【477号】アメリカ人が野菜をあまり食べない理由とカット野菜の挑戦
(From Flickr)
◎本日のニュース
1)見出し
The Salad Is in the Bag
【出典】
http://goo.gl/oFdH5
2)要約
長年野菜の摂取が叫ばれているが、
アメリカ人の野菜離れは進んでいる。
平均的なアメリカ人がサラダを食べる回数は、
年間約36回にすぎず、1985年と比べて20%も少ない。
野菜離れが進んだ一番の理由として、
サラダを作る際の面倒な手間が挙げられる。
この問題点を解決したのが、
カット野菜である。
カット野菜メーカーは、
一パックに多くの種類の野菜を詰めたり、
豆や雑穀を詰めることでメインディッシュにしたり
、カット野菜を進化させて野菜摂取量を増やそうと努力している。
カット野菜が1990年代半ばに登場した時は、
物珍しさもあり野菜の消費量は少し増えたが、
数年後には元の量に戻ってしまった。
その理由として、価格の高さやカット野菜に
関係する食中毒の発生などが挙げられる。
一方、多くのアメリカ人がそもそも野菜を
美味しく食べる方法を知らないのでは、
という指摘もある。
◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Despite decades of nagging to eat more leafy greens
and colorful vegetables, the average American eats
a salad at mealtime only about 36 times a year.
That’s 20% less often than in 1985, when the average
annual frequency was 45, according to market research
firm NPD Group.
4)キーとなる英文の和訳
市場調査会社のNPDグループによると、
もっと緑黄色野菜を摂取するように
長年声高に叫ばれて来たにもかかわらず、
平均的なアメリカ人は、一年で約36回しか
食事中にサラダを食べない。
それは、1985年よりも20%も少ない。
ちなみに、1985年には年間45回食べていた。
5)気になる単語・表現
decades 名詞 長年
nag A to 他動詞句 Aに~するようにうるさくせがむ
◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
アメリカ人が野菜を食べない理由として、
サラダを作る面倒さが挙げられている。
その面倒さは、野菜を「洗う」「切る」
「新鮮かどうか確かめる」という作業である。
逆に言うと、この面倒な作業を無くせば、
もっと野菜を食べるのではないか。
ここにビジネスチャンスを見出したのが、
カット野菜である。
カット野菜では、すでに「洗う」「切る」
「新鮮かどうか確かめる」という作業が済んでいる。
家ですることは、カット野菜の入ったパックを破って、
サラダボウルに入れるだけである。
好みのドレッシングをかければ、サラダの出来上がりである。
カット野菜の利便性、そして物珍しさも手伝って、
カット野菜が登場してから数年は野菜摂取量が増えたという。
しかし、その後、摂取量が元に戻ってしまった。
この要因として、
1.価格の高さ
2.カット野菜を食べて起こった食中毒
が挙げられている。普通のレタスが1.79ドルするのに対し、
カット野菜は3ドルから4ドルする。
この価格の高さを納得してもらわなければ、
買ってもらえない。
カット野菜メーカーによると、5ドルの壁というのがあるという。
(5ドルを超えると全く売れないという定説)
また、カット野菜に関係した食中毒事件も、
カット野菜の印象を悪くした。
しかし、カット野菜の方が普通の野菜よりも
食中毒のリスクが高いという科学的根拠はない。
カット野菜が問題というよりは、
カット野菜を水洗いする際に、
他の食物に付いた菌がカット野菜に移ることで食中毒が発生する。
一見、
本当は逆に高くなるのである。ただ、私が一番注目したい野菜離れの原因は、
そもそも野菜のおいしい食べ方を知らないアメリカ人が多い
ということである。
野菜はいくら体にいいからといっても、
美味しくなければ食べたいとは思わない。
その結果、野菜を食べる機会・摂取量は減る。記事には、
多くのアメリカ人は同じタイプのサラダを
食べるのに慣れきっていて、
異なる野菜を食べる時も同じドレッシングを使う傾向が強い。
と書かれてある。野菜によって
相性のいいドレッシングがあるし、
野菜の組み合わせにより食感も異なる。
メインディッシュとの組み合わせもあるだろう。
しかし、これらを考慮せず、
どんな野菜にも決まったドレッシングをかけると、
それは美味しくなくなる。その結果、野菜を食べたくなくなる。
カット野菜という単なるモノを提供するのではなく、
このモノをどのように食べるかというコトも
同時に提供する必要がある。このコトがあってこそ、
モノが真価を発揮する。
この点に注目しているカット野菜メーカーが、
記事に紹介されている。
ドールフードカンパニー(Dole Food Company Inc.)は、
カット野菜のパッケージに、このカット野菜に合う
チキンやチーズ・ドレッシングを掲載している。
パッケージを見れば、このカット野菜を使っておいしいサラダ
(しかも鶏肉入りの食べ応えのある料理)を作ることができる。
また、他のメーカーでは、単に葉っぱの野菜を詰めるのではなく、
きゅうりやトマト・赤ピーマンを一緒にパックし、
さらに豆や雑穀まで入れた商品もある。
これらの商品パッケージにサラダレシピが掲載されているかどうか
少なくとも新しい野菜の食べ方を提案しているのは事実である。
このように、サラダの作り方というコトを提供することにより、
サラダを食べようという気になり、カット野菜の売上につながる。
モノがあふれた成熟経済では、
単にモノを並べただけで売れることは滅多にない。
このモノを使ってどんなベネフィットを享受できるか、
というコトを伝えることがより重要になるだろう。
特に、価格の高いモノ(カット野菜は高い商品です)
にとっては、その重要性はより高まるだろう。
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《今回のヒントのまとめ》
1)アメリカ人の野菜摂取量は、
1985年比で20%も減少している。
その原因は、サラダを作るのに面倒な手間が必要だからである。
2)この手間を省くために、
カット野菜が開発・販売されているが、
野菜摂取量の増加に寄与していない。
3)その原因として、その価格の高さと食中毒との関係が
挙げられる。
4)ただ、これ以上に問題なのは、
アメリカ人の多くがサラダのおいしい食べ方を
知らないことではないだろうか。
おいしくなければ、いくら体にいいから
といっても継続的に食べないだろう。
5)これを正すためには、
単にカット野菜というモノを提供するのではなく
美味しいサラダの食べ方というコトを伝える必要がある。
特に、価格の高いカット野菜の場合、
コトを伝える重要性はより高いだろう。
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6)おすすめ商品・サービス
◎Winecarte 簡単ワインの選び方
一番新しい記事は、
ボーヌ ロマネ レショーム2005(Vosne Romanee Les Chaumes2005)
http://goo.gl/hjo4m
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最近、ワインを勉強しています。
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編集後記
こんばんは、高尾です。
不思議なことですが、夜はだいぶ涼しく感じます。
まだ、7月終わりなのに。
もう夏も終わりに近づいたのかなぁ、と思いきや、
昼はまだまだ暑い。
途中でバテるのを避けるために、
自転車での移動も一回30分程度に抑えています。
それでも、汗ビッショリ。
8月も頑張りましょう。
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