ジョッキ生の吉野家牛丼おごるぜ!キャンペーンの利点と欠点とは?

先日、神戸ハーバーランドのイズミヤで見つけたのが、こちら。

 

サントリー・ジョッキ生の吉野家牛丼おごるぜ!キャンペーン

 

サントリーの第三のビール・ジョッキ生の消費者キャンペーン応募はがきです。この手のキャンペーンの場合、商品を購入した消費者は、商品に付いているシールかバーコードをこのはがきに貼って、ポストに投函します。ほとんどの場合、送料(切手代)は応募者負担。商品を買って、応募はがき(官製はがきでもいい場合が多い)にシールかバーコード、そして切手を貼って、ポストに投函して、応募が完了します。

 

応募後は、商品が送られてくればキャンペーンに当選したことになり、送られなければはずれたことになります。たいていの場合は、応募した事自体忘れてしまい、思わぬ小包が届けば当たったことになります。

 

ただ、このジョッキ生の企画では、商品に付いているシールを剥がして当たりが出れば、そのシールは吉野家の商品券に化けることになります。この化けるという点が、消費者キャンペーンのハードルをクリアしてくれるのです。

 

つまり、この企画では、

  1. 応募はがきにシールかバーコードを貼る
  2. 切手を買って貼る
  3. 応募はがき(または官製はがき)に名前・住所・電話番号などの個人情報を書く
  4. ポストに投函する

という応募にまつわるハードルがありません。当たりシールを全国の吉野家に持っていけば、景品(牛丼並盛か大盛)を手に入れることができます。消費者にとっては、当たるかどうかわからないのにお金と時間を使ってわざわざ応募する必要のにない、魅力の高い消費者キャンペーンになります。

 

さらに、

◎その場で当たりかハズレかがわかる

という特徴も、見逃すことはできません。それは、ジョッキ生を買えば、第三のビールを飲むことで得られるベネフィットとは別に、くじ引きができるベネフィットを与えてくれるからです。これは、利益は早く確定したいという消費者心理にもプラスに働きます。

 

このように、サントリーのこの企画は、顧客満足度を高める秀逸なキャンペーンなのですが、問題点も存在します。それは、

◎顧客の個人情報を獲得できない

という点。企業にとってはこの欠点は見逃せないでしょう。

 

通常、消費者キャンペーンには、懸賞を行うことにより需要を喚起する機能と、顧客の個人情報を獲得するという機能があります。個人情報というよりは、顧客属性という方がより適切かもしれません。どのような属性(性別、住んでいる場所、年齢など)の消費者が商品を買ってくれたのかを知ることにより、その商品の真の顧客を知ることができます。真の顧客としたのは、企業が商品開発時に設定したターゲットと異なる場合はたまにあるからです。真の顧客を知ることにより、商品リニューアル時に、この顧客が持つであろうニーズや不満点を解決する機能加えれば、より顧客が求める商品に生まれ変わらせることができます。その結果、売上が拡大します。

 

サントリーは、当落がその場でわかり、全国の吉野家で景品を変えられるという付加価値をこのキャンペーンに付けることによって、消費者キャンペーンの後者の機能を捨てたことになります。顧客情報を知るよりも、キャンペーンの魅力を高めて、その時の売上を稼ぐことを第一優先にしたのかもしれません。

 

ちなみに、この手のキャンペーンにはよく応募するのですが、応募した結果、メーカーからDM(メールを含む)が届いたことはほとんどありません。応募した顧客は、わざわざ応募のハードルをクリアした消費者なので、キャンペーン内容によっぽど魅力を感じたか、ロイヤリティの高いユーザーでしょう。キャンペーンで得た顧客情報を使って、新商品やキャンペーンの告知をすれば、ユーザーとのつながりがより強くなり、ロイヤリティがさらに高まるように思います。(個人情報取扱いの問題がありますが、キャンペーン告知ポスターや応募はがきに、商品やキャンペーンの情報を送ることに同意を得れば、この問題も解決します。)キャンペーンを行うこと自体に大きなコストがかかる(応募はがきの作成・設置、キャンペーンの告知など。)ので、中小企業にはなかなか手を出せない販促・コミュニケーション手段ですが、ウェブを活用することでコストを下げられるのではないか、と日々考えています。

 

☆今日のまとめ☆

サントリーのジョッキ生の吉野家牛丼キャンペーンの特徴は、商品に貼ってあるシールを剥がせばその場で当たりかはずれかがわかることと、当たりならばそのシールが吉野家の商品券に化けることである。

これにより、一般的な消費者キャンペーン応募のハードルを無くすことに成功した。

ただし、一方で、顧客情報を得られないという欠点があり、これはサントリーの顧客コミュニケーション・商品開発にマイナスである。

 

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☆今日のこぼれ話☆

消費者キャンペーンの応募はがきは、スーパーのサッカー台(精算後に商品を袋に詰める場所)や目立たない場所にまとめて置かれている場合が多い。

ただ、このはがきを取っている人を見たことはほとんどありません。

廃棄する量は半端無く多いのではないでしょうか。

わかる方がおられましたら、教えてください。

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→☓

◎毎日情報を発信する→☓

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓

◎腕立て・腹筋30回→〇

◎自宅のある12階まで歩いて登る→☓

 

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