イオン・西友がPBのワイン販売に力を入れる本当の理由とは？

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10月24日の日経新聞の朝刊に、ワインの記事が掲載されていました。

大手小売りが低価格ワインの販売を拡大する。イオンは１１月解禁の仏産の新酒「ボージョレ・ヌーボー」で同等品より３割安い初のプライベートブランド（ＰＢ＝自主企画）商品を発売。西友は親会社の米ウォルマート・ストアーズの調達力を生かし、一部のボージョレを前年より１～２割値下げする。ワインは４年連続で市場が拡大する成長分野。値ごろ感のある商品を投入し、需要を取り込む。（2012年10月24日日経新聞朝刊より）

イオン・西友は、今年のボジョレーヌーボーにおいて、PBに力を入れるようです。PBの特徴とと言えば、その価格の低さ。例えば、大手スーパー・コンビニのボジョレーヌーボーの価格は、以下のようになっています。

【全国規模のスーパー・コンビニにおける750mlボジョレーヌーボーの最低価格商品】

［イオン］PB　930円

［イトーヨーカドー］ジョルジュ・デュブッフ　2480円

［ダイエー］ジョルジュ・デュブッフ　1880円

［西友］フランソワ・フッシェ（準PB）　　780円

［セブンイレブン］ジョルジュ・デュブッフ　2480円

［ローソン］ル・キュヴィエ　980円

［ファミリマート］アルベール・ビショー　1780円

［サークルKサンクス］ジョルジュ・デュブッフ　1780円

面白いことに、PBで最低価格商品を提供しているのは、イオンと西友のみ。多くのチェーンは、ジョルジュ・デュブッフの商品を採用しています。ジョルジュ・デュブッフの認知度がそれだけ広がっている証拠でしょうか。

イオンは、ボジョレーヌーボーにとどまらず、普段でもPBのワイン販売に力を入れています。もちろん、トップバリュブランド。セブンアンドアイも、セブンプレミアムのワインを2009年から販売しています。イトーヨーカドー・セブンイレブンだけでなく、そごう（恐らく西武百貨店も）でも、売り場面積を広く取って販売しています。

大手スーパーがPBのワイン販売に力を入れる理由は、単純です。

ワイン消費量が増えているから

に他なりません。

酒類全体の需要が落ち込むなか、ワインの消費は堅調。１１年の果実酒（ワイン）の課税数量は１０年比９％増の約２９万キロリットルだった。値ごろ感のある商品が増え、自宅で飲む「家飲み」の需要が伸長し、１２年も２桁ペースの成長が見込まれている。（日経新聞朝刊より）

しかし、それだけではないと思います。実は、

【大手スーパーがPBワインの販売に力を入れる理由】

［1］トップブランドが存在せず、参入しやすいから。

［2］高単価・高利益率だから。

という理由からではないでしょうか。

ワインのトップブランドと聞かれて、困る人が多いと思います。それぐらい、ワインには有名なブランドがなく、多種多様なブランドが乱立しています。（あくまで国内ワイン市場にて。）だから、PBのワインを開発して、参入しやすくなります。それどころか、「トップバリュ」「セブンプレミアム」などの知名度高いPBブランドを付けることにより、販売しやすいかもしれません。そごうにて、広い売り場を取ってセブンプレミアムのワインを販売しているのは、セブンプレミアムというワインブランドを確立するためかもしれません。

また、他の食品と比べてワインは単価が高く、1商品あたりの販管費は低くなります。（単価に関わらず、レジを通すコストは同じため。）その結果、利益率は高まります。もちろん、PB化することで、さらに高い利益率になります。

激しい価格競争によって利益率の低下に悩む大手スーパーにとって、PBのワインを売ることは、大きなメリットがあるのです。

☆今日のまとめ☆

大手スーパーがPBワインの販売に力を入れるのは、トップブランドなく、その上、高単価・高利益率だからである。

☆What to EAT Yesterday☆

先日食べたのが、こちらのクッキー。