吉野家が客単価減少を食い止めるためにやったもう一つのこと
前回に引き続き、客単価の下落を食い止めつつある吉野家を取り上げたいと思います。成功事例は、その要因を抽出することで、他のビジネスにも活かせるので、とてもありがたいですね。成功・失敗を含め、世間で行われていることは、学べる実験ですから。
吉野家が客単価下落を食い止めつつあるのは、単価の高い牛すき鍋膳が売れているからです。これは以前に述べました。ただ、よくよく考えてみると、これだけではないようなのです。というのも、以前(確か年末)吉野家の店舗前を通った時に、次のようなポスターを見かけました。
吉野家はビールの販売にも力を入れているのです。その価格は、中瓶320円。中瓶にしては安い値段(楽天265円)ですが、280円で牛丼並盛を食べられる吉野家にしては、決して安くありません。というのも、ビールだけ飲むという人はほとんどいないからです。ポスターにも掲載されていますが、ビールのつまみに牛皿240円が推奨されています。この通りに注文されたとしたら、客単価は520円に跳ね上がります。そう、吉野家はビールの販売に力を入れることにより、客単価引き上げを目指しているのです。
それだけではありません。吉野家でビールを飲めることを知らない人も多いでしょう。(実際、私は知りませんでした。)ビールのポスターを店頭に貼ることにより、ちょっと一杯やりたい層を集客することができます。この層は、ポスターが無ければ吉野家を利用することはなかったので、全くの新規顧客と言えます。つまり、客数拡大という効果もあるのです。
客単価下落を食い止めたことが12月既存店売上の大幅拡大に寄与したと考えれば、中瓶ビールの販促も、売上に貢献したことは間違いないようです。
☆今日のまとめ☆
客単価を500円以上に引き上げてくれる中瓶ビールの販促も、吉野家の客単価下落食い止めに寄与したのではないか。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
瓶ビールの販促が一番上手く行っていると感じるのは、餃子の王将。
元町の店舗では、金曜に大瓶を399円で販売しているので、いつも満席です。