【442号】イタリア飲食大手オートグリル、スタバとの提携を深める理由とは?
※東日本大震災で被災された方に、心よりお見舞い申し上げます。
◎本日のニュース
1)見出し
Autogrill Expands Starbucks Contract
【出典】
http://goo.gl/uPPYM
2)要約
イタリアの飲食店・小売業大手オートグリルは、
スターバックスとの提携を深め、
今後アメリカの空港や高速道路パーキングエリアにて、
スタバ店舗を約120店舗(2020年まで)オープンする予定
としている。
この理由は、スタバとの提携がこれまで収益に
大きく貢献してきたからである。
2010年は、
今後10年で、50億ドルの売上を獲得できると期待している。
オートグリルは表向きは、ラテンアメリカやアジアなどの
まだ展開が進んでいない地域を今後強化するとしているが、
アメリカが魅力的な市場であるのは確かである。
というのは、アメリカの航空旅客数が世界最大のまま
推移すると予測されているからである。
国際航空運送協会(IATA)によると、
航空旅客数は2009年の25億人から2014年には33億人へ増加するとされている。
アメリカは今後も最大の単一市場であり、
国際線で6億7100万人、国内線で2億1500万人に増加するという。
3)キーとなる英文
Autogrill SpA’s plans to extend its existing contract
with coffee giant Starbucks Corp. will further strengthen
its presence in U.S. airports and on highways,
according to the Italian firm’s chief executive.
4)キーとなる英文の和訳
その経営幹部によると、イタリア企業のオートグリル株式会社は、
コーヒー大手のスターバックス社との冤罪の契約を拡大することを計画している。
この計画により、アメリカの空港や高速道路での同社の占有率が一層高まると予測される。
5)気になる単語・表現
SpA 株式会社
6)今日のヒント
オートグリルという企業については、この記事で初めて知ったが、
検索してみるとイタリアの高速道路パーキングエリアで
レストランを運営していることで有名らしい。
(オートグリルのことが言及されたブログが多数あり。)
サイトを見ると、飲食店以外にもデューティーフリーショップなどの
小売店も運営している。飲食店・小売店に共通しているのは、
空港や高速道路・観光地など交通手段により動く人がいる場所に
立地されているということ。
ビジネスドメインは、「動く人がターゲット」ということであろうか。
オートグリルがスタバとの提携を深めるのは、
ターゲットとする「動く人」」が今後アメリカで増える見込みだからであろう。
特に、航空旅客数は、国際航空運送協会の予測によると大きく伸びる。
しかも、その一番大きなパイはアメリカにあり、
そのアメリカ市場も今後伸びるのだから、
オートグリルがアメリカの空港でスタバを広げるのも納得できる。
アメリカの景気回復の影響も大きいだろう。
昨年の半ばあたりから、個人消費が堅調に回復している。
消費が回復すると、企業活動も活発化し、
給料の増加や雇用拡大を通じて消費活動をさらに促すことになる。
この中で、自動車や飛行機による「動く人」が増えてくることだろう。
ターゲットとする「動く人」が増えることになり、
オートグリルにとっては販売機会が増えることになる。
オートグリルが強気なのは、単にターゲットが増えるからだけではない。
ターゲットの特徴や消費意欲の高さも影響している。
小麦やコーヒーなどの食料品価格が高騰しているが、
オートグリルの経営陣はあまり心配していないという。
その理由は記事には書かれてなかったが、
恐らくコストアップ分は値上げにより対処する予定だからであろう。
「動く人」は、時間を有効に使うことを優先する。
よって、少々値段が高くとも、短時間で食欲を満たせるのならば問題はない。
考えて見れば、空港や高速道路パーキングエリアなどでは、
通常の価格よりも高い場合が多い。元々高いのだから、
コストアップ分を値上げしてもさほど売上に影響しないと考えるのも納得できる。
また、空港での消費が増えている傾向もあるという。
この販売機会を勝ち取るために、オートグリルは新しい業態の開発を行っている。
例えば、2009年12月に、ブリュッセル空港に、
ワインと地中海料理が楽しめるワインバー・ボードバン(Beaudevin)を
オープンしている。このワインバーのターゲとは、働く女性。
今後増えるであろう「女性」「仕事を持つ」という属性をカバーする。
オートグリルによるアメリカ市場でのスタバ店舗拡大からは、
1 自社のターゲットが今後増える市場に集中する
2 価格ではなくサービス(この場合は時短サービス)に
より差別化できる市場を目指す
3 消費行動の変化を読み解き、商品開発や販売方法に活かす
の重要性を読み取ることができる。
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《今回のヒントのまとめ》
1)イタリアの飲食・小売り大手のオートグリルは、
スターバックスとの提携をより深め、
アメリカでのスターバックス店舗を拡大する予定である。
2)この理由は、オートグリルが店舗を持つ空港や
高速道路・観光地などを利用する人口が今後伸びると
予測されるからである。
特に、アメリカは、航空旅客数世界一位のため、
この増加トレンドを大きく享受できる。
3)また、オートグリルがアメリカに注目するのは、
アメリカ景気の回復基調により、
今後交通手段を使って「動く人」が増えると
期待されるからである。
4)さらに、空港でモノを購入する人は、
時間短縮を最優先にするために、価格競争に陥ることは少なく、
また空港での消費が増える傾向であることも、
空港でのスタバ店舗拡大への後押しになっている。
5)この事例から学べることは、
「自社のターゲットが今後増える市場に集中する」
「価格ではなくサービスにより差別化できる市場を目指す」
「消費行動の変化を読み取り、商品開発や販売方法に活かす」である。
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6)おすすめ商品・サービス
◎Winecarte 簡単ワインの選び方
一番新しい記事は、
2010年ボルドー、高値の予感。
http://wine.ryotarotakao.com/archives/617
です。
最近、ワインを勉強しています。
それをアウトプットする意味でも、ワインのサイトを始めました。
焦らず少しずつ作成する予定です。
http://wine.ryotarotakao.com/
編集後記
こんばんは、高尾です。
今回は予約配信です。
金曜日に日本酒を飲む予定にしていたのですが、
仕事の影響でご飯が遅くなったので、土曜日に延期しました。
アメリカのオンラインワインマガジンで、
「日本復興のために日本酒を」という記事を読んだのがきっかけです。
日本酒を飲むのは、ほんと久しぶり。
キリッとした辛さがしたと思えば、
次の一口では少し甘味が味わえるなど、
ワインに似て味の変化を味わえます。
ただ、すぐに酔いが回るので、
飲み過ぎには注意です。
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