六甲アイランド・北海道スイーツフェアという不思議なビジネス

hokkaido sweets fair

 

とても興味深いイベントの折り込みチラシを見つけました。その名は、「北海道スイーツフェア。」ありがちな物産展なのですが、チラシをじっくり見ると、突っ込みどころ満載なのです。また、このイベントには学べる点もあります。

 

【六甲アイランド・北海道スイーツフェアの学べる点】

  1. 郵便局特設会場で実施することにより、信用を得られやすい
  2. 商圏内(六甲アイランド)にケーキ店が殆ど無く、競争が緩く売れやすい
  3. 期間限定・数量限定のため集客・購入意欲を高めやすい

【問題点】

  1. 「行列のできるケーキ屋さん」と表示されているが、店名・住所がない
  2. 「小本シェフ」とあるが、経歴などが全く不明
  3. 販売商品に付けられたのは一般名称のみで、ブランド名がない
  4. 「ケーキ工場直売フェア」とあるが、「行列のできるケーキ屋さん」と矛盾する
  5. 「特別価格」「お試し価格」とあるが、どれほどの割引率・割引額なのかがわからない

 

1について、郵便局という信頼度の高い場所を選んだことは、本当にうまいと思います。特に、主催者に知名度がない場合は、信用の置ける場所で行うことで、その弱点を補うことができます。故・金子哲雄さんが、サイトドメインに「marunouchi」を採用したやり方と同じですね。

 

2について、競争環境も絶好の立地と言えます。六甲アイランドには、所謂ケーキ屋さんはゼロで、チョコレートケーキ店が一店あるだけ。(私の知っている限り)このイベントで売るチーズケーキやロールケーキを食べたいならば、島から出るかスーパーで買うしかありません。ほぼ競争がない立地なので、売れないリスクはほぼゼロと言ってもいいかもしれません。

 

3について、これはイベントでのオーソドックスな販売手法ですね。「限定」を付けることで、購入意欲を掻き立てることができます。特に、この北海道スイーツフェアでは、販売時間を14時~15時半の1時間半という超短時間に設定。販売者側に時間がないという事情があるのかもしれないですが、この超短時間の設定が逆に購入意欲を高めるかもしれません。

 

次は課題。4・5・6は、イベント主催者の経験値が低いのでしょうか、イベントではありえないこと。特に、この手の食関連イベントでは、ブランドを冠しないとそう売れるものではありません。だからでしょうか、価格も低め。ある意味、もったいない価格設定です。

 

7は、意味不明です。推測できるとすれば、裏面で表示されていたので、表面の商品と裏面商品とでは、製造場所が異なるのかもしれません。ならば、そう明記しないと、このチラシを見た人は不信感を抱くのではないでしょうか。

 

8も、不信感を抱かせる恐れがあります。本当は特別価格なのではなく通常価格なのでは、と。このあたり、もし表示に誤りがあれば、法律違反になる恐れもあるのではないでしょうか。(あくまで推測)

 

私が推測するに、主催者とは別に協賛者(北海道スイーツ(合))とあるので、工場で製造した量販店用の商品を販売しているのではないでしょうか。もしかしたら、一部は過剰生産品(所謂不良在庫)かもしれません。

 

北海道スイーツ合同会社」で検索してみると、びっくり。何と、同様のイベントが各地で実施されているのですが、北海道スイーツ合同会社という会社がダミーっぽいのです。さらに、チラシでの宣伝文句と商品の原材料表示に矛盾点もあるとの指摘がありました。これは、量販店用の工場で作った商品を業者が安く仕入れて、イベント販売しているに違いありません。

 

いずれにしても、イベントは需要を喚起する力があります。終わったばかりのバレンタイン商戦は、その最たるもの。多種多様な商品(特にプレミアム商品)を集積し、イベントを行えば、単品だけを売るよりもずっと売れるのです。この北海道スイーツフェアも、このイベントの需要喚起効果を狙ったものなのでしょう。逆に言えば、どんなに品質の高い商品でも、単に棚に置いているだけではなかなか売れないということですね。それにしても、怪しい。

 

☆今日のまとめ☆

とても怪しい北海道スイーツフェアだが、郵便局という信用が得られやすい立地・競争の緩い立地を選び、一時間半という超限定時間と限定数量にして購入意欲を掻き立てたのは、学べる点。

バレンタイン商戦など、イベントには需要を喚起させる効果が期待できる。

 

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  • 今日のこぼれ話☆

この記事を執筆したのは前日の17日。

怪しいイベントなので、是非視察してみたい。

ダンボールなど見れば、どんなルートで仕入れたのかわかるかも。

 

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