【492号】なぜ、ジュースのパッケージに果物が多く載せられるのか?

写真いっぱいのオレンジジュースパッケージ(from flickr

 

◎本日のニュース

1)見出し
Selling Illusions of Cleanliness

【出典】
http://goo.gl/uN1xV

2)要約
多くのマーケターは、幻想の力を使ってモノを販売する。
その幻想は、心理的なトリックや、
消費者の恐怖・夢・願望を通じて、作られる。

特に、清潔さや新鮮さの幻想は、
消費者を商品の購入へと導くことができる。
このトリックを見付けられる一番の場所は、
自然食品や有機生鮮品の販売で有名なホールフーズ。
例えば、価格がチョークで書かかれた黒板は、
ヨーロッパの野外市場風であるため、
農家がその野菜や花をお店に持ち込んだと思わせる。
それが、消費者に新鮮さを想起させ、購買の決定打となる。

その他、フルーツの香りがその清潔さを強く訴えたり、
泡のキメ細かさがシャンプーの効用を想起させたり、
昔ながらの漁師用ボートや白髪混じりの漁師の姿が魚を
より新鮮に感じさせてくれる。

◎キーセンテンスとその翻訳
3)キーとなる英文
The illusion of cleanliness or freshness is a particularly
powerful persuader-and marketers know it.

4)キーとなる英文の和訳
清潔さや新鮮さの幻想は、特に強い説得力となる。
そして、マーケターはそれを知っている。

5)気になる単語・表現
persuader       名詞      説得する人(物);おどしに使うもの(ピストル)

◎記事から読み取った今日のヒント
6)ビジネスのヒント
この記事の趣旨は、マーケターの利用するトリックが、
消費者に幻想を抱かせ、

その結果モノの購買につながるというもの。
記事が紹介する事例は、以下の通り。
1.自然食品や有機野菜の巨大スーパーチェーン・ホールフーズ(Whole Foods)で
見られる黒板にチョークで書かれた価格表示。
この黒板・チョークの組み合わせは、ヨーロッパの直売市場で見られる光景なので、
地元の農家が店舗に花や野菜をトラックで納品しているかのように思わせる。
それが、新鮮である幻想を抱かせる。
実際は、本部がまとめて調達し、
店舗従業員が黒板にチョークで書いている。
2.氷の上に置かれたり、近くに水滴の付いたジュースが置かれたりすると、
トルティーヤやホットドッグ・ピクルスは、より新鮮で安全なものと思われる。
3.野菜に少し水滴が付けられると、その野菜はより新鮮に思われる。
4.果物は、純粋で新鮮さの象徴であるために、
ジュースのパッケージに多くの果物が描かれる。
5.バナナは、その色がパントーン(Pantone)12-0752の方が、
13-0858よりもよく売れる。それは、前者の方が、より温かみがあり、
より熟れていて、より新鮮に見えるからである。
6.果物の香りは、健康・新鮮さ・清潔さを想起させる。
そのため、シャンプーやペットボトル入りの水などに使われる。
7.シャンプーでは、きめ細かい泡がその新鮮さや清潔さを想起させる。
きめ細かい泡を見せて、消費者はそのシャンプーを購入したことに納得し、
そのブランドへのロイヤリティーを高める。
8.漁港のレストランでは、釣った魚をわざわざ昔ながらの漁師用のボートに移し、
白髪混じりの漁師に、その魚をお店に納品してもらう。
ボートや漁師の姿が、釣った魚をより新鮮に思わせ、
来店客に注文させる。これらの事例に共通することは、
モノに演出を加えることで、モノの良さをより強調し、
それが消費者の購入につながる。
ということである。ここには、価格という判断基準が登場しない。
演出によって、価格という要素がより弱まり、
品質という要素が強くなっている。

もちろん、そもそもモノは消費者が納得できる良さを
持ちあわせていなければならない。
しかし、良さがあっても、その良さが伝わらなければ、
モノに気づいてもらえないし、手に取ってもらえないし、
買ってもらえない。これを補うのが、幻想を抱かせる演出である。

幻想というと、少しいかがわしく思われるかもしれないが、
それはウソではない。
ウソであれば、その演出をした主体が信頼を失うからである。
例えば、新鮮でない野菜を新鮮に見せるために水滴を付けたとしても、
それが新鮮でなく、買った消費者が騙されたと思えば、
その演出は成功したとは言えない。
いやいや、今後、その消費者に来店してもらえないかもしれないので、
大失敗、大失態になるだろう。
だから、その演出は、幻想を抱かせるというよりも、
モノの良さを消費者に伝えてくれる表現である。

モノの良さを伝える演出が特に効果を発揮するのは、
モノ同士の違いがさほど大きくない場合。
または、違いがわかりにくい場合だろう。
これらの場合で、もし演出がなければ、
消費者はモノを選ぶことに苦労し、
数字という明確な違いを表す価格に頼ることになる。
これが価格競争を引き起こす。このように考えると、
モノの良さを伝える演出は、価格競争を回避してくれる。
モノ余りで価格競争が起きやすい今、商品開発の際には、
モノだけでなくその演出も開発する必要があるように思える。
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《今回のヒントのまとめ》

1)マーケターは、トリックを使うことによって、
消費者に幻想を抱かせ、商品の購入に導く。

2)そのトリックとは、モノに演出を加えることである。
演出によって、そのモノの良さ(新鮮さや清潔さなど)を
消費者に伝えることができる。

3)演出が特に威力を発揮するのは、
モノの違いがそれほど大きくない場合や違いがわかりにくい場合。
これらの場合で演出がなければ、消費者はよりわかりやすい価格で
モノを選ぶことになる。このように価格競争が起こる。

4)モノ余りで価格競争が起こりやすい今、商品開発時には、
モノだけでなくその演出方法も開発する必要があるようだ。

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7)おすすめ商品・サービス

◎Winecarte 簡単ワインの選び方
一番新しい記事は、

ワイン専門家が高いワインを買わなくなった理由とは?
http://wine.ryotarotakao.com/archives/1309
です。

最近、ワインを勉強しています。
それをアウトプットする意味でも、
ワインのサイトを始めました。
焦らず少しずつ作成する予定です。
最近更新できていません。
それは、ワインを飲んでいないからです。
少なくとも9/17までは。
http://wine.ryotarotakao.com/

編集後記
こんばんは、高尾です。
9/18は、神戸ベイシェラトンのワインの休日に参加しました。
いわゆる、ワイン会です。
ワインは40種類ほど飲めて、食事も充実しています。
結局、20種類ほど飲んだのですが、結構酔いましたねぇ。
その後、シェラトン前で行われているオクトーバーフェスタin兵庫に、
ぷらっといったものの、ビールを飲む気にはなれず、そのまま帰りました。
同じ日でなければ、オクトーバーフェスタにも参加できたのになぁ。
来年は、オクトーバーフェスタに参加したいと思います。

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