【消費増税】意外なチラシが示す、小売業の先行き不安
前回に引き続き、消費増税について。駆け込み需要は3月下旬に大きく盛り上がったようで、増税前の31日の夜には、行列ができているドラッグストアを見つけたほど。家庭内在庫が無くなりかけて、このままなら4月に入ってすぐに買わなければならないと思い、ならば増税前に買った方が得、という損得勘定が働いたのは、何を隠そうこの私です。
そんな最後の駆け込み需要の日に、意外なポスティングチラシを見つけました。それがこちら。
スーパーのチラシなのですが、通常スーパーのチラシは新聞に折込まれます。しかし、このチラシはポスティング。日経夕刊にはチラシが折込まれないので、ポスティングされたのはほぼ間違いないと思います。ポスティングされたことが意外なのではありません。
【ポスティングされたスーパー万代チラシの意外な点】
[1]普段滅多の入らないスーパーだったこと(恐らく2013年に折込・ポスティングなし)
[2]31日投函分なのに、内容が4月2日実施の特売だったこと(通常、内容は当日または翌日の特売)
[3]小型・モノクロチラシで、店舗単独発行だったこと(通常は、多店舗参加型の本部発行チラシ)
上記3点から推測できることは、4月の売上が相当落ち込むことを想定しているのではないかという点です。直近の売上が足りないならば、駆け込み需要が期待できる3月下旬にポスティングするはずです。それが31日に4月の特売内容のチラシをポスティングするということは、4月の大きな落ち込みを見越して、早めに手を打とうとしているに違いないでしょう。しかも、普段チラシを打たない地域にポスティングするということは、買い物を前倒しした既存顧客に頼っていては、売上増は見込めないと判断したからにちがいありません。
そして、4月1日に折込まれたチラシにも、意外なチラシがありました。それが冒頭のカインズのチラシ。内容は、総額表示継続の告知と特売商品。意外な点は、通常水曜日に折込チラシを入れるカインズが火曜日に入れたこと。1日前倒ししたのは、総額表示を告知する意味合いもありますが、それ以上に落ち込みが予想される売上テコ入れに先手を打ちたかったからではないでしょうか。
万代・カインズ双方の意外なチラシからわかることは、駆け込み需要に沸いた小売業が、4月以降の相当大きな売上の落ち込みを懸念しているということ。特に、比較的購入頻度の高い食品を扱うスーパーでこのようなチラシを入れるということは、食品でも相当大きな需要の落ち込みが予想されていることを物語っているのではないでしょうか。
☆今日のまとめ☆
スーパー・ホームセンターの意外なチラシが示すことは、4月以降の相当大きな需要の落ち込み。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
総額表示のカインズは、チラシももちろん税込価格。
先日取り上げたグルメシティのチラシと比較すれば、重税感はほとんど無し。
これだけ見れば、総額表示の方がいいかもしれませんね。