ホームセンター・カインズの古くて新しいカード会員獲得策とは?
毎週水曜日には、深江のカインズホームのチラシが入るのですが、先日のチラシはいつもとは違った構成になっていました。というのも、一番目立つ場所に、カード会員獲得のための内容を掲載されていたからです。
「内容」という表現を使いましたが、ぱっと見るとそれは通常のチラシとほとんど変わりません。つまり、特売商品と特売価格が掲載しているパターンです。しかし、そこにカード会員を獲得するための仕掛けがあるのです。その仕掛けとは、
特売価格がカード会員限定の特別価格
というものです。
このやり方は、特に新しいわけではありません。生協が得意とするやり方です。コープこうべのチラシも週に1~2回入るのですが、そのチラシの一部には組合員限定の特売情報が掲載されています。この価格は組合員だけしか適用されないために、
非組合員が組合員限定価格を魅力に感じる→組合への入会を希望する
という願望・行動が期待できます。カインズも同じで、
カインズカード特別価格に魅力を感じる→カインズカードへの入会を希望する
ということが起こりうるのです。
このような特別価格を設定したのは、カインズのチラシを見る限り、今回が初めて。つまり、この施策からは次のようなことがわかります。
【カインズのカード会員獲得策からわかること】
[1]それだけカード会員を獲得することが難しい
[2]それでもカード会員が欲しい
カインズカードには、貯めたポイントで割引を受けられるというメリットがあります。しかも、無料で作れるので、来店客は全くノーリスク(=タダ)で入会できるのですが、1からわかるように、それでも入会しない人が多いということがわかります。
カインズ側も、せっかくポイントカードという制度を作ったのだから、活用したいはず。さらに、ポイントカードを活用すれば、どんな消費者が何を買ったかがわかり、より効果的な販促を打つことができます。ポイントカードによって、いわゆるビッグデータを獲得でき、分析できるのです。後者のメリットが大きいからこそ、カインズは特別価格を設定してまで会員獲得に力を注ぐのでしょう。
カード会員獲得だけでなく、単に売上を稼ぐために特別価格を設定したのかもしれません。ただ、それならば、カード会員だけでなく来店客すべてが対象の特売で問題ないはず。(「特別価格」という文字を大きく掲載することで、目立たせる効果が期待できますが。)カード会員限定の特別価格からは、ポイントカード会員獲得の難しさがわかります。
☆今日のまとめ☆
カインズがカード会員獲得のために行ったのは、カード会員限定の特別価格設定。
特に新しい方法ではなく、生協がいつも行なっている方法である。
特別価格という古くて新しい方法を使った背景には、それだけカード会員獲得の難しさがあるのだろう。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
ホームセンターでは、カインズだけが毎週チラシを折り込んでいます。
コーナンも以前は入っていたのですが、今はほとんど見かけません。
最近オープンしたロイヤルホームセンターは、オープン後2週連続で入っています。
ホームセンターのチラシ効果は、チラシ内容によって大きく異なるのでしょうか。