5月既存店売上高も絶好調のユニクロは、アベノミクスのお陰?
ユニクロの快進撃は止まりません。
ファーストリテイリングが2日発表したカジュアル衣料品店「ユニクロ」の5月の国内既存店売上高は前年同月比12・3%増だった。増加は2カ月連続。比較的気温の高い日が多く、着心地の良さを掲げる機能性肌着「エアリズム」などの夏物衣料の販売が伸びた。(2015年6月3日付 日経MJ)
前年が増税後の反動で消費が落ちたのだから、今年プラスなのは当然と言えば当然。とは言え、5月既存店売上の内容を見れば、ユニクロの凄さがわかります。既存店売上高がプラスの場合、よくあるのが、
客単価→大幅プラス
客数→小幅マイナス
で、客数の減少を値上げで補ったパターン。5月のユニクロは、これではありません。
【ユニクロ5月既存店売上高の内訳】
客単価→9.3%増
客数→2.8%増
既存店売上金額→12.3%増
商品値上げ主導なのは同じですが、客数もプラス。人口減少を物ともしない販売力なのです。
ちなみに、客単価の増加は、値上げもありますが、今年導入したエアリズムパーカーなど高付加価値・高単価商品の売れ行きがいいことが、一番の要因とか。単純値上げだけなら、こうも売上を伸ばしていないかもしれません。
客数が伸びた点については、次のようなに推測できます。
【ユニクロの客数が伸びた理由】
- GMSで購入していたシニア層の来店が増えたから
- SCにテナントで入るアパレル店で購入していた非シニア層の来店が増えたから
1のように考えるのは、実際にユニクロの店舗を見て、明らかにシニア層が多くなったから。これまで「ユニクロなんて」と敬遠していた世代が、ユニクロのユーザーになりつつあると感じます。GMSよりも明るく接客サービスのいいユニクロが支持されたのでしょうか。それとも、年金生活になって、節約のためにユニクロを利用するようになったのでしょうか。従来のメインユーザーではないシニア層の獲得は、ユニクロの客数増に大きく寄与しているのは、間違いないでしょう。
2について、ワールドの大量店舗閉鎖・不採算ブランド廃止は、ユニクロが影響しているのかもしれません。そのように思うのは、ユニクロのチラシから、どちらかというとレディースを重視していることがわかるからです。チラシの表面は、ほぼレディース商品。一番目立つ商品も、レディースです。そして、ワールドなどSCにテナントで入るアパレルショップの多くは、レディース。これまでなら、ファッション性で劣っていたユニクロの商品ですが、今はどっこい有名タレントの起用やファッション雑誌とコラボにより、かなりオシャレになりました。そう言えば、有名デザイナー・有名ブランドとのコラボもありましたね。その結果、一部商品は、売り切れが発生することも。従来SCのアパレルショップで購入していた層が、ファッション性が高まったユニクロにシフトしているのではないでしょうか。ユニクロは、レディース重視・ファッション性の高まりにより、SCアパレルブランドユーザーを獲得している可能性は高いと言えます。
このように見ますと、ユニクロの好調な既存店売上は、アベノミクスによる景況感の向上とはあまり関係ないのかもしれません。GMSやSCアパレルブランドよりも、コスパが高いことが一番の要因ではあり、それが客数増につながったのでしょう。
☆今日のまとめ☆
ユニクロの好調な既存店売上は、アベノミクスによる景況感の向上というよりは、GMSやSCアパレルブランドから顧客を奪っていることが一番の要因ではないか。
WSJを読むには、基本的な英単語を知っていなければなりません
- 今日のこぼれ話☆
久しぶりの更新となりました。
もっと書きたいのですが、最近タイピングが非常に遅くなったせいもあり、少し億劫になっています。
いけない傾向です。