楽天とグリーの共通点から考えたこと

今週号の日経ビジネスでは、楽天が特集されています。

昨年、流通総額1兆円を突破し、大手流通業に比肩する規模になった楽天。円高を背景に次々と海外拠点を作り、その数は今や10の国・地域に及ぶ。危機に直 面しても変われない日本の産業界を断ち切って、楽天は日本発の新たな世界企業になろうとしている。世界企業を目指す楽天に今、何が起きているのか。三木谷 浩史会長兼社長をはじめ、楽天の各国の経営を担う幹部たちに語ってもらった。(日経ビジネスオンラインより

グローバル化を急ぐ楽天が紹介されています。日本人だけの会議でも英語で行われるようになることには、驚愕しました。仕事の効率化が低下するのは、必至。そこまで英語化を進めるのは、もう執念としか言いようがありません。海外企業のM&A・経団連脱退など、世界で稼ごうとする姿勢は鮮明であり、爽快とも感じられます。

 

そして、今日の日本経済新聞電子版には、驚く記事がトップで紹介されていました。

旬の芸能人を起用した大量のテレビCMで華やかなイメージの「ソーシャルゲーム」。だが水面下ではゲームの枠を超えた異常な事態が進行していた。レア(希 少)なカードを得るためギャンブル性の高い「ガチャ」に10万円以上もつぎ込むユーザー。それらを対象にネットオークションでカードを売りつけ、月間で数 百万円を荒稼ぎするユーザー。ついにはカードが複製される不正行為も発覚した。莫大な金銭が動く一大「カード市場」の内幕とは。

簡単に言えば、グリーのビジネスモデルの批判。グリーは、カードというバーチャルなものを射幸心を煽って販売するビジネスモデルを採っています。まるで中毒患者のようになり、金銭感覚を失うことがよくわかります。ちなみに、グリーのゲームを利用したことはありません。SNSを運営した頃に、グリーに会員登録をして以来ほったらかしになっています。

 

グリーに関して、問題があるのはわかりますが、非常に利益率の高いビジネスを創りだしたのは事実。これについては、すごいと思います。(決して、勧めているわけではありません。私自身、恐らく一生ソーシャルゲームをすることはないと思います。)たかがゲームと言えども、そのゲームを使って収益を上げているわけです。実在するモノを販売せずに、自分達で価値を作り、その価値を持ったカードというバーチャルな情報を販売することは、なかなかできることではありません。

 

ビジネスとして成功している楽天とグリー。その共通点を考えてみました。

 

  1. 人が集まる場を提供している。
  2. 商品を販売している。
  3. リピートが生まれる仕組みがある。

 

1について、楽天はネット通販の楽天市場があり、グリーにはソーシャルゲームを提供するグリーがあります。どちらも、その業界ではナンバーワン。人が集まったからナンバーワンになり、ナンバーワンだからさらに人が集まる。正のスパイラルが働いているので、この牙城を崩すことはなかなか難しいでしょう。逆に言えば、両企業にとっては安泰であり、大きな資産と言えます。この資産が、両企業の収益力の土台になっていることは、言うまでもありません。

 

2については、広告収入に依存していないということを示します。楽天は楽天市場や楽天トラベルなどで、集客したお客さんからお金をいただいています。グリーも、ゲーム内でカードや武器を販売しています。特に、グリーの場合は、無料ゲームで集客し、広告で儲けるというビジネスモデルもありえたかと思います。にもかかわらず、実際に商品を販売していることで、高い収益力を獲得しています。ミクシーとの差は、ここに生まれています。

 

3については、一回売って終わりではないことであり、ストック型の収益モデルに近いと言えるかもしれません。楽天では、楽天スーパーポイントが、リピートを生み出します。楽天市場で買い物をすれば、楽天スーパーポイントがもらえます。そのポイントは、楽天内で1ポイント=1円として使えるので、ポイントを貰った消費者は、また楽天市場などの楽天のサービスに戻ってくることになります。ポイントで商品を購入すれば、またポイントが付きます。楽天で商品を購入する限り、楽天スーパーポイントがなくなることはないので、できれば楽天で消費しようという気持ちになり、これがリピートにつながります。グリーでは、ゲーム内での他プレイヤーとのつながり特に競争により、もっとゲームがしたいという気持ちにさせます。さらに、ゲーム内でカードや武器を購入すれば、お金を払ったのだからゲームをしなければ損という感情を引き起こさせます。その結果、グリーのサービスを続けて使うことになり、リピートが生まれます。

 

この共通点は、リアル店舗でも行われています。例えば、ショッピングセンターでは、

  1. 人が集まる場=店舗が集積した建物、各種イベント
  2. 商品の販売=モノやサービス(フィットネスやマッサージなど)の販売
  3. リピート=ポイントサービス、楽器教室やフィットネスなどの習いの場

があります。各項目の訴求力が、楽天・グリーよりも低い点がその収益力の違いに表れているのかもしれません。(もちろん、情報を販売するグリーと同じ利益率を生み出すことは、実店舗ではかなり難しいかと思いますが。)

 

この三要素、当たり前だと言えば当たり前ですが、この三要素を既存事業に組み込めば、新しい事業が生まれるのではないでしょうか。

 

☆今日のまとめ☆

EC・ソーシャルゲームのナンバーワン企業の楽天・グリーの共通点は、

「人が集まる場を提供している。」「商品を販売している」。「リピートが生まれる仕組みがある。」

である。

この三要素を既存事業に組み込めば、新しい事業が生まれるのではないか。

 

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☆ 今日のこぼれ話☆

日経であれほど大きくソーシャルゲーム批判が出たことに、驚いています。

ソーシャルゲームの暗部が叩かれる序章なのかもしれないですね。

個人的意見として、任天堂あたりに頭の賢くなるソーシャルゲームを出して欲しいです。

ゲームによって、学習が進めば、親御さんからも支持を受けるのではないでしょうか。

 

☆昨日の目標→その結果☆

◎朝6時に起きる→☓

◎毎日情報を発信する→☓

◎毎日仕事以外の人に話掛ける→☓

◎腕立て・腹筋30回→◯

◎自宅のある12階まで歩いて登る、または自転車を30分以上漕ぐ→◯

◎部屋や家の掃除をする→☓

◎営業日誌を付ける→☓

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