お宿情報誌ゆこゆこ、依然感じる紙媒体の優位性。

お宿情報誌ゆこゆこ

 

先日の朝刊に、

お宿情報誌ゆこゆこ

という旅行無料雑誌の折込チラシがありました。ぱっと見ると、通信販版の広告に見えます。普通の人(私のような広告に興味を持っている人以外)なら、通販チラシとして捨ててしまうかもしれません。しかし、このチラシは通販チラシではなく、無料雑誌のチラシなのです。

 

このチラシによってゆこゆこが期待する消費者のアクションプロセスは、

お宿情報誌ゆこゆこを申し込む→ゆこゆこを見る→電話で宿泊プランを申し込む(購入する)

になります。通販チラシならば、

チラシを見て通販商品を申し込む(購入する)

で終わるので、ゆこゆこの場合は購入までのハードルが3倍。とても効率の良い商売には思えません。

 

ただ、視点を「情報誌」に当てると、また違った特徴が見えてきます。恐らく、ゆこゆこは、

ネットを普段利用しない高齢者が、ソファーに座ってパラパラ見るシーンを想定

して作ったのではないでしょうか。ゆこゆこを見る目的は、特にありません。なんとなく見るのです。特に見たい番組がないけど、テレビを付けると同じ感覚です。この

「なんとなく」見ることによって、「なんとなく」旅行したい気分になってもらおう

というのが、狙いではないでしょうか。思えば、これまで旅に関する雑誌はいくつかありましたあります。すぐに思いつくのは、エイビーロード(AB-ROAD)。そして、じゃらん。エイビーロードは、もう廃刊になったと思いきや、まだ発行しているようです。しかし、どれも若者向け。高齢者が好むような、美味しい食事と温泉が楽しめる宿の情報は少ないようです。また、雑誌の場合は、わざわざお金を出して購入しなければなりません。お金だけでなく、本屋に行って買うという手間も負担になります。本屋に行って内容を調べる手間も、馬鹿になりません。

 

一方、お宿情報誌ゆこゆこの場合は、無料で自宅まで配送してもらえます。本体・送料とも無料です。さらに、2ヶ月に一度勝手に送ってくれます。こちらからすることは、この折込チラシを見て、専用ハガキを出すだけ。手間がほとんど掛かりません。

 

ネットを使える高齢者なら、楽天トラベルや一級などのネットサービスを利用するという方法もあります。ただ、ネットを利用するには、その前に「旅行に行きたい」「旅行に行こうかな」という願望が必要になります。この願望が無ければ、ネットで調べる行動は起こらないので、願望を引き出す仕組みが必要になります。その仕組みとして、メールマガジンやDMメールがあるのですが、様々なネットサービスから日々メールを受け取っていると、一つ一つに目を通すのが面倒になります。よって、メールを開けようという強い動機が無ければ、未開封または削除されることになります。

 

有料雑誌・無料雑誌・ネットサービスの違いをまとめてみると、

有料雑誌(エイビーロードやじゃらん):お金が必要、本屋に行く手間が必要、本屋で内容を調べることが必要

無料雑誌(お宿情報誌ゆこゆこ):お金は不要、最初に専用ハガキを出すだけ、定期的に宅配

ネットサービス(楽天トラベルや一休):お金は不要、旅行に行きたいという願望が必要

になります。負担が小さく、いつでもパラパラ見れることによって、「旅行に行きたい」という潜在需要を引き出す点で、無料雑誌のゆこゆこに大きなアドバンテージがあるのです。

 

ネット人口が増えるだけでなく、スマートフォンやタブレットが普及すると、様々な紙媒体がデジタル化し、ネット上で配信されると予測されます。ネットで配信される情報は、更新が自由自在なため、常に最新情報を伝えることができるというメリットがあります。さらに、ソーシャルメディアと結合すれば、双方向のコミュニケーションも可能になります。しかし、ネットの場合、ネットを使う=検索する動機というものが必要になります。また、起動時間が短くなったと言っても、機器を起動→ブラウザを開く→検索という行動をたどれば、ある程度の時間はかかります。これらは、ネットのデメリットでしょう。一方、紙媒体の場合は、手元にあれば開くだけで、読むことができます。ページをめくるのも自分のペース。例えば、テレビCMの合間に、パラパラ眺めるという読み方ができるのです。このパラパラ眺めることで、何かしらニーズが顕在化し、購買につながるかもしれません。「なんとなく」から売上を生み出すのは、紙媒体が持つ優位性と言えるでしょう。スマホ・タブレットなどによって、デジタル化・ネット化が進む中でも、依然紙媒体には大きな優位性があるのです。

 

 

一つ気になるのは、

無料で定期的に発送して、採算は合うのか?

という点です。この点については、

  • 申し込み後半年間、予約がなければ発送を停止。(チラシに明記されています)
  • クレジットカードや保険などのチラシをゆこゆこに添付し、手数料を獲得。
  • その他、ゆこゆこ内に広告を掲載し、広告収入あり。

によって、無駄なコストの削減・収益の多様化を行い、事業として成り立たせるのかもしれません。

 

☆今日のまとめ☆

お宿情報ゆこゆこは、宿泊プランを通信販売するための無料雑誌。

ネットに疎い高齢者が、ソファーでパラパラ見ることを想定しているのだろう。

紙媒体は、ネット媒体とは異なり、見る強い動機を必要としない。

パラパラ眺めることで、ニーズを顕在化し、購買につなげることができるのは、紙媒体の大きな優位性である。

 

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☆ 今日のこぼれ話☆

目が痛い。

今日はパソコンのモニターを見過ぎた。

目を労る方法で何かいいのないですか?

今日はもう限界。

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→◯

◎毎日情報を発信する→☓

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓

◎腕立て・腹筋30回→☓

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯

◎部屋や家の掃除をする→☓

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