フリーペーパー「みちくさ」が有料会員に提供する面白い価値とは?
前回に引き続き、フリーペーパー「みちくさ」の面白い点を取り上げたいと思います。日経朝刊に折り込まれていた冊子は、
編集長の記事
南九州の産物の通販広告
地図
旅行スポット(ホテル・レストランなど)の広告
から成り立っています。通販広告は、「みちくさ」オリジナルのもので、フリーペーパーを単に配るだけではなく、フリーペーパーを通じて通販事業も行っているようです。産直の商品もあるものの、多くは混載が可能。つまり、楽天のような通販プラットフォームの提供のみならず、自社で受注・決済・発送まで行っているのです。ただし、送料が別で、しかも500円以上掛かるので、通販事業でどれほどの売上があるかは不明です。
ホテル・レストランの広告掲載は、ホットペッパーの旅版と言えるでしょうか。受注を受けるのは、「みちくさ」ではなく各事業会社なので、収入は広告収入のみと思われます。
これら以上に興味を引いたのは、またしても有料会員制度「みちくさ倶楽部。」前回、会費分以上の還元があると書きましたが、その還元方法が、実に面白いのです。その還元方法とは、
カテゴリーは選べるものの、何が送られるかは届くまでわからない
というものです。日経に折り込まれていた特別号の最後に、「みちくさ倶楽部」申込書が付いているのですが、入会希望者はそこのカテゴリー選択の欄から一つ選ぶことになります。
この還元制度を「ひみつの玉手箱」と呼ぶそうです。会員は、毎月フリーペーパーの「みちくさ」が送られるだけではなく、一年に一度「ひみつの玉手箱」も受け取ることになります。中身がわからないというのが、この制度の大きな特徴です。中身がわからないというのは不安ではありますが、逆に楽しみでもあります。恐らく、到着日も事前には知らされないのでしょう。「みちくさ倶楽部」会員になれば、何がいつ届くかわからないサプライズも楽しめるのです。
多くのものがデジタル化され、自分の好みまでビッグデータで解析されることは、便利とも言えますが、予定変調的でつまらないとも言えるでしょう。その中で、「みちくさ」が提供するサプライズは、その価値を増しているのではないでしょうか。
☆今日のまとめ☆
「みちくさ」は、有料会員に「ひみつの玉手箱」というサプライズを提供している。
利便性競争が激しくなるなか、逆にサプライズの価値は高まっているのではないか。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
「みちくさ」のサイトを見ると、イベントカレンダーがあるのですが、11月以降3ヶ月間イベントが全くありません。
フリーペーパーを見ると、2月まで結構ぎっしり詰まっているので、きっと更新していないのでしょう。
小さなミスかもしれませんが、情報を売り物にするならば、情報のアップデートがされていないのは、致命傷になりかねません。