海外市場を狙うならアメリカ市場に限ると思う理由

日経のデータマップ

日経新聞にとても興味深いデータマップが掲載されていました。このマップは、毎週月曜日に掲載されるのですが、何かしらテーマを決めて、世界のデータを地図を使ってわかりやすく伝えてくれます。今回取り上げたいのは、2月24日の「2020年の消費支出予想」です。

日経新聞は、「中国、買い物大国に」という見出しを付けて、成長性の高い中国消費市場を強調しています。

【2020年の中国消費支出予想】

[一人あたりの消費支出額] 40.5万円→52.9%増

[家計消費支出額]565兆3876億円

※%は2014年比

ちなみに、日本は次のような数字です。

【2020年の日本消費支出予想】

[一人あたりの消費支出額]244.0万円→7.4%増

[家計消費支出額]303兆4394億円

一人あたりの金額では、依然中国の6倍もありますが、支出総額と成長率でみると、中国よりも大きく劣ります。特に支出総額では、中国は日本の2倍弱もあるので、同じ投資して日本で販売するなら、隣の中国で販売した方が、より大きな収益を獲得できる可能性があることがわかります。地理的に近い場所に、これだけ巨大な消費市場が生まれるとなれば、無視するのは大きな機会損失になります。

ただ、このデータマップのもう少し右側を見てみると、さらに魅力的な市場があることに気づきました。それは、アメリカ市場です。

【2020年のアメリカ消費支出予想】

[一人あたりの消費支出額]390.0万円→11.4%増

[家計消費支出額]1298兆9080億円

一人あたりの消費支出額は、マップ上の国(主要先進国と新興国)の中で第一位。ちなみに第二位は、オーストラリアの376.7万円。増加率は、主要先進国(ロシアを除く)の中で唯一の二桁です。ちなみに第二位は、英国の8.7%ですが、主要先進国のほとんどは7~8%台なので、アメリカが突出していることがわかります。家計消費支出額も、第一位。アメリカ消費市場は、本当にでかいのです。

先進国というと、成熟したイメージがありますが、アメリカは別格。移民による人口増加が大きな要因なのでしょう。アメリカの消費市場は、今後も高い成長性を持っているのです。しかも、中国などの新興国のような、政治リスク(政権交代によるビジネス環境の変化など)は、アメリカにはほとんどありません。さらに、国語は英語なので、言語の参入障壁は、日本以外で一番低いと言えます。

このようなデータを考慮すれば、世界進出を考えた場合、中国や東南アジア、そしてアフリカが注目されますが、アメリカも十分大きな候補なのです。政治リスクや言語などを考えれば、アメリカ市場は今でも一番重要な消費市場と言えます。特に、中小企業の場合は、大企業ほどアメリカ市場に進出していないので、まだまだ開拓しがいがあるのではないでしょうか。

☆今日のまとめ☆

2020年の消費市場予測を見れば、中国の成長性の高さが注目されますが、アメリカも一人あたりの消費金額・消費市場の規模では、十分魅力的。

政治リスクや言語の壁などを考慮すれば、世界市場への進出を考えた場合、アメリカが第一候補になるのではないか。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

輸出するにも、アジアばかりが注目されますが、アメリカもまだまだ未開拓だと思いますよ。

灯台下暗しですね。

 

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