アジア料理レストランの業績が回復しない理由とは?
By Jens-Olaf
先週末、阪急梅田駅からJR梅田駅に行く途中にある新梅田食道街を歩きました。時間は、夜の19時半頃。週末のディナータイムとあって、大部分のお店は人で賑わっていました。
この一帯にあるお店の特徴は、何と言っても、値段の安さ。生ビールは、たいていのお店が380円ほどで提供しています。そして、料理も安く、焼き鳥・串かつは、一本100円ほどでしょうか。ただ、どのお店も狭く、たいていカウンターしかありません。だから、余計に混み易く、賑わいがあります。アベノミクスの影響も、安い居酒屋に少しは影響しているようです。
ただ、満席近くのお店がある一方で、比較的空いているお店もあります。満席に近いお店は、たいてい焼き鳥店。そして、空いているのは、ラーメン屋など麺類を専門に扱うお店とアジア料理店です。麺類だけでは、夜ご飯には少し物足りなく、週末の夜ご飯としては少しさみしく感じるので、お店が空いていても仕方ないかもしれません。ただ、アジア料理店は、意外です。自宅でなかなか調理できないものなので、外食の際に選ばれてもいいもの。それが、空いていたのです。
このアジア料理店の不振は、新梅田食道街に限ったことではありません。上場企業のアジア料理店の月次実績も、その不振ぶりを物語っています。
【上場企業のアジア料理店の既存店月次実績】
[アジアンレストラン]モンスーンカフェ→2012年6月より10ヶ月連続前年割れ
[アジア惣菜]融合・Asia→2012年5月より11ヶ月連続前年割れ
※ モンスーンカフェは2012年9月は前年並(0.0%)
モンスーンカフェは、東証二部上場のグローバルダイニング傘下のアジア料理レストラン。同系列のラ・ボエム(イタリア料理店)やゼスト(メキシコ料理店)・権八(和食料理店)が、今年に入り売上が回復している一方で、モンスーンカフェは依然前年割れが続いています。
融合・Asiaは、ロック・フィールド傘下のアジア料理惣菜店。2013年3月実績で、同系列のRF1(洋風サラダ惣菜店)が前年並みに回復し、グリーングルメ(和洋アジア折衷のサラダ惣菜店)や三日坊主・いとはん(和風サラダ惣菜店)は前年実績をクリアしています。一方、融合・Asiaは、やっと90%に届いたにすぎず、2012年10月から5ヶ月連続で90%未満を記録しました。ロック・フィールドのブランドの中で、融合・Asiaが際立って業績回復が遅れています。
なぜ、アジア料理店が振るわないのか。その理由として考えられるのは、
アジア料理を好んで食べる若者の数自体が減ったから
ではないでしょうか。このように感じたのは、自分自身の経験から。私自身、アジア料理は好きな料理の部類です。しかし、ここ2年ほど飲食店で食べた記憶はありません。惣菜で買ってきたかと言えば、記憶にあるのは1度だけ。アジア料理が好きな私でさえ、これだけ食べる機会が減ったのです。その理由は、簡単。アジア料理よりも食べたい料理があるからです。それは、刺身であったり、寿司であったり、焼鳥であったり。そう、和食を食べる機会が、圧倒的に増えました。そして、自宅でよく作るのは、パスタ。パスタは、忙しい時に、さっと残り食材で作れる、簡便性の高い料理なのです。外食・自宅で、アジア料理が出る幕はありません。
このように変化したのは、恐らく歳のせい。歳を食うに従い、それだけ和食が好きになったということ。この変化が、私以外で起こっても不思議ではありません。その結果、起こるのがアジア料理店の不振なのです。
思えば、アジア料理店自体も、かなり淘汰されたように思えます。その原因も、高齢化だと思います。ただ、生き残った店舗には、残存者利益があるのも事実ですが、モンスーンカフェや融合・Asiaの月次実績を見る限り、残存者利益を享受できるもの、もう少し先のように感じます。
☆今日のまとめ☆
アジア料理店が流行らないのは、アジア料理を好んで食べる若者の数自体が減ったからではないか。
マーケティング・ビジネスのヒントに関するブログも書いています
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
つい10年ほどまで、アジア料理を食べたくて、いろいろ調べた記憶があります。
その時でも、1990年代と比べると、相当少なかったような気がします。
アジア料理をたまに食べたくなる時がありますが、その食べたい気持ちも、すぐに消えてしまうほど、弱いんですよね。
辛いものも、最近苦手になりましたし。
☆ 最近気になった商品☆
先週末、阪急百貨店うめだ本店の四国物産展で、試食したのがこちら。
芋けんぴなのですが、これが本当に美味しかった。
芋けんぴ自体が美味しいのか、それとも黒潮物産さんの芋けんぴが美味しいのか、わかりませんが、いずれにせよ美味しかった。
特に、ゆず風味の芋けんぴは、さわやかな味でおかわりしそうになったほどでした。