キューピーがキューピーハーフのチラシで手を抜いた理由とは?

食品メーカーのキューピーは、広告に新聞折込チラシをよく利用しています。先日も、キューピーの折り込みチラシを見つけました。しかし、そのチラシは、いつものチラシとは全く違います。毎回内容は異なるので、厳密に言えば毎回全く違うのですが、今回は大きさ・見た目・目的からして全く異なります。比較すると、

従来のキューピー折り込みチラシ→レシピをメインにして商品(新商品)を告知

今回のキューピー折り込みチラシ→購入者プレゼント抽選の告知・応募ハガキ付き

になります。今回のチラシをぱっと見て思ったことは、

スーパーのサッカ台によくある応募ハガキをそのまま使っている

ということ。応募ハガキをそのまま折り込みチラシに使っているので、手を抜いたようにも思えます。

そこで、キューピーが応募ハガキを折り込みチラシに使った理由を考えてみました。コストダウンのために、手を抜いたというのは除くことにします。

【キューピーが応募ハガキを折り込んだ理由】

  1. サイズが小さいため、チラシの存在に気づいてもらいやすいから。
  2. サッカ台への設置では告知効果がほとんどないから。

1について、今回の応募ハガキ付きチラシは、大きさがA5になります。新聞折込チラシでよくある大きさは、B4かA4。ということは、大きさでかなり目立ちます。詳しい内容を読まなくとも、

キューピーハーフでプレゼント企画をやっている

ことを気づく可能性は極めて高いと言えます。小さいがゆえに、チラシ自体を見逃される可能性がありますが、それは福山雅治の写真を掲載することで回避できることでしょう。また、プレゼント企画の告知・応募ハガキに見られる派手なデザインではなく、シンプルでアナログなデザインを採用している点も、チラシを見てもらえる(読んでもらえなくても)可能性は高くなります。

2に関しては、スーパーに行く度に感じること。私自身、食品・飲料・酒類メーカーが行うプレゼント企画にかなり興味(もちろんマーケティングと言う観点で)があるので、サッカ台にある応募ハガキをよく観察するのですが、持ち帰る人はほとんどいません。いや、ここ5年間で、応募ハガキを持ち帰る人を見たことは、全くありません。にもかかわらず、プレゼント企画が頻繁に行われるのは、一部のプレゼントマニアによる購入が期待できるということでしょうか。また、一定のファンがいるという証拠かもしれません。

ということは、メーカーサイドからすると、サッカ台に応募ハガキを設置しても、効果はそれほど見られないということになります。ならば、リピートが期待できないプレゼントマニアやすでにリピートしてくれているファン以外の新規顧客を獲得するためには、違う告知方法を取る必要があります。そこで、新聞折込チラシが選ばれたのだと思います。実際、プレゼント内容は、

福山雅治さんが撮影したキューピー人形をプリントしたオリジナルTシャツ

そのTシャツを着たキューピー人形(体長21センチ)

なので、福山雅治ファンに買ってもらえる可能性はかなり高いと言えます。福山雅治ファンでプレゼントマニア・キューピーのファンの人はほとんどいなさそうなので、新規顧客になりえます。通常、新規顧客を獲得するのに使われるのは、特売=一時的な値下げです。しかし、値下げして初めて買ってもらっても、値段が戻ればまた別のブランドに切り替えられる可能性が高くなります。そういう点でも、プレゼント(しかもかなりレアな)を使うというのは、新規顧客を常連顧客にするという意味で効果が高いのではないでしょうか。

このように考えると、キューピーの応募ハガキ付き折り込みチラシは、決して手抜きではありません。このチラシには、

値下げせずに新規顧客を獲得する

その新規顧客をリピーターに育てる

というキューピーの販売戦略・顧客戦略を見出すことができます。

☆  今日のまとめ☆

キューピーのキューピーハーフプレゼント応募ハガキ付きチラシは、サッカ台に置かれる応募ハガキと同じようなので、手を抜いたチラシのように思われる。

しかし、A5というサイズでの差別化、サッカ台ではリーチできない新規顧客の獲得という点で、工夫がなされている。

さらに、値下げせずにレアなプレゼントで新規顧客を獲得することで、リピーターに育てやすくなる。

このチラシには、キューピーの販売戦略・顧客戦略を見出すことができる。

(2012年6月28日 訂正)

商品名に間違いがございましたので、訂正いたしました。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

購入者プレゼント企画でいつも思うのは、未だにハガキが利用されていることへの疑問です。

しかも大抵、切手は応募者負担です。

この手間・コストで、応募者はかなり少なくなることでしょう。

もう少し応募しやすい方法はないものでしょうか。

購入したかどうかを識別するのが難しいですが、ネットを利用できれば、もっと応募を増やせると思います。

もちろん、応募を増やせることは売上アップにつながります。

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→◯

◎毎日情報を発信する→☓

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯

◎腕立て・腹筋30回→◯

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→☓

◎部屋や家の掃除をする→◯

◎営業日誌を付ける→☓

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