低価格輸入食材店・ガレオンのビジネスモデル
先日お伝えしたように、神戸のHAT神戸近くにオープンしたガレオンに行ってきました。ガレオンとは、業務スーパー本部の神戸物産が開発した低価格輸入食材店。
食品スーパー「業務スーパー」を手掛ける神戸物産は商社を通さずに自社で欧州などから直接輸入した食料品を扱う新型店の展開を始める。神戸市で今月下旬に1号店を出すのを手始めに大阪市など関西で店舗を広げ、将来はフランチャイズチェーン(FC)で全国に拡大する。低価格で販売し、若い女性などに客層を広げる。(2014年4月8日付 日経新聞朝刊)
直輸入することで、輸入食材を低価格で販売しても利益率を高めることができるビジネスモデルです。ただ、実際に店舗に行くと、また別のビジネスモデルに気づきました。
【ガレオンのビジネスモデル】
[集客商品]パンやコーヒーなどの購入頻度の高い商品を超低価格販売
[収益商品]パスタ・ソーセージ・冷凍食品など購入頻度の比較家気低い商品はそれなりの価格で販売
→一定の集客数を確保、収益商品などのついで買いで収益拡大
店舗面積がコンビニよりも小さいので、品揃えは貧相な方。ただ、種類が少ない中で、パンとコーヒーは業務スーパー並の低価格で販売しており、これを目当ての来店する人が多いと思われます。よって、これらの集客商品で客数をある程度確保することができます。
一方、パスタやソーセージ・冷凍食品・酒類などは、そう安くありません。カルディ並の価格であり、駅周辺の立地し利便性の高いカルディの方が、競争力は高いと言えます。恐らく、これらの調理が必要な食材は、それなりの利益率を確保し、収益への貢献を目指していると予想できます。集客商品で確保した顧客に、これら収益商品をついで買いしてもらうことで、収益を拡大しようというモデルなのです。
ちなみに、ガレオンの立地は、2階に家電量販店のケーズデンキがあるものの、家電量販店は来店頻度の低い業態なので、そういい立地とは言えません。しかも、隣のビルは、ユニクロやABCマート・スーパーが入った商業施設であり、その施設でも別の輸入食材店があります。これらを考慮に入れれば、ガレオンの立地は悪い方と言えるでしょう。だからこそ、パンやコーヒーといった購入頻度の高い商品を低価格で販売することで、集客数を確保しようとしているのだと思います。
ガレオンのビジネスモデルは、立地の悪い小売店・飲食店に応用できるのではないでしょうか。
☆今日のまとめ☆
神戸のガレオンの立地は、悪い方。
だからこそ、コーヒーやパンなど購入頻度の高い商品を低価格で販売し、客数を確保しようとしている。
このビジネスモデルは、立地の悪い店舗型ビジネスに応用できるだろう。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
税込み1000円未満のワインがなかったことも、印象的でした。