【536号】住宅購入というアメリカンドリームに変化が起こった理由とは?

◎本日のニュース

1)見出し
For Women, Is Home Really So Sweet?
【出典】
http://goo.gl/mKAYs

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2)要約
従来、アメリカ人にとって住宅の購入は、

安定した生活の証であり、
アメリカンドリームであった。しかし、金融危機後、
その考えに変化が表れている。その理由は、住宅購入の短所が大きくなったからである。
住宅購入によって、言葉では言い表しがたい所有欲を
味わうことができるが、その一方で、移転のしにくさ、
投資機会の損失、ランニングコストなどを受け入れなくてはならない。
さらに、住宅ローンの利用や分譲マンションの購入になれば、
さらに問題は増える。賃貸すれば、これらの短所を解決してくれる。

住宅購入の問題点がクローズアップされるのは、
独身女性による購入が増えているからである。
人生の新たなステージへ飛躍するために、
住宅を購入する例が多いのだが、誤った判断をすると、
不幸に終わることになる。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
Buying a home still works for many people, but it should
no longer be taken as the embodiment of the American dream.

4)キーとなる英文の和訳
住宅を購入することは、依然多くの人にとって重要なことである。
しかし、もうアメリカンドリームの具体化として考えるべきではない。

5)気になる単語・表現
embodiment名詞具体化、具現;具体化されたもの、化身

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
筆者の父親は弁護士であるが、彼が、友人であり顧問先である離婚女性に、
住宅購入を相談された時のメモが、この記事の発端となっている。

住宅販売に関する数字が、アメリカの景気指数として重要であるように、
住宅の購入はアメリカンドリームとして考えられてきた。
しかし、その考えを再考する必要があるという。

その前提として、アメリカの住宅購入者の属性に大きな変化が起こっている。
その変化とは、
全住宅購入者に占める独身女性の割合が増加している
ということである。数字を上げると、
1981年 11%→2006年 22%
と約2倍にまで割合が伸びている。ちなみに、独身男性は10%に過ぎない。
また、2000年代初めに3年間で、独身女性が購入した住宅の価値は、
5500億ドル以上に至っている。また、住宅購入者の過半数は独身者であり、
これは未だかつてなかったという。この背景には、
独身者の増加という人口の変化があるのだろう。
(アメリカにおける独身者の増加について、確かなデータを見つけられず。
こちらを参照。
http://goo.gl/Kwr6N

さらに、金融危機により急落した住宅価格は、その戻りが依然鈍い。
金融危機により、住宅購入には価格下落リスクが伴うことが、
改めて知られることとなった。

これらの属性の変化・環境の変化が、住宅購入に対する
アメリカ人の考えに変化を及ぼしている。その変化とは、
(従来)住宅購入=安定した生活の証であり、
アメリカンドリームを具体化したものである。
言葉に言い表しがたいオーナーシップを感じることができる。
(現在)住宅購入=移動のしくにさ、メンテナンス・租税など維持費の高さ、
投資機会の損失など欠点が多い。
である。さらに、住宅ローンを利用したり、一軒家ではなく
分譲マンションを購入したりすれば、欠点はさらに多くなる。
ちなみに、投資機会とは、住宅を購入せずに、購入資金を他に投資した
時に得られるであろう収益である。これについては、
橘玲氏の書籍に詳しく説明しているので、参考にされたい。

『大震災の後で人生について語るということ』
http://goo.gl/iN7sl

そして、住宅購入の欠点を解決する方法として、
賃貸住宅を筆者(正確には筆者の父)は薦めている。

このように、
人口の変化
経済環境の変化
により、これまで良しと考えられてきた社会通念が崩れ、
新しい商品が求められるようになる。日本でも、
人口の変化→独身世帯の増加、高齢者の増加、子供の減少、
若年層の減少
経済環境の変化→低成長が継続、職場のグローバル化
などにより、
社会通念=結婚、住宅購入、保険の加入、日本の大学への進学、
大学生の一人暮らし(遠方の大学への進学の場合)
に変化が起こるかもしれない。

さらに、社会通念上これまで選択の余地がなかったことでも、
消費者が不満を感じていることを探しだせば、
新たな商品・事業が生まれるかもしれない。

アメリカでは賃貸住宅市場の拡大にともなって、
集合住宅需要が高まっているようである。購入から賃貸へ変化が起こると、
集合住宅の建設につながり、さらにその先に新たな需要を生み出す。
新たな需要が新商品・新事業を生み出す源であると考えると、
あらゆる変化には注目したい。
※アメリカの賃貸住宅市場について http://goo.gl/sUDOP

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《今回のヒントのまとめ》
1)アメリカでは、そもそも住宅購入はアメリカンドリームと
考えられていた。しかし、その考えに変化が起こっている。

2)その要因は、独身世帯の増加という人口の変化と、
景気低迷という経済環境の変化である。

3)この変化により、住宅購入のデメリットが大きくなり、
賃貸のメリットが大きくなった。

4)このように、人口の変化・経済環境の変化は、
需要の変化を生み出すので、注目したい。

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編集後記
先週末は、私の誕生日ということもあり、Facebookを
通じていろんな方から、祝福のお言葉をいただきました。
とても嬉しく感じるとともに、ネットのありがたみを
改めて実感しました。
ありがとうございました。
ちなみに、家族で食べたケーキはこちら。
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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
感謝・感謝・感謝です!

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