エスプレッソブックマシーンBy angermann

 

◎本日のニュース

1)見出し
Out of Stock, Still in Luck: Print-on-Demand Expands

【出典】
http://goo.gl/qdMVE

2)要約
ペーパーバッグ出版大手のハーパーコリンズパブリッシャーズ社
(以下、ハーパーコリンズ)は、
約5,

000タイトルのペーパーバッグをオンデマンド販売すると発表した。
オンデマンド販売とは、書店が顧客の注文した書籍を
その場で印刷して販売するという販売形態。オンデマンド出版を可能にするのは、
オンデマンドブックス社のエスプレッソブックマシーンという印刷機。
この印刷機の特徴は、書店内にも設置できる机ほどの大きさで、
数分で印刷できる点である。
これを利用すれば、書棚の限られた書店でも、
在庫を気にせず多種類の書籍を販売でき、
品揃えで圧倒するネット通販に対抗できる。

ただ、エスプレッソブックマシーンの販売数量が、
予定を大きく下回っている。
その原因は、出版社がこれまでの書籍の注文減少を恐れて、
オンデマンド出版に乗り気でないからである。

しかし、大手出版社のハーパーコリンズが、
オンデマンド出版に乗り出した意味は大きい。
これは、書店大手のボーダーズ社が破綻するなど、
書店販売が減少している現状を踏まえ、
出版社が現状の書店販売を再考していることを意味する。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Their vision was aided Thursday by HarperCollins Publishers Inc.
which said it would make about 5,000 current paperbacks
available to bookstores through On Demand Books LLC’s
Espresso Book Machine.

4)キーとなる英文の和訳
その光景は、ハーパーコリンズパブリッシャーズ社の発表によって、
より現実的になった。その発表は木曜日に行われ、
現在書店に流通している約5000タイトルのペーパーバッグを、
オンデマンドブックス社のエスプレッソブックマシーンを通じて販売する、
とされた。

5)気になる単語・表現
vision  名詞      光景;先見性
current 形容詞     今の;通用している

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
ハーパーコリンズパブリッシャーズ社(HarperCollins Publishers Inc.)は、
若者向けの小説が主体だが、児童書・辞書まで出版する大手総合出版社。
出版業界大手企業が、オンデマンド出版に約5000タイトルもの
ペーパーブックを開放したことが、大きなニュースとして記事で報じられている。

ハーパーコリンズがオンデマンド出版の
エスプレッソブックマシーン(Espresso Book Machine)に対応した理由として、
以下が挙げられる。
1.25%~80%の書籍が書店で在庫されず、販売機会を失っているから。
2.販売価格が紙のペーパーバッグと同じであるため、
紙のペーパーバッグの売上を妨げないから。
3.書棚が限られた書店の在庫負担が減り、
書店ルートでの販売増を期待できるから。

ボーダーズ破綻が物語るように、
書店ルートでの書籍販売は減少している。
この大きな要因は、アマゾンのようなネット通販が普及したから。
ネット通販の魅力は、取扱い書籍タイトルが豊富なことにある。
一方、書店は書棚が限られるために、豊富な在庫を取り揃えることは難しい。
この差を埋める方法として、オンデマンド出版が開発された。
在庫のない書籍を販売できるために、
1の販売チャンスロスを回避することができる。
それが、3の売上増につながる。

ただし、オンデマンド出版が増えると、紙の書籍の販売が減るのではないか、
という懸念がある。この懸念のために、
多くの出版社はオンデマンド出版のエスプレッソブックマシーンに
魅力的なタイトルを開放していない。
その結果、魅力のあるタイトルを印刷できない
エスプレッソブックマシーンの設置件数は、
伸び悩んでいる。販売元のオンデマンドブックス社(On Demand Books LLC)は、
当初2009年までに500台を販売する予定でいたが、
現在までアメリカでの販売件数は23台に留まっている。
今後設置予定の台数が30台で、海外販売数が27台なので、
予定数を大幅に下回っている。

ハーパーコリンズも他の出版社同様、オンデマンド出版が増えれば、
紙の書籍が売れなくなるのではないか、つまりカニバリが起こるのではないか、
という懸念があったのだろう。
だから、今までオンデマンド出版を導入できなかったと言える。
この懸念材料を払拭したのが、2の価格設定。
オンライ出版価格と紙の書籍価格を同じにすることで、
オンデマンド出版と紙のカニバリを回避できた。
消費者にとって、オンデマンド出版は出来たてを購入できるメリットはあるものの、
立ち読みできず、さらに印刷するのに数分待たなければならない。
一方、紙のペーパーバックは、在庫がある限り思う存分立ち読みでき、
すぐに購入できるメリットがある。どちらの価格も同じなので、
ハーパーコリンズは、これまでの紙の売上を減らすことなく、
これまで在庫がないためにみすみす逃していた販売機会を活かすことができる。

ハーパーコリンズは、エスプレッソブックマシーンを通じての販売開始により、
7%~14%の売上増を予測している。この予測値が現実のものになれば、
他の出版社もエスプレッソブックマシーンへのタイトル開放を積極的に行うだろう。
魅力的なタイトルが増えれば、エスプレッソブックマシーンの売上が
大きく増加かもしれない。それが、さらなるタイトル増につながる。
その結果、在庫数ではネット通販に負けるが、
魅力的な書籍がすぐに手に入るという点で、
書店が差別化を図れるようになる。
そして、書店とネット通販の棲み分けが可能になる。

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《今回のヒントのまとめ》

1)大手出版社のハーパーコリンズが、
オンデマンド出版のエスプレッソブックマシーンを通じて
5000タイトルものペーパーバックを販売すると発表した。

2)その理由は3つあり、在庫の少ない書店での
販売チャンスロスを回避できるから、
紙の書籍との価格が同じであるためカニバリを回避できるから、
そして、在庫負担のない販売形態のため書店での販売増が
期待できるからである。

3)ハーパーコリンズのオンデマンド出版進出が成功すれば、
紙の書籍販売減少を懸念する他の出版社も、
多くの魅力的なタイトルをオンデマンド出版に開放するかもしれない。

4)魅力的なタイトルが在庫負担無しで販売できるとなると、
エスプレッソブックマシーンの売上が伸びるだろう。
それが、さらなるタイトル増につながる。

5)この結果、在庫数ではネット通販には負けるものの、
魅力的な書籍をすぐに購入できるベネフィットを、
書店は提供することができる。
書店は、ネット通販と棲み分けできるようになるだろう。

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書籍と言えば、昨日アマゾンの新型キンドルが発表されました。
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キンドルファイヤー(Kindle Fire)ですが、
私が気になるのは、キンドルタッチ(Kindle Touch)。
タッチパネルであるのも魅力ですが、何より目を引くのはその値段。
99ドルと100ドルをついに切りました。
79ドルの廉価版もあるので、
新型キンドルで電子書籍が一気に普及するかもしれません。
そうなると、オンデマンド出版は不要だと思われますが、
紙で読みたい層は確実に存在するし、
紙で読みたい本もあると思います。
新型キンドルが日本で発売されるのはいつでしょう。
キンドルタッチ、欲しいですね。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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