Googleと流通大手による取扱い商品情報の公開、リアル店舗が大きな賭けに出た理由とは?

google(from flickr)

 

今日(2011年9月16日)の日経新聞朝刊に驚くべき記事がありました。その記事タイトルは、

 

ヨドバシやマツキヨの商品、全国1200店の価格、グーグルで比較、在庫情報も公開。

 

というもの。私がこの記事に驚いたのは、

リアル(通販ではなく店舗を構えているという意味)の小売店舗は、取扱い商品の情報を外部に公開するのを嫌がっている

と考えいる(実際にインタビューしたわけではなく、私の推測。)から。まさか、ネット上で取扱い商品の情報を外部に公開するなんてありえない、と今日まで考えていました。さらに、その情報には在庫や価格が含まれており、これらの情報は競合他社に知られたくないこと。それを、利用者の多いGoogleのサービスを通して公開するということは、かなり大きな賭けに出たと捉えることができます。

 

そして記事には、この賭けの意図がこう記されています。

 

流通側にとってはグーグルを通じて非公開だった情報を流す形になる。ただ、自社サイトだけで価格情報などを公開するより、消費者の利用が格段に期待できる グーグルと組むことで、「新しい消費者に来店してもらう機会につながる」(東急ハンズやHMV)メリットがある。

 

「自社サイトだけで価格情報などを公開」と書かれていますが、これは通販サイトのことを言っているのでしょう。しかし、このGoogleの新サービスは、リアル店舗の取扱い商品の情報を公開するというもの。少し記事のピントが外れていますが、小売企業の目的を次のように考えることができます。

 

ネット上のGoogle新サービスに掲載した情報から、リアル店舗に誘導し、実物を見て触ってもらって、ついで買いをしてもらうため。

 

つまり、ネットからリアル店舗に送客しようとしているのです。

 

消費者の購買行動が、「ネットで調べる→納得して購入する」になりつつある今、消費者にとって一番手っとり早い購入方法は、「ネットで調べる→ネットで購入する」であることは間違いありません。それは、すべてパソコン(またはスマートフォン・携帯)上で済んでしまうからです。わざわざ交通費・時間を使って、お店に行く必要がありません。買ったものを持ち帰る必要もありません。さらに、ネット通販の商品の多くは、その価格がリアル店舗の価格よりも低いとなれば、ネットで買おうと考える消費者が増えるのも当然です。

 

ただ、すべての商品がネット通販で購入されるわけではありません。価格の低い商品の場合、送料が問題になります。価格の高い商品の場合、失敗した時の痛手が大きいので、できれば実際の商品を見て触ってから最終決定したいと考える消費者が多いのではないでしょうか。ここで、リアル店舗の出番です。これまでは、ネットで見つけた気になる商品を、近くの小売店に電話で問い合わせし、在庫(さらに価格まで)を確認していました。ただ、この電話を掛けるということが意外に面倒なんです。まず、近くのお店の電話番号を調べる必要があります。さらに、電話したからといって、すぐに出てくれるとは限りません。比較的規模の大きな小売店(百貨店やGMSなど)にはカスタマーサービスの窓口がありますが、ドラッグストアやスーパーにはないお店が多いのではないでしょうか。その場合、事務所にいる社員が出ることになります。忙しい時間帯は、事務所にいないこともあるでしょう。アルバイトやパートが対応するかもしれません。そして、その従業員が問い合わせ商品の担当者に取り次いで、在庫を調べることになります。ここまでたどり着くのに、ある程度時間を食ってしまいます。さらに、電話を掛けるということは人との会話が必須となるので、このコミュニケーションをストレスと感じる人もいることでしょう。この「ネットでお店の電話番号を調べる→電話を掛ける→担当者に代わってもらう→答えをもらう」行動は、とても面倒なのです。この面倒さに嫌気がさして、欲しい商品があるにもかかわらず、購入を諦めたり、泣く泣くネットで購入した消費者は多いだろうと思います。

 

消費者が購入を諦めたことやネット通販で購入したことは、リアル店舗にとって販売機会の損失になります。このチャンスロスをすくい取るために、Googleの新サービスを利用するのではないでしょうか。このサービスが思った以上の集客をもたらせば、リアル店舗にみられる取扱い商品の秘密主義が大きく転換されるかもしれません。

 

☆今日のまとめ☆

流通大手が、Googleと組み、リアル店舗の在庫情報や価格を公開することは、大きな賭けと言える。

それは、取扱い商品の情報は、競合他社に知られたくない情報だからである。

このような賭けに出るのは、「ネットで調べる→納得した購入する」という消費行動で、リアル店舗が販売機会を取りこぼしていたからである。

競合に知られるというリスクを犯してまでGoogleと提携するのは、このチャンスロスをすくい取るためである。

 

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☆ 今日のこぼれ話☆

3連休は、食絡みのイベント目白押し。

シェラトンのワインの休日に、ビールの祭典in兵庫など。

どちらも六甲アイランドで行われるのですが、同じ日なんですね。

ワインか地ビールか。

悩むところです。

お金(しかも決して安くない)がかかるイベントなので、どれほど集客しているかにも興味あります。

みなさんは、どちらに興味ありますか?

 

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→◯

◎毎日情報を発信する→◯

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯

◎腕立て・腹筋30回→◯

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯

◎部屋や家の掃除をする→☓

 

 

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