JR大阪三越伊勢丹のオープンを告知するポスターby courtesy of akaitori

JR大阪三越伊勢丹の業績が良くないことは、店舗に足を踏み入れると容易にわかります。阪急や大丸など他の百貨店と比べて、明らかに来店客数が少ないからです。特に、一昨年改装オープンした阪急うめだ本店と比べると、いかに空いているかがわかります。お客さんよりも店員の方が多いのではないか、と思う時もあるほど。それだけ、売上が芳しくないのです。その結果、売場の大幅縮小。

 西日本旅客鉄道(JR西日本)と三越伊勢丹ホールディングス(HD)は21日、共同運営する百貨店「JR大阪三越伊勢丹」 (大阪市)の売り場面積を半分以下に縮小する方針を固めた。専門店を導入して2015年初めに改装開業する。同店はJR大阪駅に直結、11年5月に売り場 面積5万平方メートルの大型店として開業したばかり。販売不振による営業赤字が続いており、異例の短期間での見直しとなる。(2014年1月21日付 日経新聞夕刊)

ルクアとの連携を強めることは、以前から報じられていました。しかし、売場が6割も縮小するとは驚き。百貨店業態だけでは、再生は無理だと判断されたのでしょう。さらに、衝撃を受けたのが、次の記事。

西日本旅客鉄道(JR西日本)と三越伊勢丹ホールディングス(HD)は21日、共同運営する百貨店「JR大阪三越伊勢丹」(大阪市)の売り場面積を5万平方メートルから6割減らすと発表した。店名変更も検討、「三越伊勢丹」の名称が残らない公算が大きい。2013年の全国百貨店売上高は下げ止まったが、大阪は11年以降相次いだ開業・増床で勝者なき消耗戦の様相を呈している。(2014年1月22日付 日経新聞朝刊)

単に売場を縮小するだけではなく、店名から「三越伊勢丹」が無くなる可能性もあるそうです。つまり、2011年に梅田に上陸した百貨店の新ブランドは、3年経たずに消滅するかもしれないのです。JR大阪駅の建て替えと一緒に上陸した関東系の百貨店。楽しみにしていた人は、私だけではないはず。それだけに、3年足らずで消えることは、それだけ梅田地区での百貨店競争は激しいことを物語っています。

そこで、JR大阪三越伊勢丹が消滅の危機に瀕した要因をまとめてみたいと思います。もちろん、売上低迷から抜け出せなかったことが要因なのですが、記事によると、売上低迷の要因として考えられるのは、以下の通り。

【JR大阪三越伊勢丹が売上低迷に陥った要因】

[1]売場が中途半端だったから

[2]立地が供給過剰の場所だったから

1について、日経の記事によると、売場面積が梅田地区の他の百貨店に比べて小さかったにも関わらず、満遍なく売場を配置したようです。高齢者に強い三越と若者・ファッションに強い伊勢丹を、考慮してのことだったのでしょうか。その結果、百貨店としてひと通りの売場はあるものの、中途半端になったようです。魅力的なブランド・商品がなければ、他の百貨店に消費者は向かいます。このように、顧客獲得に失敗し、売上が伸びなかったのです。

全国的には三越伊勢丹のブランド力は強く、強者かもしれません。しかし、梅田地区では、後発百貨店ブランドのため、弱者に他なりません。ならば、弱者の戦略(ランチェスター戦略)に則り、強みに特化しなければなりません。この法則に背いたから、強者の阪急や阪神・大丸との競争に敗れたのです。

思えば、紳士服売場も半フロアほどあるものの、阪急メンズ館や大丸に入っているような人気ブランドはありません。どちらかというと、昔懐かしいブランドが集まったような印象でした。これでは、グランフロント大阪ついでに来店した若者を惹き付けられません。かと言って、阪神百貨店のような、大阪のオバチャンが好きそうなブランドや販売手法もありません。この中途半端さが、JR大阪三越伊勢丹の低迷の要因なのです。(続く)

 

☆今日のまとめ☆

JR大阪三越伊勢丹が消滅の危機に瀕した要因は、「中途半端な売場」「供給過剰地区に立地」にある。

梅田地区で後発の弱者にも関わらず、ランチェスター戦略に反して、中途半端な売場になってしまった。

強みに特化した売場だったら、結果が違ったかもしれない。

 

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☆    今日のこぼれ話☆

紳士服売り場に足を踏み入れたのは、今年の1月。

そして、意外にいい物を置いていることを知りました。

存続を心から希望します。