500円レトルトカレーから考えた、試食販売における重要なこと
前回取り上げた500円レトルトカレーの一件で、試食販売を成功に導く条件がぼんやりと浮かんできました。
一番の条件は、ターゲットです。何を当たり前のこと、と言うなかれ。ターゲットが重要なのは明らかですが、試食販売をする場合、
リピーターになりやすい人をターゲットにする
ことが重要なのです。というのは、試食販売だけの損益を考えると、その人件費や店舗に支払う販促費等で、利益はほとんど出ないでしょう。利益を取るのは、試食販売後に無人でいくら販売するかに掛かっているのです。そのため、試食販売に要求されるのは、いかにリピーターになりうる人に食べてもらい買ってもらうか、といことになります。売れるに越したことはないですが、浮気しやすい人に買ってもらうよりも、リピーターになる確率の高い人に買ってもらわなくとも食べてもらうことが、重要なのです。なんせ、試食販売後の販売が重要ですから。
では、どんな人がリピーターになりやすいのか。それは、
価格ではなく品質やブランドで商品を選ぶ人
ではないでしょうか。価格で選ぶ人の場合、競合品の価格が下がれば、他に浮気する確率は高くなります。浮気されないためには、常に競合よりも値段を安くしなければならず、メーカーの収益を圧迫することになります。一方、品質で選ぶ人の場合、競合が味で上回ると証明できない限り、自社商品を購入する確率は高まります。つまり、リピートが起きやすいのです。さらに、ブランドで選ぶ人の場合、一度そのブランドの商品を気に入ってもらえれば、同じブランドで横展開した商品も購入してもらえることでしょう。つまり、リピートだけではなく、売上増にもつながるのです。この層をターゲットにして試食販売をすれば、試食販売後の売上増が見込め、試食販売の投資を回収できることになります。
このように考えれば、
美味しい物を少しだけ楽に食べたい中年女性
子供に安全・安心な料理を手軽に提供したい母親
は、リピーターになる確率の高いうってつけのターゲットなのです。神戸GGカレー倶楽部さん・西宮阪急さんには、恐れいりました。
☆今日のまとめ☆
単体では利益のでない試食販売は、試食販売後の売上で利益を出す必要がある。
そのためには、リピーターになりやすい、品質・ブランドで商品を選ぶ消費者をターゲットにする必要があるのではないか。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
ブログを色々調べると、神戸GGカレー倶楽部の商品は、相当美味しいみたいですね。
あの時試食しなかった私が悔やまれます。