すき家の牛すき鍋定食

吉野家の牛すき鍋膳の成功により、牛丼チェーンにすき焼き鍋定食が広がっているようです。

松屋フーズは運営する牛丼店「松屋」で、3月中にも「すき焼き鍋膳」を発売する。同様の鍋商品は吉野家ホールディングス(HD)の「吉野家」が先行し、ゼンショーホールディングスの「すき家」も追随して人気を集め、既存店売上高を伸ばしている。(2014年3月6日付 日経新聞朝刊)

吉野家の次に始めたのが、すき家。その結果、すき家の既存店売上が30ヶ月ぶりにプラスに転じました。30ヶ月と言えば2年半ぶり。すきやき鍋定食のパワーがすき家でも実証されれば、ライバルの松屋も導入しないわけにはいきません。しかも、松屋は他2チェーンとは異なり、既存店売上がなかなかプラスにならず、苦戦している最中なので、藁をも掴む思いで、「すきやき鍋膳」の提供を始めるのでしょう。

各社のすき焼き鍋定食を実際に食べたわけでもなく、本当に売れているのかもわからなかったので、神戸・元町の吉野家をある時観察していました。そこで見たのは、牛すき鍋膳を食べているシニア男性。服装からして、決して裕福には見えず、どちらかというと庶民的な感じです。あくまでこの一例しか知りませんが、牛丼チェーンのすき焼き鍋定食は、主にシニア男性が注文しているのかもしれません。

さらによく見ると、そのシニア男性は一人で来店しているようでした。牛丼チェーンだから、一人客はそう珍しいものではありません。一人で食事をする場面では、牛丼チェーンやその他ファストフードチェーンを利用する人は多いでしょう。ただ、すき焼き鍋定食というファミレスが提供するメニューを一人で食べられる飲食店は、そう多くありません。この需要を、すき焼き鍋定食がすくい取ったのではないでしょうか。

つまり、一人で定食を食べたいというニーズの高まりに、すき焼き鍋定食がマッチしたということ。定食をメインに提供しているのはファミレスですが、ファミレスに一人で入るのはなかなかできるものではありません。ファミレスが満たせなかった一人定食ニーズを、すき焼き鍋定食が満たしているのではないでしょうか。すき焼き鍋定食が一人ファミレス需要を取り込むことに成功したので、導入した吉野家やすき家は既存店売上をプラスに転換できたのだと思います。

しかも、一人ファミレス需要がシニア男性に多いとなれば、今後この需要の拡大が期待できます。そう考えれば、三大牛丼チェーンがすべてすき焼き鍋定食を導入しても、市場を食い合うというよりも、三社とも市場拡大の恩恵を受けられるかもしれません。

☆今日のまとめ☆

牛丼チェーンが提供するすき焼き鍋定食は、一人で定食を食べたいという一人ファミレス需要を取り込むのに成功したのではないか。

シニア男性に一人ファミレス需要が強いとすれば、この需要の拡大が期待でき、すき焼き鍋定食を導入する牛丼チェーンは、三社とも市場拡大の恩恵を受けられるかもしれない。

 

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☆  今日のこぼれ話☆

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