べられるというデパ地下にはない利便性を作ることで、集客を目指したのかもしれません。1で述べた旅行者やスナック需要を捕らえれば、持ち帰り需要にプラスオンします。その結果、客数が増加して売上増につながるのです。

 

このように利用者・企業ともにメリットがあるのですが、いいことばかりではありません。実際に、私がイートインスペースを発見した時に、そのデメリットを実感しました。

 

【イートインスペースのデメリット】

[1]休憩代わりに使われる可能性が高い

[2] 椅子があるため長居されやすい

[3]店内を回遊しにくくなる

 

1について、エキマルシェのイートインスペースは机・椅子で構成されているのですが、実際に座っている人の半数は単にスマホをいじっているだけでした。もしかしたら、食べ終わった後なのかもしれないですが、それなら机の上にゴミがあるはず。それがないということは、単に休憩していた来店客なのでしょう。一応、机の上には購入者のみ利用可の旨が書かれてありますが、購入者以外が座っても誰も咎めません。店舗付属のイートインスペースではないので、ショップ店員も言い難いでしょう。一方、店内を廻る警備員もさほど頻繁にやってきません。だから、休憩目的で座る人が多いのだと思います。これでは、来店客数が増えても売上にはつながりません。

 

2について、椅子付きというデメリットです。椅子があるために、ゆっくり食べることになります。それだけならいいのですが、食べ終わってもそのまま居続けられると、1の休憩とさほど変わらなくなります。クッションが無い椅子により、回転率を高める工夫はなされていましたが、それでも立ち飲みスタイルと比べると、長居されやすくなり、売上への貢献が小さくなります。

 

3は、単純に机・椅子を設置することにより、通路が狭くなることで生じます。ランチ時や夕方という繁忙期は、この弊害は意外に大きいのではないでしょうか。特に、ベビーカーを押すお母さんは、回遊しにくくなったことで、来店を諦める人がいても不思議ではありません。

 

このように、メリットに負けないぐらいデメリットもあるのですが、デパ地下型惣菜フロアにイートインスペースを作ったことは、かなり革命的なことです。デパ地下では、人がたむろすることを嫌って、恐らく導入できないでしょう。ただ、立ち飲みスタイルの方が、デメリットが小さくなるのでよかったように思えます。立ち飲み屋がここまで普及すると、立ち飲みへのアレルギーもかなり小さくなったと感じるからです。

 

☆    今日のまとめ☆

エキマルシェのイートインスペースには、旅行者やスナック需要の要望を叶えるとともに、客数増を狙えるというメリットがある。

その一方で、休憩利用や長居、回遊しにくくなることで、売上を減少させかねないデメリットもある。

椅子付きではなく立ち飲みスタイルなら、デメリットが小さくなるのではないか。

 

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☆    今日のこぼれ話☆

イートインスペースという言葉を使いましたが、どちらかというと空いている場所に、固定の机・椅子を設置したという感じでしょうか。

ただ、あそこなら気軽に食べられるとなれば、「小腹が空いたならエキマルシェ」と考える人が増えるかもしれません。

どの程度売上アップに貢献するのか、気になるところですね。

話しは代わりますが、ドライフルーツは人気ですよね。

FAR EAST BAZZARは阪急にも入っていますし、JR大阪三越伊勢丹のデパ地下にもドライフルーツ売場があります。

あまり好きではないのですが、あの人気には興味がありますね。

ちなみに、楽天の売上げランキング1位はこちらのドライフルーツでした。

これなら食べられます。

 

☆経営コンサルタント 石原明さんの言葉☆

「ものを売ろうと思ったら、人はなぜ動くのかということを常にチェックする。とにかく常にアンテナを立てるということです。」

『気絶するほど儲かる絶対法則 売れるしかけと勝てるしくみの作り方』より)

※ポッドキャストでいつもお世話になっています。この番組は本当に勉強になります。

※創業者・経営者・コンサルタントの心に残る言葉、元気になる言葉を紹介しています。

 

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