クレープの大幅値引き販売、果たして儲かるのか?

※この記事は昨日掲載する予定でした。


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今晩9時ごろ、三宮駅前のクレープ屋さんでとある光景を目にしました。その光景とは、

◎行列

です。9時と言えばそれほど遅くないと言う印象ですが、飲食店以外の店舗では9時には弊店するお店が多い。きっと、お客さんが少なくなるからでしょう。


行列を見ると、ついついその理由を探りたくなる性なので、お店を覗いていました。すると、すぐにその理由を発見。行列のわけは、

◎値引き販売

にありました。


このお店では、毎月クレープの日を設定しており、今日がその日にあたるとのこと。この日のクレープは全品290円均一だから、かなり太っ腹な企画になります。ちなみに、このお店の価格帯は340円~430円で、大部分のクレープがこの価格帯内で販売されています。


こんなに安売りをしてお店は大丈夫なのでしょうか?こんなことを考えるのが普通でしょう。そこで、クレープの日にクレープを買う消費者をセグメントしてみました。


  1. 週に何度か訪れるヘビーユーザー

  2. 月に何度か訪れる常連客

  3. このお店を特別好きではないが、クレープ自体が好きなクレープ好き

  4. クレープを特別好きではないが、お店を見てクレープが食べたくなった消費者


この4タイプに分かれると思います。「年に何度か訪れる顧客」というセグメントも必要という意見もありますが、そのような消費者はこのお店を特に気に入っているとは言いがたいので、3のクレープ好きに属するようにします。この4タイプに対するクレープの日に行われる割引販売の影響は、

  1. 単価・購入頻度への影響は少なく、利益率低下を招く。(マイナスの効果)

  2. 購入頻度が高まる可能性がある。(プラスの効果)

  3. 新たに集客できる。(プラスの効果)

  4. 新たに集客できる。(プラスの効果)

になります。プラスが大きいからこの割引企画をすることは自明なので、いかにプラスが大きいかを解明しようかと思います。


まず、クレープの商品特徴から。クレープは小麦粉を使ったデザートで、所謂粉モノ。だから、利益率は高いと予測できます。そこで、食材費の割合を25%としましょう。340円のクレープの食材費は、

340X25%=85

となります。クレープの日だからといって、アルバイトの人員を増やさないと予測すると、食材費とカップなどの商品付属消耗品(クレープを包む紙やスプーンなど)以外は固定費とみなすことができます。商品付属消耗品のコストを5円とすると、固定費を除くコスト、つまり変動費は、340円のクレープの場合、

85円+5円=90

となります。その結果、340円のクレープを販売することによって得られる限界利益は、

340円―90円=250

となります。また、430円のクレープで同様の計算をすると、

食材費=430X25%=107.5

変動費=107.5円+5円=112.5

限界利益=430円―112.5円=317.5

となります。これを290円で販売することになるので、割引後の限界利益は、

340円の商品の限界利益=290円―90円=200

430円の商品の限界利益=290円―112.5円=177.5

に減少します。つまり、値引きによって、340円の商品は50円に利益が吹き飛び、430円の商品は200円の利益が吹き飛んでしまいます。しかも、均一価格の場合、消費者はよりお得な商品を選ぶ傾向にあります。そのため、430円のクレープの販売量が大きく伸びることが予測できます。しかし、430円のクレープは340円のよりも限界利益が小さいので、430円のクレープの売りが増えると、よりお店の利益率が低下することになります。


このように、クレープの日割引は、大きな出血を伴う大判振る舞いなのです。それでも販売量が増えれば、利益額が増えるかもしれません。例えば、通常の日は340円が80個、430円が20個売れるとして、クレープの日は340円が30個、430120個売れるとすると、

通常の日の限界利益=250X80個+317.5X20個=26350

クレープの日の限界利益=200X30個+177.5X120個=20100

となり、限界利益は減ることになります。1.5倍に販売量が増えたとしても、利益額は減るという結果になります。忙しく働くアルバイトさんには申しわけないですが。


このように、値引き販売は、ややもすると利益額が減る恐れがあり注意が必要。ただ、このクレープの日を見込み客の集客と考えると、それほど大きな出費ではありません。先ほどの販売量の例で言えば、6000円ほどの出費ですので、広告を打つことを考えると低コスト。もちろん、クレープの日で集めた見込み客を、次の購入につなげる仕掛けが必要なのことは言うまでもないですが。


☆今日のまとめ☆

値引き販売は、下手をすると販売数量は増えても利益額は減る恐れがあり。

しかし、見込み客の集客方法と考えれば、コストは安い。

ただ、集めた見込み客を次の購入につなげる仕掛けが必要。


☆今日のこぼれ話☆

花粉症、ついに始まりました。

今日はメガネ+マスク姿だったので、一見変質者ですね。(笑)

それでは。


☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→◯

◎毎日情報を発信する→☓

◎毎朝ツイッターでつぶやく→◯

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯

◎腕立て・腹筋30回→◯(本日より)

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