うちわ人気の一服は本当に販促費削減によるものなのか?
先日、日経新聞に販促物としてのうちわに関する記事が、商品面に掲載されていました。
「販売量は前年を下回るでしょうね」。全国のうちわ生産シェアの9割を占めるといわれる香川県丸亀市。猛暑にもかかわらず、業者らで組織する香川県うちわ協同組合連合会の山下清代表理事の声はさえない。(2013年8月20日付 日経新聞朝刊)
うちわの出荷量が減少しているようです。記事によると、次のような数字が掲載されています。
【うちわ人気一服を示す数字】
2011年度 1億6800万本(前年比1.8倍)→12年度 1億8700万本(前年比113.1%)→13年度 減少見込み
13年度の出荷本数に関する数字は掲載されていませんが、減少は確かのようです。そして、その要因は、
「販売のほとんどは企業がイベントなどで配る販促用。今年はこれが振るわない」
「景気は回復しているというが企業は販促費を絞り込んだままだ」
(同新聞)
のようです。つまり、
企業による販促費の削減
です。
しかし、これについては、かなり違和感があります。というのも、昨年末からのアベノミクス以後、街角で配られている販促物は増えたように感じるからです。特に増えたと感じるのは、
ポケットティッシュ
で、2個一気に配る場合があったり、分厚いポケットティッシュを配る場面があるなど、ティッシュを販促物として活用する企業が増えているように感じるのです。その他にも、クリアファイルなど、より利用頻度の高いモノが販促品として利用されています。つまり、
うちわからポケットティッシュなどその他の販促物にシフトしている
ことが、うちわ出荷数量が減った本当の要因ではないでしょうか。
さらに、うちわとポケットティッシュの違いとして、
運びやすさ
があります。うちわはかさばりやすく、もらうのをためらう人も多いはず。一方、ポケットティッシュは、ポケットにすぐにしまうことができます。この運びやすさの違いが、販促効果の違いとして認識され、うちわからティッシュへのシフトが加速しているのかもしれません。もちろん、この運びやすさは、配りやすさにも影響します。
私の肌感覚では、企業は販促活動を縮小しているのではなく、逆に拡大しているように感じます。より高い費用対効果を狙って、うちわからポケットティッシュに変更しているのではないでしょうか。
最後に、この日経記事にとても興味深い数字が掲載されていたので、紹介したいと思います。
【うちわの原価】
1本30円が限界
頭の片隅に入れておけば、いつか役立つでしょう。
☆今日のまとめ☆
販促物としてのうちわ出荷量の減少は、本当に企業の販促費削減に拠るものなのか?
より高い費用対効果を狙って、うちわからポケットティッシュなどにシフトしているのではないか?
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
うちわはいつか使うだろうと思うと、なかなか捨てることはできません。
だから、家にもかなりの量が溜まっています。
家庭内在庫を考えると、うちわを販促物して受け取るのをためらってしまいます。