【569号】ティーボ・ペイパル提携からわかるネット通販の課題とその解決法とは?

By craig1black

 

◎本日のニュース

1)見出し
TiVo and PayPal Team Up for Interactive Shopping
【出典】
http://goo.gl/Uzo4E

 

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2)要約
テレビ番組録画サービスのティーボ社は、
属性広告のショッピング機能に関するペイパルとの提携を発表した


この提携により、属性広告で買い物をした場合、
代金はペイパルアカウントに請求され、
ペイパルに登録された住所へ商品が配送されることになる。

録画したテレビ番組を見るのにCMをスキップする視聴者が増えているので、
視聴者にCMを見てもらうことが以前よりも難しくなっている。
ティーボは、この解決方法として、視聴者の属性に応じた広告を配信し、
広告効果を上げている。ペイパルとの提携で、
購入までよりスムーズに行えることになるので、広告効果はより高まる。

ティーボは、コスト上昇と契約者の減少により、
2009年下半期よりほとんどの期で赤字に転落していた。
そこで昨年、録画技術を使った新たなサービスを始めたことにより、
契約者が増加し、業績がV字回復している。一方、ペイパルは、
親会社イーベイの業績に大きく寄与し、
現在は大手小売店実店舗への決済端末導入を進めている。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
TiVo Inc. is joining with the PayPal payment service to
offer an on-the-spot way for television viewers to
buy products featured in interactive advertisements.

4)キーとなる英文の和訳
ティーボ社は、ペイパルの決済サービスとの提携を進めている。
その目的は、双方向広告で紹介された商品を視聴者がその場で
購入できるようにするためである。

5)気になる単語・表現
on-the-spot形容詞(研究・報告などが)現場の、現地の
feature他動詞(記事・人など)を特集する

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
記事では、ティーボ社(TiVo Inc.)の事業内容について
詳しく述べられていないので、ネットで調べると、
次のように紹介されていた。

~ここから引用~
TiVo(ティーボ、ティーボゥ)とは、内蔵のハードディスクに
テレビ放送を録画する家庭用ビデオレコーダの名前、
もしくはそれを開発した企業の名前である。
有料で番組表提供しユーザーの予約による録画の他、
ユーザーの好みそうな番組を自動的に学習して録画する。
~引用終わり~
※wikipediaより http://goo.gl/mPH8L

ティーボのサービス内容をまとめると次のようになるだろう。
◯テレビ番組を録画できる
◯録画履歴・評価により好みそうな番組を自動録画してくれる

録画して見る視聴スタイルになるので、
CMがスキップされやすくなる。そこで、
ティーボは新しいテレビ広告を開発することになる。

In today’s fragmented TV viewing world it is harder
than ever before for advertisers to reach their audiences,
and it’s important to find creative ways to get
in front of viewers.

という文章が、CMスキップを克服できる
新しいテレビ広告の必要性を訴えている。

ティーボのテレビ広告は、interactiveという特徴を持つ。意味は、
「相互作用を活用した、相互に影響し合う」や「対話方式の」であり、
文脈から考えると、次のような特徴となる。

録画された番組や視聴者の好みに応じた広告を掲載

詳しいことはわからないが、恐らく視聴者が録画番組を見る前や後に、
広告が掲載されるのだと思う。

これは、インターネットのターゲット広告とほぼ同じ。つまり、

ティーボ=録画されたテレビ番組がテレビで見れるインターネットメディア

と言うことができるだろう。(実際に、ティーボのサイトでは、
Webという文字も大きく掲載されている。)

このティーボ版ターゲット広告において、ペイパルと提携するのが
今回の記事。記事から推測すると、この提携は広告ではなく、
ティーボ内の通販コーナーで行われるようだ。
(現在では、アマゾン・ドット・コムを通じて販売する通販コーナーがある。)

ペイパルとの提携では、次のような機能が
ティーボの通販コーナーに追加される。

1.ペイパルで決済を行える
2.ペイパルアカウントに登録された住所へ配送される

これは、単に決済手段が増えたということではない。

クレジットカード番号や氏名・住所などを入力する手間が省ける

という大きな利点がある。

モールに属していない独立型の通販サイトで購入する際、
各々のサイトで氏名・住所などの個人情報と
クレジットカード情報を入力する必要がある。これが面倒で、
購入を諦める人も多いのではないか。逆に、
これらの情報がアカウントに紐付されているモール内通販サイトでは、
アカウントIDとパスワードを入力するだけで済む。この気軽さが、
楽天の好業績を支えているとも言えるだろう。

このように、ネット通販には、宅配してくれる利便性がある一方で、
個人情報やクレジット情報の入力など、

購入完了までのハードルが高い

というデメリットがある。商品と代金をレジに持っていけば購入が
完了する実店舗と比較すると、そのハードルの高さが実感できると思う。

ティーボのペイパルとの提携には、このハードルを低くする効果がある。
例えば、ティーボの通販コーナーでソニーの薄型テレビ・ブラビアが
気に入ったならば、ペイパルアカウントとパスワードを入力するだけで、
購入が完了する。(もちろん、ボタンを何度か押す必要があるが)後は、
自宅で宅配便を受け取るだけ。これがもし、氏名・住所・電話番号・
クレジットカード番号・クレジットカード期限をいちいち入力する
必要があるならば、欲しい気持ちが弱くなり、諦める可能性が
高くなるのではないか。ティーボから見れば、ペイパルアカウントと
紐付けすることにより、販売機会を獲得できることになる。

ティーボと同じように、購入完了までのハードルを低くする動きが、
ネット通販で起こってもおかしくない。そして、この動きが強まれば、
モール型通販サイトには大きな打撃になる。

Tivo(個人サービス) http://www.tivo.com/
Tivo(法人サービス) http://goo.gl/5yezC
Paypal https://www.paypal.com/

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《今回のヒントのまとめ》
1)ティーボはペイパルとの提携により、通販コーナーで買い物する時に、
決済はペイパルで行われ、ペイパルアカウントに登録された住所に
送られるようになる。

2)これは、購入完了までのハードルを低くすることである。

3)独立型のネット通販でも、個人情報やクレジット情報などを
入力しなければならないというハードルがあり、
実店舗やモール型サイトでの購入と比べて、
そのハードルは高いために、決済完了まで至らない場合がある。

4)ペイパル活用により販売機会を獲得できると考えれば、
この動きが、独立型ネット通販にも及ぶことは十分考えられる。

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7)おすすめ商品・サービス

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編集後記
ティーボでおもしろいのは、CMを早送り・巻き戻ししても、
画面の右上に広告主やブランドが表示されるという機能。
この機能があると、早送り・巻き戻ししても、
広告効果は期待できます。
ちなみに、ティーボが日本に上陸しないのは、
電子番組表の機能のあるレコーダーが普及しているからだとか。
著作権絡みの問題もあるのかもしれません。

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今日も長い記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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