【備忘録】日経夕刊2015トレンド予想1、リアル志向の高まりは中小企業に追い風か?

torikizoku

 

最近、読まずに溜まってきた日経夕刊を年内に消化すべく悪戦苦闘(?)しているのですが、12月24日の夕刊に2015年のトレンド予測が掲載されていました。マーケティングの専門家やライターなど流行に敏感な専門家による予想です。この手の予想は大抵当たらないのですが、今のトレンドを知るに重宝します。小さなトレンドから大きな流れを読み込むことに重点を置いています。小さなヒットは長続きしませんから。

 

この2015年トレンド予測で興味深かった点を、備忘録も兼ねてまとめておきます。

 

【日経夕刊2015年トレンド予測まとめ】

  • 確かなもの・平静さ・よりどころを求める、リアル志向
  • 社会人になったデジタル世代が新たな波を作る
  • 団塊世代からの新三世代、団塊ジュニア、バブル世代が変化をもたらす
  • 行き過ぎた利便性からの反動
  • 女子力を高めた男性が女性市場に風穴を開ける
  • 進みすぎたIT化の反動、クラフト志向の高まり
  • ユーザーエクスペリエンス、心地よさ、充実感重視

 

2015年のトレンドに、「割安感」「コスパ」という文字はありません。まだまだ節約志向・低価格志向は高いと思いますが、ひとまずこのようなデフレ感は来年には一蹴されるということでしょうか。いや、逆に、「割安感」「コスパ」というベネフィットは、トレンドではなく根幹の価値となったとも言えます。高級ブランドは別として、「割安感」「コスパ」はヒットの必須条件なのかもしれませんね。そう言えば、ワタミ外食部門が高付加価値路線から割安路線に先祖返りしたようですが、必須条件を揃えるだけでは消費者の心を捉えるまでには至らないように思いますが・・・

 

1は6とも通じるものがあります。つまり、ITで生活が便利になった反面で、本当に自分が好きなことにはリアルさ・手作り感を求めると言えるでしょうか。リアルさ・手作りに対するニーズは相当強くなっていると思います。これは、日本製志向にも通じます。つまり、従来は低価格志向の高まりで、新興国で低コスト生産した低価格品が売れていましたが、今では少々高くても安心できる日本製がいいという考えが、相当広まっているのではないかと思うのです。ただし、日本製だからといって、価格が高くても売れるというものではなく、やはり値ごろ感・許容価格帯というものことも覚えておきたいところ。ちなみに、日本製の付加価値もどんどん低くなっているのも事実でしょう。だって、250円均一焼き鳥の鳥貴族が国産鶏肉を使っているのですから。日本製に関しては、さらに突き進めて「日本のどこで生産したのか」「日本の誰が作ったのか」が問われるようになるかもしれません。100均ショップでも、日本製の雑貨が増えてきましたね。

 

リアル志向・クラフト志向は、生産性をある意味犠牲にするもの。ということは、大企業がやりたくない分野ということになります。これ、中小企業にとって大チャンスではないですか?例えば、依然低価格化の進む豆腐にしても、製造現場がリアルにわかれば、安全安心面から少々高くても売れるかもしれません。もっと突き進めれば、豆腐屋さんと一緒に作れる豆腐セミナーなんてあれば、小さな子供のいる家族に需要があるかもしれません。ただし、生産性を犠牲にするだけあって、コストが増えるという課題があります。だから、一回のイベントでいかにリピーターを作り出すかが、一番のキモになります。

 

リアルさで言えば、訪日外国人にも需要がありそうですね。先述の豆腐の例で言えば、オリジナル豆腐を作るツアーなんてあれば、面白いかもしれません。その場合でも、豆腐を作るだけで終わらせるのではなく、お土産の販売までつなげることが肝心。客数を最大するのではなく、限られた客数で客単価を最大化するという戦術ですね。

 

リアル志向の高まりで逆風を受けるのが、総合型チェーンストア。その際たる例が、和民などの総合居酒屋チェーンでしょうか。一方で、リアル志向の高まりを享受するのが、塚田農場などの専門型居酒屋チェーン。ただしですよ。総合型チェーンに全く需要がないわけではありません。大人数ですぐに宴会を開きたい場合など、総合居酒屋チェーンを利用する機会は必ずあります。このニーズを汲み取れば、生き残れるのではないかと。決して、割安さだけではないと思います。

 

☆今日のまとめ☆

リアル志向・クラフト志向に合わせることは、生産性を犠牲にすることなので、大企業の参入は考えにくく、中小企業にはチャンスではないか。

ただし、生産性を犠牲にするだけあって、コストも掛かるので、リピーターをいかに獲得するかが重要だろう。

 

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  • 今日のこぼれ話☆

ワタミ外食部門の新社長の清水さんは、昔ワタミにいた時の担当部長でした。

大変親しみやすい方であり、応援しております。

 

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