赤坂の居酒屋 By JanneM

※  「アメリカ経済事情」に関しては、サイト「ウォール・ストリート・ジャーナルから見た起業のヒント」にて更新しております。今後、ryotarotakao.comでは、メルマガには掲載しない内容を執筆する予定です。

 

遅ればせながら、最近『デフレの正体』を読みました。かなり面白い内容なのですが、冷静に考えてみると、いろいろ疑問が湧いてくるというのも、この書籍の特徴でしょう。(実際、各ブログやアマゾンレビューでは、『デフレの正体』の反証がなされています。これも実に面白い。)

 

ただ、食関連市場だけを考えてみると、人口動態からデフレを論じるのは、とても歯切れがいいのです。特に、生産年齢(15歳から6歳)の人は、所得・食欲とも旺盛(所得については旺盛とは言えませんが)なので、生産年齢人口の増減が食の需要量に影響し、供給量に比較的大きな変化がなければ、食の単価にも影響を及ぼすことになります。

 

そこで、ふと思いついたのが、

 

生産年齢人口の減少が、居酒屋市場の縮小につながるのではないか?

 

という仮説。生産年齢の方の多くは社会人で、その多くは仕事をしているわけです。居酒屋に行く一番多いパターンが、会社帰りの利用と考えれば、

 

生産年齢人口≒仕事をしている人の減少→会社帰りをする人の減少→居酒屋利用の減少

 

ということになります。

 

そこで、生産年齢人口と居酒屋市場規模の推移を調べてみました。ちなみに、財団法人食の安全・安心財団の附属機関である、外食産業総合調査研究センターが、外食産業の市場規模を測定しているのですが、その分別で「居酒屋・ビアホール等」とされており、この「居酒屋・ビアホール等」を居酒屋業界として考えます。

 

【生産年齢人口と居酒屋市場規模の比較】

◯生産年齢人口→1995年の8717万人をピークに、2011年の8134万人まで毎年減少。

◯居酒屋市場規模→1992年の1兆4629億円をピークに、2011年の9936億円まで毎年縮小。

※参考サイト 平成23年人口動態 日本の人口の推移 平成23年外食市場規模推計 流行りもの通信

 

このように、ピーク時期がほぼ同じで、それ以降の減少・縮小傾向も同じ。ピーク時期に時差が生じたのは、以下の要因ではないかと、推測します。

 

◯生産年齢人口の平均年齢が92年以降大きく上がり、平均年齢の上昇に応じて居酒屋での注文件数が減少したから。

◯92年以降、居酒屋の価格破壊が進み、客単価が下落したから。

◯92年以降、所得が下落するようになったから。

 

一方、引退した高齢者の外食機会は、一気に減ったのではないでしょうか。個人的なことでは、私のよく知る高齢の方は、ほとんど外食しません。ハレの時に外食するぐらいで、その時に居酒屋を利用することは、ほとんどありません。一方で、惣菜や加工食品を食べる機会が増えたように感じます。その理由は、高齢の夫婦二人なら、それほど量を食べないからです。調理して大量に料理ができるぐらいなら、少々お金を掛けても少量の惣菜の方が、経済的な場合もあります。加工食品を使えば、少しの量を手間なく作ることができます。従来ならば居酒屋を利用していた機会が、中食・内食に転換してことになります。

 

先細る居酒屋市場を述べましたが、もちろん市場を細分化すれば、スキマはあります。(例えば、立ち飲みなど。)ただ、会社帰りをターゲットにしたオーソドックスな居酒屋は、今後増々難しいことはわかるかと思います。

 

消費者の節約志向の強まりゆえに、外食産業は中食・内食産業との競争に晒されるようになりました。しかし、それ以上に、生産年齢人口の減少という大きな逆風があることは、とても重要な事実かと思います。

 

☆今日のまとめ☆

居酒屋の市場規模が縮小しているのは、消費者の節約志向の強まり以上に、生産年齢人口の減少の影響が大きいのではないか。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

『デフレの正体』を読めば、世の中を見る目が本当に変わります。

もちろん、そのロジックだけでデフレが解明されるわけではありませんが、それ以外の要因を考えると、いろいろ見えてくることがあります。

 

☆アニキ金本知憲の言葉☆

「だからこそ、シーズン中はもちろん、オフで遊びたいと思うときがあっても、私は我慢してトレーニングに取り組む。いわば自分で自分に罰を与えているというか、ハングリーな状況を意識的につくりだそうとしているのだ。」(『覚悟のすすめ』より)

※『覚悟のすすめ』は、自分に弱い気持ちが出てきた時に、大きな力を与えてくれる本です。努力して結果を残した金本だからこそ、その言葉には重みがあります。