ユニクロ客数推移からわかる、値上げに踏み切るユニクロの心境
前回、7月国内ユニクロ既存店売上高を公式サイトで見たのですが、既存店客数の推移を見ると、結構驚くことがあります。それは、
過去11ヶ月間で、前年比プラスなのは3ヶ月しかない
という点です。つまり、ユニクロは恒常的な客数減少に陥っているのです。その要因として真っ先に考えられるのは、
自社競合
です。つまり、商圏が交わる立地に出店したために、既存店と新規店舗が既存顧客を奪い合ったというわけです。梅田の中心地区だけを見ても、大丸・ヨドバシ・地下鉄・エスト近くなど、ほんと近くに多数の店舗が密集しています。これだけ多いと、TPOによって店舗を使い分ける顧客が出てきてもおかしくありません。その結果、顧客がばらけ、既存店客数が減少するのです。
ならば、直営店全体の客数は減少していないはず。そこで、改めて直営店の客数を見ると、
過去11ヶ月間で、前年比プラスなのは6ヶ月だけ
なのです。この数字だけ見ると、ユニクロの客離れが起きているようにも見えますが、通期でみると客数はほぼ横ばいの100.9%。
つまり、ユニクロの既存店客数が減少しているのは、既存顧客が新規店舗を利用していることが一番大きな要因のようです。
逆に言えば、新規出店しても、新規顧客を獲得出来ていないことになり、ユニクロにとっては結構深刻な問題ではないでしょうか。顧客が増えない以上、売上を伸ばす方法は客単価を引き上げるしかありません。ただ、割安感がウリのユニクロが単価を引き上げるのにも限界があります。かと言って、買い上げ点数を増やすというのも簡単ではなく、ユニクロ製品がある程度普及した今となっては、取り扱いカテゴリーを増やすしかないでしょう。ただし、カテゴリーを広げたからと言って、競合が既にいるわけで、売れる保証はありません。
客数が広がらない中、値上げに踏み切るユニクロの心境がよくわかります。
☆今日のまとめ☆
既存店客数は減少しているものの、直営店全体の客数はほぼ横ばい。
顧客が広がらないことを物語っている。
客数が増えない以上、売上を増やすには客単価を上げるしかない。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
☆ 今日のこぼれ話☆
最近、ミスタイプが目立ちます。
読みにくくてスイマセン。