値上げしたまきのの行列から考えた、本当の競合とは?

new menu price at tempura makino

 

天ぷら・まきのさん、本当にごめんなさい。大幅値上げにより、集客が大きく減ると予想していましたが、その予想は大きく外れました。何度かディナー時(夜7時~8時頃)に三ノ宮センタープラザの店舗前を通りましたが、いずれも行列ができていました。この行列を見る限り、まきのの値上げは成功したようです。

 

ただし、どう考えても合点がいかない。690円から830円に2割以上値上げしたのですよ。これだけの大幅値上げを消費者が受け入れることに、疑問を感じざるを得ません。吉野家でさえ、牛丼並盛りを290円から380円に戻しただけで、客数の大幅減少を避けられておりません。もしかしたら、まきのも客数が大きく減っているかもしれませんが、毎度行列を見る限り、830円でもお得と感じてしまうのですよ。行列が人を呼ぶ効果も、もちろん機能しているでしょう。

 

そこで、あらためてまきのの大幅値上げが成功した要因を考えてみたのですが、一つ思い当たりました。それは、

 

大幅値上げ後でも、競合よりも単価が安いから

 

ではないでしょうか。ただし、競合店は、定食店や牛丼店ではありません。まきのの本当の競合店は、

 

うどん・そばの飲食店

 

だと思うのです。そう思ったのは、阪神三宮駅からミント神戸の伸びる地下道を歩いていた時です。その通りには、うどん・そばの飲食店が比較的多く立地しています。よく共存できると感心するぐらい、複数立地しています。もちろんメインメニューは、うどんとそば。ただし、どのお店にも共通している料理が他にあります。それが、天ぷらなのです。

 

うどん・そばの飲食店で天ぷらを食べようと思えば、普通は天ぷらうどん定食や天ぷらそば定食を頼むことになります。天ぷら定食があっても、大抵は小ぶりのうどんかそばが付いています。そのメニュー価格は、概して1000円~1500円。天ぷらを食べたいと思ったら、少なくとも1000円する麺類が付いた定食を注文するしかなかったのです。そこに、800円台で天ぷらが食べられるとならば、お得感があります。麺類が付いていないものの、ご飯と味噌汁・漬物はお替わり自由だから、さらにお得感は増します。つまり、うどん・そばの飲食店と比較した場合、まきのは、コストパフォーマンスが相当高いのです。

 

また、お替わり自由に着目すれば、

 

ご飯・キャベツがお替わり自由のとんかつ専門店

 

も競合になるかもしれません。お替わり自由の業態は、ガッツリ食べたい時の選択肢として上がることが多いです。お替わり自由のとんかつ専門店で食べようと思えば、900円~2000円近く必要です。900円台なら、とんかつではなくメンチカツかチキンカツになるでしょうか。これと比較しても、まきのの方が安いのです。しかも、とんかつよりも高級なイメージがある天ぷら。とんかつ専門店と比較した場合でも、まきののコスパの高さは実感されるでしょう。

 

今後の注目点は、値上げに成功したまきのが店舗網を急速に広げるかどうか。広げられれば、まきのの成功の方程式が完成したことになります。天ぷらというシンプルなメニューだけに、食材のコストアップがモロに影響するので、かなりハードルは高いように思えますが…

 

☆今日のまとめ☆

大幅値上げのまきのに依然行列ができていたのは、競合するうどん・そば飲食店やとんかつ専門店よりもメニュー単価が低いからではないか。

 

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