立地別価格、マクドナルドとすき家の違いとは?

すき家の牛丼

by courtesy of Jordi Sanchez Teruel

 

前回に引き続き、マクドナルドが導入した立地別価格について。外食チェーンで立地別価格を採用する企業はほとんどないとのことですが、一部の店舗のみ違う価格で販売するチェーンはあります。それは、すき家。

 

私が知っているのは一店舗だけですが、JR三宮駅(神戸市)の南側にあるすき家(ダイエーの近く)では、牛丼並が確か250円で販売されていると思います。ちなみに、すき家の牛丼並価格は、280円。店頭に大きく「店舗限定価格(またはそれに同義の言葉)」と書かれたポスターが大きく掲載されているので、この店舗のみの価格設定になります。よって、すき家も立地別価格を導入していることになります。

 

しかし、マクドナルドとすき家のやり方には、大きな違いがあります。それは、

 

価格差の付け方

 

です。

 

【マクドナルドとすき家の立地別価格の違い】

[マクドナルド]通常価格にプレミアムを付加

[すき家]通常価格をディスカウント

 

たとえ同じ金額でも、この値付け方法の違いは、消費者心理に大きく影響します。プレミアムを付加するということは、余分に支払うということなので、消費者はお金を失う痛みを受けます。一方、ディスカウントの場合は、一部割戻しされるとういことなので、消費者は得した気分になります。この心理の違いを利用したのが、一部の大手スーパーで導入されているレジ袋の有料化。レジ袋の有料化は、生協では昔から行われていましたが、大手スーパーのやり方は、生協とは大きく異なります。

 

【大手スーパーと生協のレジ袋有料化の違い】

[大手スーパー]レジ袋を辞退したら2円引き

[生協]レジ袋を2円で販売

※「2円」はあくまで一例であり、企業によって異なります。

 

生協は、環境問題にも積極的に対応していることをアピールしようと、レジ袋の販売を選択したのでしょう。一方、レジ袋を販売すれば、消費者にお金を失う痛みを受けるために、客離れを招くかもしれないと懸念し、大手スーパーは割引という手段を選択したのだと思います。

 

家賃などの高コスト分転嫁のために集客数の大きな店舗で値上げするマクドナルド。消費者がお金を失う痛みを感じれば、しっぺ返しを喰らうかもしれません。

 

☆今日のまとめ☆

すき家の立地別価格は、特定の店舗のみ牛丼並を割引している。

一方、マクドナルドは特定の店舗のみ一部商品を値上げする。

同じ立地別価格設定でもこの違いは大きく、消費者は割引でお得感を得る一方、余分に払うことで喪失感を味わうことになる。

 

 

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☆  今日のこぼれ話☆

そう言えば、最近モスバーガーにはご無沙汰です。

まだ、「モス=高い」というイメージがあるのが原因でしょうか。

マクドナルドがここまで高くなると、実際にはモスとの価格差はほとんどないようです。

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