ABCマートの強さは品揃え・価格競争力だけではなかった

ABCマートBy sinkdd

 

先日、ABCマートでスニーカーを買う機会がありました。2年ほど履き続けたスニーカーが11月初めに破れ、その買い換えです。(スニーカーを破れるまで履いたのは今回が初めて。)

 

街中のお店に行ったのですが、在庫が豊富にあったので、難なく購入する商品は決まりました。その後の店員さんの対応に驚きました。その対応とは、

 

クロスセルの提案

 

なのです。クロスセルとは、

 

ある商品の購入者または購入希望者に対して、その商品に関連する別の商品あるいは組み合わせ商品などを推奨することで、顧客当たり購買品目数の向上を目指す販売アプローチ。(こちらのサイトを参照

 

 

私に提案した関連する別の商品や組み合わせ商品は、

二足まとめ買い割引キャンペーン

防水スプレー

でした。前者のキャンペーンについては、POPがお店に掲げられていたので、店員さんが勧めるのもわかるのですが、まさか防水スプレーまで勧められるとは。あくまで予測ですが、防水スプレーは特に値引きせずとも売れる商品であり、粗利益率が高いのでしょう。さらに、無くなればリピート生まれるので、来店動機を生む商品でもあります。防水スプレーの購入目的で来店した際に、自分の好みに合う靴が目に入れば、買ってしまう確率はかなり高いことでしょう。防水スプレーは、一見ABCマートの脇役なのですが、実はとても重要な戦略商品なのです。

 

クロスセルの提案は、意外にも行われていません。セルフサービスの業態なら、行いにくいのもわかるのですが、フルサービスでもクロスセル提案を受けるのは本当に稀。その点、キャンペーンと戦略商品のクロスセル提案を行ったABCマートは、営業力が高いと言えます。

 

これほどクロスセルを徹底しているのだから、客単価は増加しているのだろうと思ったのですが、実際はそうでもないようです。月次決算を見ると、全店ベースの客単価は、2011年3月から7月まで前年同月比で増加しているのですが、8月から10月は下落。11月はプラスに転換しています。客単価下落をプラスに転換させるために、11月からクロスセル提案を徹底したのでしょうか。

 

ABCマートは、主に品揃え・価格で消費者から支持を得ているのですが、企業としての強さは、その営業力(特にクロスセルの提案)の高さにあるのかもしれません。

 

 

☆  今日のまとめ☆

ABCマートの魅力は、その品揃え・価格にある。

企業としての強さは、その営業力の高さ、特にクロスセル提案にあるのかもしれない。

 

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☆ 今日のこぼれ話☆

会計時には、さらにヒートテックと同じタイプの下着を勧められました。

ここまでするとは。

ただ、提案が3つ目になったので、店員さんも少し申し訳なさそうに勧めていました。

会話のスムーズな流れの中でクロスセル提案を行うのは、難しい。

 

 

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