阪急オアシス神戸旭通店分析、店内レイアウトをスーパーの定石と真逆にした理由とは?

阪急オアシス神戸旭通店

 

先日、三宮に新しくできた阪急オアシス神戸旭通店に行く機会がありました。実は、以前この周辺を歩いた時にも、阪急オアシスが進出することを発見したのですが、その時はまだオープン前。だから、店内を見ることができず、スーパーが新しくできるという認識しかありませんでした。そう、思いっきり忘れていました。そして、今回は少し時間があったという理由で店内に入ったのですが、そこにはすごい空間を発見したのです。いや、本当に驚きました。

 

一番の驚きは、スーパーの構造です。どこにどの商品を並べるか、というものです。阪急オアシス神戸旭通店は、スーパーの定石を覆していたのです。そこで、阪急オアシス神戸旭通店と従来のスーパーの構造を比較すると、次のようにまとめることができます。

 

【阪急オアシス神戸旭通店と従来型スーパーの構造比較】

[阪急オアシス神戸旭通店]入り口すぐに総菜売場

[従来型スーパー]店内奥に総菜売場

 

従来型スーパーは、入り口には野菜や果物を陳列し、精肉・鮮魚と続きます。その間に、加工食品の特売売場が並び、加工食品への興味を喚起します。さらに歩くと、パンや総菜売場が現れます。このような作りにするのは、店内滞在時間を最大化したいから。店内にできるだけ長い間いてくれれば、売上が伸びる可能性が高まるからです。かなり理にかなった構造だと言えるでしょう。

 

一方、阪急オアシス神戸旭通店は、入り口に野菜・果物売場とともに、パンが並んでいます。しかも、そのパンはナイロン袋に入ったパンではなく、自分でトレーに取る焼きたてタイプのパン。(「タイプ」としたのは、恐らく店内で焼いていないと思われるから。)そして、その隣には総菜が並んでいるのです。奥には、従来型スーパー同様に、精肉・鮮魚と続きます。

 

このような売場レイアウトを採用することで、阪急オアシス神戸旭通店には、店内滞在時間が短くなるというデメリットが生じるはず。実際、パン売場と総菜売場から簡単にレジに直行できます。このようなデメリットを負ってまで、このようなレイアウトにしたのは、

 

買い物時間を短縮することが消費者ニーズに合致する

 

と考えたからに違いありません。それだけ、消費者の時短ニーズが強いということです。

 

コンビニが野菜や低価格PB商品の販売し出してから、スーパーから顧客を奪ったと言われていますが、これもコンビニの方が買い物時間を短縮できるからでしょう。スーパーよりも近くにあり、来店してからも短時間で買い物を完了できるコンビニの方が、消費者にとって魅力だからです。この時短ニーズの高まりに、阪急オアシス神戸旭通店は対応したということになります。

 

阪急オアシス神戸旭通店には、他にも面白い仕掛けが沢山あったのですが、また別の機会に取り上げたいと思います。

 

☆今日のまとめ☆

阪急オアシス神戸旭通店は、コンビニを意識した構造をなっている。

その構造とは、入り口近くに総菜・パン売り場を配置することで、買い物時間を短縮することができる。

スーパーの定石とは真逆のことだが、それだけ消費者の時短ニーズが強いことを物語っている。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

ウェブ検索してみると、このようなブログを発見しました。

私が来店した時は、こちらの内容ほど試食は多くなかったですが、パンは試食していました。

試食がどの程度売上につながるかは不明ですが、集客した消費者をタダでは帰さないという執念を感じますね。

 

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