客数激減で営業赤字転落のマクドナルド、是非注目したい新サービスとは?
マクドナルドが、窮地に陥っています。
日本マクドナルドホールディングスが苦境にあえいでいる。2014年12月期の連結営業損益は01年 の上場来初の赤字に転落。15年1月の既存店売上高は前年同月比38・6%減と、これも上場来最大の落ち込みを記録した。業績低迷の根っこにあるのが、消 費者ニーズに合わない商品やサービス。ただ、具体策はいまだ少なく、経営再建の取り組みのスピードは遅い。(2015年2月8日付 日経MJ)
鶏肉事件に引き続き、異物混入事件という大トラブルが起こった日本マクドナルド。その1月既存店実績は、客数が30%弱のマイナスにより、売上は40%近くの減少にまで落ち込みました。重症なのは間違いありません。もし、日本だけのドメスティックブランドならば、経営破綻の可能性も否めないでしょう。
日経MJの記事を読んでも、結構深刻な模様。しかし、決算発表会見では、とても興味深い新サービスも発表されました。それは、「グラブ・アンド・ゴー」というもの。グラブ・アンド・ゴーとは、
店舗では商品を作りおきするサービスで、調理時間を待てない忙しい顧客の需要を取りこむ(上記日経MJ記事を要約)
というサービスで、原田前社長が導入した「メイド・フォー・ユー」を一部否定するもの。ちなみに、メイド・フォー・ユーとは、注文後に調理・提供するサービスで、品質(美味しさ)向上を目的に導入されました。
しかし、一方でスピード提供が犠牲になったのは事実でしょう。数少ないマクドナルド利用ですが、注文後待たされることが本当に多くなったと実感しています。これで、ファストフード?と思う時もあるほど。「100円マックのバーガーで待つのは嫌」という考える消費者も結構いるのではないでしょうか
一番の弊害は、時間制約のあるランチ時。会社員なら、せいぜい1時間休憩しかなく、できれば待ち時間なく食べたいもの。人気店のランチならまだしも、多店舗展開で低価格がウリの(だった)マクドナルドなら、作りたてを待つぐらいなら、作り置きをゆっくりスマホでも見ながら食べたいと思うサラリーマンは多いことでしょう。グラブ・アンド・ゴーは、待ち時間が嫌で離れた元顧客を取り戻す効果が期待できます。ちなみに、実体験から、メイド・フォー・ユーがマクドナルド低迷の一因と以前から指摘してきました。
もし、グラブ・アンド・ゴーでマクドナルドの既存店売上・客数が幾分戻ったなら、美味しさよりも時短を優先したい消費者ニーズが強いことが実証されることになります。ならば、ランチメニューにスピード提供可能なメニューを導入すれば、ランチ時の売上増が期待できます。だから、グラブ・アンド・ゴーの成否は、要注目なのです。
☆今日のまとめ☆
マクドナルドが導入する新サービス「グラブ・アンド・ゴー」は、品質よりも時短を優先したいニーズの強さを測定してくれるのではないか。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
メイド・フォー・ユーが導入されてから、マクドナルドのバーガー類・サイドメニューが格段美味しくなったとは思わないのは、私だけでしょうか。
美味しさよりも手軽さでマックを利用する人は、相当多いような気がします。