coco ichibanya

 

これまで2回にわたりCoCo壱番屋の好業績の分析をしてきましたが、分析で終わっていては意味がありません。この分析から学ぶべきこととは何なのか?これを一番重要なのですね。

 

まず一つ目は、

 

人口減少でも客数を増やすことは可能

 

ということです。もちろん、値下げして客数を増やしても、なかなか収益に結びつかないので、値下げせずに客数を増やすことがポイントです。CoCo壱番屋が採ったのは、

 

持ち帰りサービスの拡大

出前サービスの拡大

メニューの拡大

漫画設置・種類の拡大

人気アイドルとコラボしたキャンペーン実施

 

というものでした。要は、

 

顧客が求めることをまじめに提供する

 

ということになるでしょうか。持ち帰りサービス・出前・漫画・コラボ、これらすべて顧客が求めることです。持ち帰りや出前が求めていることはわかっていても、なかなかできるものではありません。面倒だから。コストが掛かるから。それでもやる。そして、利益を出す。一番難しいのは、この「利益を出す」という点かもしれません。出前をすれば、店内の店員が一人減るわけですから、それでも通常のオペレーションを回さなければなりません。このあたりの仕組みですね。これが、CoCo壱番屋にはあるということです。この仕組みが、CoCo壱番屋の強みとも言えます。どんな仕組みかはわかりませんが、持ち帰り・出前サービスを実施する店内で観察すれば、その一部は見えるかもしれません。

 

漫画については、四半期業績説明資料にも書かれています。店舗の快適性を高めるために、店舗改装・モバイル通信環境の整備・コンセントの設置・コミックの設置を行ったようです。コミックの設置は集客にプラスに働いたということでしょう。コミックを設置すれば、回転率が低下するというデメリットがあります。また、店内デザインにマイナスに働くことも懸念されます。だからこそ、コミックを設置する飲食チェーンは少ないのでしょう。だからこそ、設置したCoCo壱番屋は差別化に成功し、客数を増やすことに成功したのではないでしょうか。コミックの設置は、「ストーリーとしての競争戦略」で言うキラーパスになります。

 

説明資料には、ドライブスルー・持ち帰り専用窓口の設置が、店舗の利便性アップ策として紹介されています。ドライブスルーできる外食チェーンはそう多くありません。また、持ち帰りはできても専門窓口のあるお店もそう多くないでしょう。両者に共通していることは、

 

時間を無駄にせず商品を購入できる点

 

ではないでしょうか。時短ニーズをすくい取ったということですね。既存事業の時短サービスを提供すれば、ウケるかもしれません。

 

客単価が伸びた要因は、

 

高単価メニューの提供

サイドメニューの販売キャンペーンの実施

 

でした。客単価を引き上げるのは、そう難しいことではありません。値上げをすれば済むことです。難しいのは、客数を大きく減らさずに客単価を引き上げること。CoCo壱番屋の場合は、客数を増やしてしかも客単価の引き上げにも成功したので、マジックに近いものがあります。その成功の要因は、高単価メニューの開発ですが、もしかしたら、

 

高単価メニュー・サイドメニューの適度な売り込み

 

にあるのかもしれません。前回述べた店舗前の大きな看板もこの適度な売り込みの一つです。単に、「注文はいかがいたしましょうか?」ではなく、「今月の期間限定メニューのチキンと夏野菜カレーはいかがですか?」という提案があったのかもしれません。CoCo壱番屋のようにメニューの種類が多いと、消費者は逆に何を食べたらいいのか教えて欲しいもの。CoCo壱番屋は、この隠れたニーズをすくい取ったのかもしれません。売り込み・提案は、簡単そうでなかなか出来ないもの。これを、直営店・FC店で実施できたならば、CoCo壱番屋の組織力は相当強いと言えます。こういうソフト面での強みがあるのかもしれません。

 

最後に、カレーについて。カレーは家庭料理ですが、家庭でカレーを作る機会が減っているのかもしれません。そう感じるのは、カレールーシェアトップのハウス食品がルーの売上を減らしているからです。ハウス食品だけの問題かもしれませんが、トップメーカーが売上を落とすということは、市場全体が縮小している可能性も否定できません。もし後者ならば、家庭でカレーを作る機会が減っていることになります。

 

その要因として考えられるのが、カレーの外食化ではないでしょうか。家庭料理としてのカレーが、その調理のハードルの高さから、飲食店で食べられているのではないか、という推測です。この機会を、日本最大のカレーチェーンであるCoCo壱番屋が取得しているのではないでしょうか。これが現実ならば、

 

面倒な家庭料理は飲食店にとって大きなビジネスチャンス

 

と言えることができます。ちなみに、カレーの調理の問題点は、「大量に作れるがゆえに連続して食べなければならない」というもの。かと言って、一人前だけ作るのも手間は同じ。レトルトもいいけど、ご飯を用意しなければなりません。ならば、外で食べちゃえ。こういう心理プロセスを経て、カレーの外食化が進んでいるのではないでしょうか。

 

CoCo壱番屋の好業績を、カレー専門店だけの特殊事例と思うなかれ。好業績・業績悪化の背景には、学べる要因が必ずあるのですよ。

 

☆今日のまとめ☆

CoCo壱番屋の好業績から学べることは、顧客ニーズにまじめに取り組む重要性、時短ニーズが強くなっていること、商品の適度な売り込み・提案が売上につながること、面倒な家庭料理は外食にとってチャンス、ということである。

 

アメリカビジネスの最新事情メルマガはこちら

ワインを知れば、おもしろい

WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません

日々気づいた雑感はTwitterで発信中

すいません、Facebookはほぼ引退しました

年5%で資産運用する方法はこちら

 

 

  • 今日のこぼれ話☆

いやいや、長々とCoCo壱番屋を語ってしまいましたね。

何か特別思い入れがあるということはないですが、あの変わった創業者はかなり好きです。

変人は人を惹きつける魅力があるのでしょうか。