お値打ちワイン発掘のモトックス、インポーターはどう差別化すればいいのか?

 

 

今日の日経産業新聞にワインインポーターのモトックス平岡篤社長の、インタビュー記事が掲載されていました。

 

モ トックスは、もともとはアサヒビール特約店の酒販卸だったようです。しかし、ディスカウント店の台頭などで利益が上がらなくなり、ワインに特化したそうで す。ニッチ市場(当時ワインはニッチ市場だったのでしょう)に特化することは、中小企業にとっては定石。この選択が功を奏して、今のモトックスがあるので しょう。神戸のスーパーでも、モトックスのワインを良く目にします。

 

モトックスは、1000~1500円のお値打ちワインの発掘に力を入れているようです。消費者目線では、「お値打ちワインとは1000円以下ではないのか?」とも感じるのですが、ワイン専門家の目から見ると、1000円以下でお値打ちワインを飲むのはとても難しいらしい。そして、最後にこのようにおっしゃっておられます。

 

この10年で日本人はワインを実際に飲んで味で選べるほど慣れてきた。そんな今、裏面ラベルにあるモトックスの名前で選んでもらえることもうれしい。

 

モトックスは、銘柄やワインブランドではなく、インポーターで商品を選んでもらえることを目指しているようです。ただ、これは相当難しい。

 

ワインを選択する基準として、

1.        ブランドや銘柄

2.        ぶどう品種と産地・生産国

3.        マリアージュ(どんな料理に合うのか?)

4.        価格

などが考えられます。そこにはインポーターの名前はありません。その理由は簡単。

 

インポーターの特徴や違いがわからないから

 

です。例えば、今日記事で読んだモトックスにしても、

 

1000~1500円のお値打ちワインならおまかせ

 

しかその特徴はわかりません。恐らく、他のインポーターも同じ。もしかしたら、

 

弊社は、お値打ちワインしか輸入していません。価格以上の味わいを保証します。

 

と主張するかもしれません。消費者が知りたいことは、

1.        どれだけ厳選しているのか?(「一年間で世界中から新たに◯◯◯銘柄見つけ、そのうち試飲を通して、◯◯◯銘柄しか日本で販売していない。」など。)

2.        輸送は具体的にどのような状態なのか?(輸送状態に関する表示は、「リーファーコンテナ使用」ぐらいしかボトルに掲載されていません。)

3.        どこの産地に強いコネクションがあるのか?

などではないでしょうか。

 

ちなみに、Googleに て「ワイン インポーター」で検索してみると、インポーター一覧のページが最上位で表示。その下には、インポーターのサイトが表示されていますが、そこに は有名なインポーターのサイトはありません。(有名とは、チェーンスーパーに卸しているインポーターという意味。)自社の特徴を消費者に伝え、インポー ターで商品を選んでもらおうと、インポーターが本気で活動しているとは到底思えません。

 

また、インポーターを表示するワイン通販サイトを 見つけました。そこには、インポーターごとのページが設けられているのですが、インポーターごとの特徴はほとんど記載されていませんでした。どちらかとい うと、「そのサイトで取り扱っているインポーターのワインは、安心できる。」と、インポーターよりもサイト自身の選択眼を誇っているように感じました。

 

もしかしたら、インポーターの違いを出すのは難しいかもしれません。どこも、「リーファーコンテナ」で「お値打ち」品を厳選していることは、恐らく間違い無いと思います。インポーターの機能としては、

1.        小売店や消費者が直接海外のワイナリーから仕入れるよりも、安く仕入れることができる

2.        輸入に伴うトラブルに対処する

などが考えられます。よって、インポーターは、輸入ワインのバリューチェンの中では。必要不可欠な存在と言えます。(もちろん販売力のある小売店や外食チェーンは、インポーターの機能を自社に取り込む事が可能です。)

 

一方、インポーター同士の差別化は、

1.        扱う銘柄

2.        価格

に ならざるをえません。銘柄の独占販売権が得られなければ、価格での競争になります。これを回避するために、平岡社長は「裏面ラベルにあるモトックスの名前 で選んでもらえることもうれしい」とおっしゃっているのだと思います。モトックスのサイトを見ると、残念ながら「お値打ちワイン」という特徴を見出すこと ができませんでした。モトックスブランドで、ワインの販売を増やそうとするならば、モトックスを扱っているお店のリストがあってもいいのかな、と思いま す。取扱いリストがあると、

 

モトックスの良さをサイトで伝える→モトックスを扱うお店で消費者がモトックスのワインを味わう→消費者はモトックスを好きになる、お店は売上が増えてる→消費者・お店がハッピーになる→モトックスもハッピーになる

 

というプロセスが期待できます。私としては、インポーターの違いを消費者に伝えることには限度があるかと思います。それよりも、取扱店の販売支援をいかにできるかが、今後インポーターには期待されるのかと思います。

 

☆     今日のまとめ☆

現在、インポーターの違いは、消費者に伝えられていない。

違いには限度があるので、取扱店の販売支援をいかに行うかが、今後インポーターの差別化につながるのではないか。

 

 

 

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☆ 今日のこぼれ話☆

お昼に馬鹿でかいラーメンを食べました。
二郎系というのですね。
出来上がったラーメンを見てびっくり。
ただ、ほぼ完食しましたよ。

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→◯

◎毎日情報を発信する→◯

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→◯

◎腕立て・腹筋30回→◯

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯

◎部屋や家の掃除をする→☓

お値打ちワイン発掘のモトックス、インポーターはどう差別化すればいいのか?” に対して2件のコメントがあります。

  1. 若山 明男 より:

    ちょっと古い記事はのコメントで恐縮ですが、「また、インポーターを表示するワイン通販サイトを 見つけました。そこには、インポーターごとのページが設けられているのですが、インポーターごとの特徴はほとんど記載されていませんでした。」とのことですが、このショップのブログやらワインに対する考え方記事を探して読んでの記述でしょうか。
    私はこのショップは取引しているインポーターはもちろん、取引していないインポーター合計20軒弱の特徴に関する記事を読んだことがあります。現在も掲載しているはずですし、また当初よりは記事にしているインポーターの数も増えています。もし知らずに書いているのであれば、このショップに大変失礼だと思います。知ってて書いているのでしたら問題ありませんが。

    1. ryotarotakao より:

      若山様

      コメントありがとうございます。
      コメントをいただけると、大変励みになります。

      このショップのブログやらワインに対する考え方記事を探して読んでの記述でしょうか。
      私はこのショップは取引しているインポーターはもちろん、取引していないインポーター合計20軒弱の特徴に関する記事を読んだことがあります。現在も掲載しているはずですし、また当初よりは記事にしているインポーターの数も増えています。もし知らずに書いているのであれば、このショップに大変失礼だと思います。

      不快な思いをさせてしまったことを、とても反省しております。
      ワインホリックさんが、インポーターさんの選別に関して注意を払っておられることは、存じております。

      私がこの記事で取り上げたかったのは、
      「インポーターは、エンドユーザーとどんなコミュニケーションをしているか」
      に関して。
      そこで、インポーターをネット検索してみたのですが、インポーターのサイトはほとんど見られませんでした。
      その中で見つけたのが、ワインホリックさんのサイトです。
      インポーターが売上を伸ばす方法として、その特徴、特に他インポーターとの違い・差別化した点を、エンドユーザーに知ってもらうという方法が考えられます。
      その違い・差別化内容が、ワインホリックさんのサイトに掲載されるか確認したところ、輸送・保管方法や仕入れ方法が明確に説明されていませんでした。
      インポーターではなく小売店が書いた説明なので、インポーターの違いよりも自社の仕入れスタンスの説明が中心になるのは仕方のないことです。
      決して、ワインホリックさんを批判して書いたのではないことを理解してただければ幸いです。

      ワインホリックさんのブログ・記事について、特に意識して読んだことはございません。(消費者として、ネットでワインを購入した際に、寄ったぐらいです。)
      独占販売しているワインがある大手小売店は別にして、ワインは商品だけではなかなか差別化しにくいので、価格競争に陥りやすい商材です。
      この点、ワインホリックさんの仕入れ基準・保管基準を厳格に決める方法は、価格競争から抜け出すヒントかと思います。

      ご意見等ございましたら、コメントいただければ幸いです。
      今後ともよろしくお願いいたします。

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