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先日、西宮阪急に行った時のことです。毎度のように地下食料品売場を視察したのですが、たまたまレトルトカレーの試食販売が行われていました。日時は平日午後5時少し前。夕方の混みあう時間の少し前だけあって、レジの待ち時間もほとんどありませんでした。ちなみに、週末の夕方の西宮阪急のレジは、どのレーンも行列が出来ており、買うのをためらうほど。

 

どちらかというと空いていた店内だけあって、試食をしている人もほとんどいません。私が立ち寄った時は、私だけ。試食販売するだけあって、一袋500円ほどするレトルトカレーです。レトルトカレー業界(?)の中では、単価の高い部類に入ります。レトルトカレーは温めるだけで食べられる商品なので、その味がその価値を左右します。試食販売に持ってこいの商材なのです。

 

私が立ち去った後、2組の女性が試食にやってきました。すると、10分足らずで3袋もカゴに入っているではないですか。500円もするレトルトカレーが売れた瞬間です。そこで、500円のレトルトカレーが売れた理由を、私なりに推測してみました。

 

【500円のレトルトカレーが売れる理由】

  • 詳しいメーカーの人が試食販売をしており、安心できるから
  • 2人暮らしの中年夫婦は、美味しいカレーを少しだけ食べたいから
  • 子供用として、安心できる原材料だったから
  • 外食のカレーと比較すれば500円は割安だから

 

美味しかったからという理由は、当たり前なので除外しました。1について、中年女性が、メーカーの販売と話をしながらカゴに入れていたことから、このように考えました。高い理由が納得できる販売員の説明があったのかもしれません。派遣の試食販売員(マネキン)ではなく、社長らしきメーカー従業員が試食販売をしていたから売れたのではないでしょうか。

 

2について、これはカゴに入れた中年女性に言えることですが、家族が二人しかおらず、しかもそう多くの量を食べない場合、カレーは手間の掛かり都合の悪いメニューとなります。作る手間は、二人前も四人前もほぼ同じ。さらに、大量に作った方が美味しくなります。かと言って、大量に作れば、何日も連続でカレーを食べなければなりません。少し食べたいニーズに、自家製カレーはマッチしないのです。ここにレトルトカレーの需要が起こります。ただし、美味しいレトルトカレーとなると、そうあるものではありません。美味しいと思ってかった高いレトルトカレーが、それほどでもないというリスクが生じます。そこで、試食がこのリスク低減に役立ちます。試食で味を確認したレトルトカレーは、カレーを少しだけ食べたい中年夫婦にとってとてもありがたい商品なのです。

 

3について、原材料をじっくり見たわけではないですが、一番多い原材料に野菜が記載されていました。また、他の原材料も、よくわからないカタカナの材料はほとんどなく、比較的知っている原材料が多かったと記憶しています。これが、小さな子どもを持つ若い母親に響くのではないでしょうか。つまり、子供には安心・安全なものを食べさせたいが、そう手の込んだ物を作る時間的余裕はない。このママのニーズに、原材料が安心できるレトルトカレーはマッチするのではないでしょうか。ちなみに、商品をカゴに入れたママは、子供にも試食させて、味を確認していました。

 

4について、500円という価格はレトルトカレーにしては高いですが、外食のカレーと比べれば割安です。確かに、牛丼店などのカレーと比べると高いかもしれません。しかし、中年女性や子供連れの若い女性は、牛丼店をまず利用しません。彼らにとって比較対象になるのは、ロイヤルホストのようなファミレスやカレー専門店なのです。そこで、試食したレトルトカレーと同様のカレーを食べようとすれば、一皿800円~1000円はするでしょう。この価格と比較すれば、500円は割安なのです。

 

今回、売れる瞬間を目の当たりにして、美味しさだけでは売れないことを実感しました。詳しい専門家による解説と安心・安全の担保、簡便性、割安さがあったからこそ、売れたのです。

 

☆今日のまとめ☆

500円のレトルトカレーが売れたのは、詳しい専門家による解説、安全・安心の担保、簡便性、割安さがあったからこそ。

美味しいだけで売れるわけではない。

 

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  • 今日のこぼれ話☆

売れる要素を因数分解すると、面白いですね。